4 都市鉄道の整備


 東京圏をはじめとする大都市圏における鉄道の通勤・通学の混雑は、近年の輸送力増強の努力により緩和傾向にあるものの、未だ厳しい状況にあり、その緩和を図るためには、今後とも都市鉄道の計画的な整備が必要不可欠である(P.135参照)。
 このため、東京圏、大阪圏及び名古屋圏については、運輸政策審議会から鉄道整備が答申されており、これに基づいた計画的かつ着実な整備が図られているところである〔2−5−4表〕。なお、東京圏については、8年度より、次期計画の策定に向けて検討を行っている。
 この都市鉄道の整備に対する支援措置としては、通勤・通学混雑の緩和等に資する新線建設や複々線化等を進めるため、地下高速鉄道整備事業費補助制度や日本鉄道建設公団による民鉄線建設(P線利子補給金)制度による支援措置が創設されている。この他、大都市圏を中心として宅地開発と鉄道整備を複合的に行うものを対象に開発者負担や地域社会の支援措置を制度化したニュータウン鉄道整備事業費補助制度や大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法に基づく制度による支援措置が創設されており、現在、同法に基づき、宅地開発と一体となった常磐新線(秋葉原〜つくば)の整備が行われている。また、将来にわたる輸送力増強工事の資金に充てるために運賃収入の一部を非課税で積み立てることができる特定都市鉄道整備積立金制度が導入されている。さらに、3年度には、鉄道整備基金(9年10月1日より運輸施設整備事業団に改組)の設立に伴い、都市鉄道の整備に対する無利子貸付制度が創設され、6年度には第3セクターによる地下鉄新線建設に対しても支援を行うことができることとするなど地下高速鉄道整備事業費補助制度の拡充がなされたほか、8年度には、沿線地域の活性化・開発の促進等に資する貨物鉄道の旅客線化事業に対する補助制度が創設されるなど、都市鉄道の整備に対する支援措置の充実が図られてきている。


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