(1) 我が国の鉄道車両工業の現状


 我が国の鉄道車両工業は、鉄道車両・同車両部品をはじめとして、鉄道信号保安装置、索道搬器運行装置等の製造を行い、我が国の鉄道全体を支えている産業である。
 平成7年度の新造車両の生産実績は、2,312両(対前年度比6.7%減)であった。これを車種別にみると、国内向けでは、電車1,642両、ディーゼル車74両、貨物車414両、その他49両、合計2,179両となっており、また、輸出では、合計133両(対前年度比7.0%減)であった。仕向け先別の実績をみると、アジア向け機関車12両、旅客車3両、北アメリカ向け旅客車28両、アフリカ向け旅客車90両であった〔2−5−10図〕
 国内需要は、国鉄改革直後のJR各社の新造車両の需要が一巡したため、国鉄時代の平均的なレベルにある。一方、輸出は円高の影響や欧州の車両産業の積極的な売り込み等により引き続き低迷傾向にある。このため、全体の需要は今後とも大幅な増加の見込まれない状態にある。