FMCの制裁措置に係る日米政府間協議(10.1.28〜)


 平成9年9月、米国連邦海事委員会(FMC)は、我が国の港湾労使慣行である事前協議制度等を問題として、我が国海運企業3社に対し、米国寄港の度に10万ドルの課徴金を課すとの制裁措置を発動し、同年10月に150万ドルを徴収した。FMCが当該制裁措置を発動する根拠とされた港運問題については、10月末に、制度の簡素化、手続の透明化、紛争処理手続の創設等現行事前協議制度の改善等について国内関係者間で合意が得られ、これを受け日米政府間でも書簡交換を行い決着した。同書簡においては、上記の合意で定められている責務を関係者が確実に果たすこと、港湾運送事業の免許の申請が免許基準に合致するときは通常約2ヶ月以内で免許を交付すること等が確認された。
 上記にもかかわらず、FMCは当該制裁措置を無期限の停止とするにとどまり、未だ完全撤回するには至っていない。FMCの措置は、入港や貨物輸送等について内国民待遇及び最恵国待遇を相手国船舶に保障した日米友好通商航海条約に違反する行為であるため、同条約に基づく政府間協議(平成10年1月28日予備協議、7月29日本協議)を含むあらゆる場を通じて完全撤回を含む原状回復を要求していく。


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