2 航空企業の再編成


  わが国航空輸送は42年以後予想を上回る急激な需要増加をみせ,そのため供給力不足の状態となつてきた。こうした新事態に対処し,かつ今後も飛躍的な発展が見込まれる航空輸送の変貌に対処するため,安全かつ十分な輸送力を確保して利用者の要請に応えるため,航空政策の全般にわたり長期的な視野に立つた基本方針を確立する必要が生じ,45年6月運輸政策審議会に対し,「今後の航空輸送の進展に即応した航空政策の基本方針について」諮問が行なわれ,同審議会は45年10月答申を行なつた。そのうち国内定期航空運送事業に関する部分の概要は次のとおりである。
 @ 航空企業内容の充実強化を図り,航空の安全性の基礎のうえに航空機のジエツト化,大型化を推進する。
 A 日本国内航空(株)および東亜航空(株)が,先発航空企業の協力と広く民間資本の参加を得て,円滑かつなるべくすみやかに新会社を設立することを期待する。
  新会社はローカル線を運営するものとし,将来,歪業基盤が充実強化された段階において,幹線における航空輸送需要の動向に即応しつつ,幹線運営をも考慮しうることとする。
 B 日本航空(株)と日本国内航空(株)が合併をとりやめることに伴う問題の処理は,両社が協議し,政府の承認を受けて決定する。
 C 航空輸送需要の多いローカル路線については,原則として,同一路線を2社で運営し,輸送サービスの向上を図る。この場合において,過当競争の弊が生ずることのないよう,路線の選択,2社の協調等についても配意するよう努める。
  45年11月には,「航空企業の運営体制について」閣議了解がなされ,そのうち国内定期航空運送事業について,審議会答申とほぼ同じ内容の了解がされた。
  こうして,航空企業の再編成が行なわれることとなり,日本国内航空(株)と東亜航空(株)は46年5月15日合併し,東亜国内航空(株)として新発足し,国内定期航空運送事業者は3業者に集約された。


表紙へ戻る 目次へ戻る 前へ戻る