1 航空事故の発生状況


  昭和46年度には,7月に「ばんだい号」事故(3日),全日空機・自衛隊機空中衝突事故(30日)と2つの大事故が連続して発生した。
  前者は,東亜国内航空鰹椛ョのYS-11A型機「ばんだい号」が北海道度島支庁七飯町横津岳中腹に激突し,68名が死亡するというものであり,また,後者は,全日本空輸鰹椛ョのB-727-200型機が岩手県岩手郡雫石町上空で自衛隊機と接触,墜落し162名が死亡するというものであつた。
  上記2大事故を含め,昭和46年における民間航空機の事故発生状況は 〔III−21表〕のとおりである。

  事故を運航形態別にみると,離陸時一飛行機4件,回転翼2件,着陸時一飛行機8件,回転翼3件,航行中一飛行機7件,回転翼7件,農薬散布中一回転翼3件,地上,飛行機2件となつており(46年においては,滑空機の事故は発生していない)飛行機においては着陸時の事故が最も多く,回転翼にあつては例年多発的に発生する農薬散布中の事故に代わり航行中の事故が目立つている。
  全事故件数のうち定期便による事故については,全事故件数の24%を占め,前年の同比率の約3倍の増加となつている。
  なお,昭和47年には,日本航空鰹椛ョのダグラス式DC-8-53型機が6月14日,インド,ニユーデリー空港への着陸進入の際,川の堤防に激突して機体を大破し,塔乗者89名中86名が死亡するという事故が発生した。


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