(1) 船員教育体制の充実等


 (新規学卒者の採用確保等)
 商船大学及び商船高等専門学校の新規学卒者の採用は、近年外航海運の不況により抑制され、特に7年度はその採用者数は著しく落ち込んだ。新規学卒者の安定的な採用は、将来にわたって我が国商船隊の安全な運航等に必要な日本人船員を養成していくために重要であり、企業側の配慮を要望してきたところである。
 また、若者の海離れをくい止めるためには将来の外航海運の展望が示されることが重要であるが、8年3月より海運造船合理化審議会が開催されており、日本籍船及び日本人船員の確保を目的とした国際船舶に関する制度の本格的な実施、拡充に関する今後の課題をはじめとして、最近における国際環境の変化を踏まえた外航海運のあり方について、幅広い議論が行われている。
 (船員教育制度の改善等)
 船員教育制度については、特に日本人外航船員教育に関して、混乗化の進展に伴う船員の配乗体制及び船内職務体制の変化等への対応の観点から船員教育スキームの見直し、新たな海技資格制度等に対応した教育機関と船社との役割分担の検討、外国人船員教育に関しても我が国海技資格取得援助の必要性の検討等の課題が考えられることから官公労使の委員からなる「将来の船員教育に関する検討会」において検討している。
 加えて、7年度から3か年計画で航海訓練所の練習船「青雲丸」の代船建造を行い、9年度には新練習船が誕生する運びとなっており、これを活用し将来の我が国の海運を支える優秀な若年船員の確保・育成を推進していくこととしている。