(1) 自動車からの排出ガス対策


 自動車排出ガス対策については、平成元年12月の中央公害対策審議会答申「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」を踏まえ、短期目標値については、既に窒素酸化物及び黒煙排出量の削減、粒子状物質の規制の導入等の規制を実施しているところである。
 また、同答申の長期目標値のうち、ガソリン中量車及び重量車については、5年10月に道路運送車両の保安基準を改正し、6年及び7年にかけて規制強化を実施している。ディーゼル車については、8年1月に道路運送車両の保安基準を改正し、車両総重量12トンを超える大型車を除いて9年規制及び10年規制として実施することとしており、残りの車種についても11年中に規制強化を実施する予定である。
 加えて、首都圏、阪神圏等の大都市においては、自動車排出ガスに対する規制強化にもかかわらず、窒素酸化物による大気汚染の改善がはかばなしくないまま推移していることから、4年6月に公布された「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づき、5年2月に策定した「運輸業に係る特定地域における自動車排出窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針」を着実に実施するとともに、車検制度を用いた使用車種規制を5年12月から実施し、あわせて税制上の措置等により規制適合者への代替を進めている。
 さらに、低公害車(メタノール自動車、ハイブリット自動車、圧縮天然ガス自動車、電気自動車)の普及も重要な課題であり、これらについて技術開発の状況等を踏まえ、必要な技術上の基準等の整備を行うとともに、普及のための税制上の優遇措置、日本開発銀行等による低利融資等による助成措置を講じている。