3 造船技術の開発


 造船技術の高度化、海洋空間における社会資本整備等のため、造船業基盤整備事業協会を通じ次世代船舶の研究開発として、超大型浮体式海洋構造物(メガフロート)及び新形式舶用電気推進システムの研究開発を推進している。
 メガフロートは、利用需要の増大が見込まれる沖合域に新たな人工地盤を提供する超大型(数キロメートル規模、耐用年数100年)の浮体式海洋構造物であり、環境に優しい、地震の影響が少ない、工期が短いなどの特徴を有することから、今後の運輸関連施設等の大規模な社会資本の整備に当たり従来の工法を補完するものとして期待されている。現在、実用化に向けて、神奈川県横須賀沖で実証実験が行われており、8年7月には世界最大規模の洋上接合実験が実施され、300m×60mの浮体モデルが完成したところである。
 さらに、造船業基盤整備事業協会において、地球環境問題に対処するため、環境保全技術の研究開発として、新形式タンカー構造等の油流出防止技術及び排気ガス浄化技術の研究開発を推進している。
 原子力船研究開発については、日本原子力研究所において、「むつ」によって得られた成果等を内外の新たな知見と合わせて蓄積・整備しつつ、舶用炉の改良研究を推進していくこととしている。
 なお、テクノスーパーライナー(TSL)については、平成元年度から研究開発が進められ7年度の総合実験により研究開発を成功裏に終了しており、8年度はその事業化を支援するための総合的な調査を行っているところである。