第2章 新時代への夢を運ぶ列島一本化

 この章のポイント
 ○ 青函トンネル,瀬戸大橋の開通により列島一本化が実現し,本州と北海道,四国間それぞれの輸送時間の短縮,安定輸送,輸送力の増強等が図られ,人,物の交流が活発化した。
 ○ 本州・四国間ではフェリー,航空の一部が落ち込みをみせているものの,JR(津軽海峡線及び瀬戸大橋線)が大幅な伸びを示しているほか,本州・北海道間及び本州・四国間の各輸送機関ともおおむね好調に推移している。
 ○ この好調さを一過性のブームに終わらせずに,今後とも長期的に定着させる努力が重要である。
 はじめに
  昭和63年3月の青函トンネル,4月の瀬戸大橋の開通により,北海道,本州,四国,九州が陸続きとなり,長年の念願であった日本列島の一本化が実現した。
  交通施設の整備は,時間短縮,安定的な輸送の確保などの交通施設そのものによる効果だけでなく,その整備から波及する地域経済への様々なインパクトがある。特に,青函トンネル,瀬戸大橋は,開通前から地元の大きな期待を担って開通した。このような大規模な交通施設の整備の影響を多角的な観点から把握することは,今後の交通施設の整備の指針を明らかにするうえでも意義深い。開通初年度の63年は,その影響を見極めにくい面もあるが,ここでは,可能な限りその影響の把握・分析を試みた。


第1節 青函トンネルの開通

第2節 瀬戸大橋の開通