4 関西国際空港


(1) 経緯

  関西国際空港については,40年代の初め頃から関西地区における航空輸送需要の増加に対処するため,その建設が必要と考えられ始めた。このため43年度から50年度までに約16億円の調査費を計上し調査を行ってきたが,この間の46年10月,「関西国際空港の規模及び位置について諮問を受けた航空審議会は,49年8月工3日,「その位置を大阪湾南東部の泉州沖の海上とし,当面その規模を,海上の国際空港として最小の単位となる長さ4,000メートルの滑走路1組(少なくとも300メートルを距てた2本の平行な滑走路)に,長さ3,200メートル以上の補助の滑走路1本を加えたものとすることが望ましい」旨答申した。この答申において,同審議会は,大阪国際空港の騒音問題の抜本的な解決を図ることを主たる理由に新空港が必要であるとし,公害のない空港建設の可能性について,できるかぎりの手段を尽くして検討を加えたとしている。
  この答申を受けて,関西国際空港に対する地域社会の理解と協力を得るため,次のような努力を重ねてきた。
  50年6月,諮問から答申に至る審議過程で検討した全資料を公開した。7月には運輸大臣が大阪兵庫及び和歌山の3府県を歴訪し,答申資料の検討と今後の調査への協力を依頼し地域社会に正式に協議を開始した。51年5月には,和歌山県から要望のあった資料「関西国際空港と和歌山県」を同県に送付するとともに公表したほか,航空局長が大阪府を訪れ,泉州地域における気象・海象観測施設の設置について知事に了承方を依頼した。更に,関係地方公共団体の議会議員,職員,地域住民等に対して説明会を開催した。

(2) 今後の進め方

  運輸省としては答申の趣旨を尊重し,泉州沖候補地について,公害のない,地域社会と調和のとれた新空港の実現を目指し,今後種々の調査特に環境影響に関する調査を鋭意施行し,地域社会の合意を得たうえで計画を決定し,事業に着手することとしている。
  51年度においては,空港整備事業調査費13億円を計上して,環境影響に関する調査に必要となる気象・海象等の自然条件に関する調査及び騒音,大気汚染,水質汚濁・汚染等の環境影響に関する調査を実施することとしている。


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