今後、我が国の鉄道においては、利用者のニーズに応えるための高速化、安全性、快適性の向上等に加えて省エネルギーや低騒音といった社会的要求を満たす車面の開発・提供が求められており、このような多様なニーズに対応するための技術的能力の確保が必要である。
また、我が国の鉄道車両技術は、新幹線に代表されるように諸外国の鉄道の高速化や交通基盤の充実に貢献するものとして期待されているが、これらのニーズに対応するためにも、さらなる技術向上に努める必要がある。
このような状況の中にあって、我が国の鉄道車両工業を発展させていくためには、鉄道車両等の製造事業者と鉄道事業者が、互いに協力して技術開発を継続的かつ積極的に推進するとともに、車両単体のみならず総合的な鉄道システムを提供し得る体質への変革が必要であり、このためには、鉄道車両の共同開発及び標準化並びにコスト低減等について業界として積極的に取り組む体制を整備していくことが強く求められている。