1 鉄道輸送の安全の現状


 我が国における鉄道運転事故の件数及び死傷者数は、列車運転の高速化・高密度化が進むなかでも、安全対策を着実に実施してきた結果、長期的に減少する傾向にある。〔2−5−9図〕。しかしながら、列車運転の高速化等に伴い一度事故が発生すると、多数の死傷者を生じる恐れがある。また、人的な被害は伴わないものの、空港アクセス鉄道を始め鉄道輸送の一層の定時性が求められるなかで、車両故障等による列車の遅延が多数発生している。
 このような状況をふまえ、運輸省は、鉄道輸送を安全で安定した信頼されるものとするため、以下の諸施策を講じている。