4 新交通システムの整備


  新交通システムの一つとして開発されている中量軌道輸送システムは,50年の沖縄海洋博覧会に会場内輸送機関として初めて導入され,その後,公共交通機関として,56年2月に神戸新交通株式会社ポートアイランド線,同年3月に大阪市交通局南港ポートタウン線が開業し,57年11月に山万株式会社ユーカリが丘線が開業している。また,58年12月22日には,東北・上越新幹線の高架張出し部分を利用して建設された埼玉新都市交通株式会社伊奈線が開業の予定である 〔1−6−6表〕。このシステムの特色としては,@輸送需要がバスと鉄道の中間分野(ピーク時間当たりの輸送需要がおおむね1万〜2万人)に適合したものであること,Aゴムタイヤの採用や電力駆動により外部に対する騒音,振動,大気汚染等の公害が殆んどないとともに,車内においても快適な乗り心地が確保されること,B自動運転等のコンピュータを活用した運行管理を行っているものがあること等であり,今後同システムの導入が検討されうるケースとしては,大都市圏において特定の地域の交通条件の改善が望まれるケース,大規模な宅地開発(ニュータウン建設,埋立て)に伴い,既存の基幹的交通手段とのフィーダー輸送を確保する必要があるケース,地方中核都市において基幹的交通手段の確保が望まれるケース等が考えられるが,同システムの導入に当たっては,都市交通機関としての有効性のほか,経営的に成り立つかどうかという点についても十分検討し,具体的な整備を図っていく必要がある。


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