(2) 海上旅客輸送のサービスの向上


 (国内旅客船の高速化)
 近年の国民の時間価値の高まりにより、海上旅客輸送分野においても高速化が進んでおり、高速船(航海速力時速40km以上)の就航比率は昭和62年の7.3%(173/2,358隻)から、平成8年には9.4%(239/2,535隻)に増加している。このうち超高速旅客船(航海速力時速65km以上)は8年4月現在17航路に31隻が就航している。今後とも海上旅客輸送の高速化はますます促進されるであろう。
 (高齢者、身体障害者等に対する配慮)
 旅客船ターミナル及び船舶においては、高齢者、身体障害者等に配慮した施設が増加しており、例えば10年3月完成予定の神戸港中突堤の旅客船ターミナルは高齢者、身体障害者等に配慮したエレベーター等を設置して整備されることとなっている。また、運賃についても、多数の航路において、高齢者・身体障害者等を対象とした割引を実施しているが、7年9月に視覚障害者に対する割引の適用範囲を拡大する制度改正を行ったところである。
 (運賃の弾力化等)
 事業者の創意工夫が発揮され、利用者利便の向上が図られる営業政策的な割引運賃等については、事業者の自主的な判断に委ね、適時適切な商品設定を可能とする等のため、7年4月より認可制を緩和し、事前届出制を導入した結果、各事業者による新たな割引運賃の導入等が活性化された(H6.4〜6.12…49件、7.4〜7.12…147件)。
 さらに、同年7月より遊覧旅客不定期航路事業(起終点同一で寄港地のない航路において営むもの)について、運賃を事前届出制とするとともに、許可基準を緩和した結果、運賃の設定・変更、新規参入ともに前年より増加した(運賃の設定・変更H6.7〜7.3…7件、7.7〜8.3…28件、新規参入6.7〜7.3…6件、7.7〜8.3…16件)。