2 運輸分野におけるICカードシステムの導入の推進


 ICカード(Integrated Circuit:集積回路)は、カード自体でデータ処理が可能であること、既存の磁気カードと比較して、セキュリティが高く、記憶容量も大きいことなどから今後の有望な情報記憶媒体と考えられており、様々な分野でその活用が試みられている。
 運輸省では、5年12月より、学識経験者を交え、運輸分野におけるICカードの活用方策について検討を進めてきた。初年度は、具体的利用分野の絞り込み等を行い、6年度にはバス・鉄道等乗車券、貨物追跡管理等の利用分野ごとに諸外国の事例調査、ニーズ調査等を実施し、ICカードを活用したシステムの概略と、導入にあたっての課題の取りまとめを行った。これを受けて7年度には、実証試験の実施等実用性の検討を行った(貨物追跡管理については、8年度実用化に必要とされる技術的要件等を取りまとめる予定。)。
 この結果、バス・鉄道等の乗車券については、非接触(電波で情報をやり取りする)タイプのICカードを活用したシステム(汎用電子乗車券)の開発に強い期待が寄せられていることから、運輸省では、8年10月に「汎用電子乗車券技術研究組合」の設立を認可する等、8年度から3年を目途に、次世代の乗車券として、次のシステムの早期の実用化を目指す研究開発を推進することとしている。