(3) 船舶の適正な乗組定員の確保


 船舶の乗組定員については、船員の労働時間の厳守と船舶の航海の安全を確保するために、船員労務官による監査等を通じて、適正な乗組定員の確保に努めている。しかしながら、内航海運においては景況の悪化のなかで、荷主の用船料等の抑制に伴う乗組員数の少数化、ひいては船員の過重労働といった実態が見受けられるようになってきており、また、過小員数で運航する内航小型船の海難事故も発生していること等から、特に、総トン数200トン未満の船舶について、甲板部の当直者が十分な休息を確保できるような乗組員数を配乗するよう指導を行っている。
 また、9年2月に発効するSTCW条約の改正により、当直者に対し24時間につき最低10時間の休息時間を確保することが義務づけられることから航海当直基準の見直しを進めているほか、さらには、内航海運を取り巻くこれらの状況を踏まえ、船舶の総トン数等に応じた標準的な乗組定員を定めるべく関係者間で検討を行っている。