2 財政状態


  38年度末における国鉄の資産総額は, 〔I−(I)−42表〕に示すように,2兆1037億円となり,前年度より2021億円(11%)増加した。一方長期短期等の負債総額は7749億円で前年度より1384億円(22%)増加した。したがつて,資産総額から負債総額を差し引いた正味資産は,1兆3288億円で,前年度より637億円(5%)増加した。資産の増加は主として第2次5箇年計画の第3年目にあたり,投資の増大に伴う固定資産の増加によるものであり,負債の増加は第2次5箇年計画の源資として長期負債の増額があつたためである。

  国鉄は,その設備投資に要する資金を主として借入金,鉄道債券によつて調達しているが,38年度末の長期負債の残額は6890億円で,前年度より1483億円(27%)増加した。内訳は,長期借入金3191億円(前年度より467億円17%増加)および鉄道債券3699億円(前年度より1016億円38%増加)で特に鉄道債券の増加が著るしい。設備投資に要する資金の自己資金と借入金等の割合は, 〔I−(I)−43表〕に示すように借入金等の増加が著るしく,長期負債の償還未済残高は毎年増加の傾向にあるが,現状のまま推移すれば,今後第2次5箇年計画を含む長期計画の源資としては利子および債務取扱諸費の増加により,自己資金でまかない得る部分は縮少し,投資はますます長期負債に依存せざるを得なくなり,その累増は必至であると予想される。


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