第7章 多彩に進展する総合的港湾空間の整備

 ○ 港湾に寄せられる多様で高質な要請に応えるため,民間活力をも活用しつつ竹芝地区再開発をはじめ全国で総合的な港湾空間の整備を進めている。
 ○ 社会経済活動を支える基盤として港湾の整備を進めるとともに,港湾再開発等の臨海部の開発,国民の親水ニーズに応じた緑地マリーナを核とした海洋性レクリエーション基地の整備等を実施している。
 第7章の要旨
  我が国の国際化,情報化,都市化が進展するなかで,港湾に対する要請も高度化・多様化している。こうした状況を背景に,港湾では物流・産業・生活の3つの空間が調和長く組み合わされ,全体として高度で多様な機能が発揮できる「総合的港湾空間の創造」が求められており,次の施策によりその整備は着実に進展しつつある。
 1. 第7次港湾整備五箇年計画に基づき,外貿コンテナターミナル,内貿ユニットロードターミナルの整備による輸送ネットワークの形成を始めとした港湾の整備を推進している。また,民活法,民都市法,リゾート法といった各種法制度の充実にあわせ,開銀等による出融資を行う「港湾機能総合整備事業」制度の創設等を図るなど,民間活力を活用し多様な施設整備を積極的に進めている。一方,「総合的港湾空間の創造」を各港の港湾計画に反映させるため,その基本方針となる「港湾の開発,利用及び保全並びに開発保全航路の開発に関する基本方針」を改訂することとしている。さらに,その動向が注目されている東京湾臨海部においては,東京湾諸港の総合的な空間利用の基本指針となる「東京湾港湾計画の基本構想」の改訂作業が進められている。
 2. 近年,市民の親水空間整備への要望が急速に高まっており,港湾においても,親水緑地,人工海浜,海事博物館,ポートタワー等の親水・交流のための施設整備を進めるとともに,海洋レクリエーション需要の増大に対応し,マリーナを中心とする海洋性レクリエーション基地の整備を推進している。
  また,沿岸域における新たな開発空間の需要に応え,海域の総合的な利用を促進するため,沖合人工島の整備についての検討を行っている。
  その他,廃棄物処理場を海面に求めるフェニックス計画の推進等が図られている。


第1節 活力と潤いのある港湾空間の形成と多様な海域利用

第2節 経済社会発展の基盤形成をめざした港湾空間整備