5 WTO(世界貿易機関)


 7年1月に「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」が発効し、「モノ」の分野だけでなく、サービス分野を含む貿易自由化についての枠組みとしてのWTO(世界貿易機関)が発足した。
 WTOでは運輸を含むサービス分野の自由化促進のためのルールが「サービスの貿易に関する一般協定」において定められている。このうち、航空分野については航空機の保守等の一部の付随的な業務を除き同協定の適用除外とされている。また、海運分野についてはウルグアイラウンド終結後も継続交渉が行われたが、米国の消極的姿勢などにより交渉がまとまらず、8年6月に交渉を中断し、次期サービス交渉の開始とあわせて交渉を再開することとなった。
 10年5月の第2回WTO閣僚会議において、11年中にアメリカで開催される第3回閣僚会議の場で次期サービス交渉を含めた自由化交渉の枠組みを決めることを決定しており、そのための準備会合が10年9月から開始されている。
 次期サービス交渉においては、上述の通り、海運分野については交渉が行われることが決定されているが、あわせて、航空分野の「サービスの貿易に関する一般協定」の適用除外に関する検討が行われることとなっている。また、その他の運輸サービス分野についても検討が行われる見込みである。


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