忘れないで!クルマの点検・整備

日常点検

ブレーキからタイヤまで。日常点検の実際。

クルマに安全に乗るためにかかせないのが日常点検です。日常点検では右に掲載した15項目について点検しましょう。

もし少しでも「変だな」と感じたら、整備工場などで必ず点検整備を受けてください。

1 ブレーキペダル

運転席に座ったら、まず最初にブレーキ・ペダルのチェックをしましょう。エンジンをかけて異音がないかどうか確かめたうえ、ブレーキ・ペダルを踏み込んだとき、床板との間(踏みしろ)が適当かどうか確認します。また、その踏みごたえが「あまい」「かたい」など、いつもと違うなと感じたら要注意です。踏みごたえの違いの判断は、新車時や定期点検直後のブレーキ・ペダルのフィーリングで判断するといいでしょう。

点検をしないと…

ブレーキはスピードを「減速させたり、止めたりする」大切な制御装置です。ききが甘くなると停止位置がのびたり、緊急時の対応が遅れてしまい危険です。「踏みごたえがいつもと違う」と感じたらすぐに修理しましょう。

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2 駐車ブレーキ

一般にサイド・ブレーキと呼ばれている駐車ブレーキは、レバーにつながっているケーブルで、ブレーキを機械的に動かし、ロック状態にさせる働きをします。ブレーキ・レバーをいっぱいに引いたときに、引きしろが多すぎたり、少なすぎたりしないかをチェックします。ブレーキ・ペダルと同様に、新車時や定期点検直後との違いを比較してください。

点検をしないと…

駐車ブレーキの引きしろが多くなると、ブレーキのききが悪くなり、坂道など傾斜のある場所に駐車すると、クルマが動いてしまう危険があります。使用頻度が多いだけに、日常点検で引きしろをきちんと確認しましょう。

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3 エンジンのかかり

エンジンが速やかに始動し、スムーズに回転するかを点検します。また、エンジン始動時およびアイドリング状態で、異音がないかを点検します。

点検をしないと…

「エンジンの調子がおかしい」とわかっていて運転するのは無謀です。高速道路でエンストするなど危険がいっぱい。普段から調子の良し悪しを判断し、少しでもおかしい点があったら整備のプロに確認してもらいましょう。

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4 エンジンの低速・加速の状態

エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。次に、エンジンを徐々に加速したとき、アクセル・ペダルに引っ掛かりがないか、また、エンスト、ノッキングなどを起こすことなく、スムーズに回転するか、走行するなどして点検します。

点検をしないと…

運転中にエンジンが空吹かし状態になったり、ガクンガクンとノッキングしてエンストを起こすこともあり、混雑時には追突の危険性さえあります。日常点検時に低速・加速の状態を把握することも大切な安全確認です。

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5 ウィンド・ウォッシャの噴射状態

ウインド・ウォッシャ液の噴射の向きおよび高さが適当かを点検します。

点検をしないと…

ウインド・ウォッシャのノズルにゴミがつまると、洗浄水を噴射できずに、フロントガラスが汚れたまま運転することになり、とても危険です。雨の日の夜は特に危険で、視界が悪いと走行できない状態になります。

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6 ワイパーの拭き取りの状態

ワイパーを作動させ、低速および高速の各作動が不良でないかを点検します。また、ウォッシャ液がきれいに拭き取れるかを点検します。ワイパーのから拭きは、ガラスを傷つけますので、ウォッシャ液を噴射してからワイパーを作動させましょう。

点検をしないと…

ガラス面に直接あたるワイパーのブレード・ラバーは消耗品で、適度に交換しないとすり減って、汚れの拭き残しが生じ視界を悪くします。ウインド・ウォッシャと同様に、雨の日に無くてはならないクルマの必需品です。

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7 ブレーキ液の量

ブレーキ液のリザーバ・タンクを見て、液量が上限ラインと下限ラインとの間にあるかどうかを点検します。液量が減少している場合は、漏れが原因なのか、ブレーキ・パッド等の摩耗が原因なのか確かめる必要があります。液の異常な減りが見られた場合は、早急に整備工場などに相談しましょう。

点検をしないと…

ブレーキ液の量が下限ラインより不足すれば、当然のようにブレーキの制動力に大きな影響を及ぼし、その危険度も高まります。リザーバ・タンク内のブレーキ液量の不足を発見したら、整備工場などでその原因を徹底的に究明しましょう。

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8 冷却水の量

ラジエーターのそばに付いているリザーバ・タンクは外側から冷却水が一目で見えるようになっています。この冷却水の量が、上限ラインまで入っていれば合格。この冷却水が下限ラインに近いか、それより少ない場合は、上限ラインまで冷却水を補充してください。

点検をしないと…

エンジンからの熱を奪った冷却水は、ラジエータで冷やされます。冷却水が不足するとラジエータの機能がうまく作動せず、オーバー・ヒートの原因になります。漏れによって冷却水が不足することもあります。

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9 エンジン・オイルの量(汚れ)

エンジンに付いているオイル・ゲージを抜きとり、付着しているオイルを拭きとってから、ゲージをいっぱいに差し込み、再度抜きとってオイルの量を見ます。ゲージの先端についてる2本のラインか、ギザギザ部分の目印の中間にオイルがあれば合格です。ゲージの下限ラインよりもオイルが下側にあるときは補充しましょう。また、汚れている場合も交換しましょう。

点検をしないと…

エンジン・オイルはエンジンがスムーズに回転するための潤滑油。量が不足したり、汚れがひどいとエンジンへの負担が高まり、クルマの寿命を縮めてしまいます。定期的にエンジン・オイルを交換することが大切です。

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10 バッテリ液の量

バッテリの液量が規定の範囲(UPPERとLOWERの間)にあるかを車両を揺らすなどして点検します。バッテリ液は腐食性が強いので、体、衣服、車体などに付着しないよう注意しましょう。

点検をしないと…

バッテリ液が不足すると、蓄電機能が低下し電気の供給がストップします。また、バッテリの液量がLOWER以下で使用しますとバッテリが破裂(爆発)するおそれがありますので、すみやかに規定の範囲まで精製水を補充してください。

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11 ウィンド・ウォッシャ液の量

ウィンド・ウォッシャ液の量が適当かを点検します。ウォシャ液が空の状態でウォッシャ・スイッチを入れると、ポンプが破損することがあるので注意しましょう。

点検をしないと…

「噴射状態のトラブル」と同様に、ウィンド・ウォッシャ液が不足すると、フロントガラスの汚れを落とすことができず、視界不良の中での運転がしいられます。特にどろんこ道を走るアウトドア派はチェックを欠かせません。

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12 ランプ類の点灯

クルマにはヘッド・ランプ、車幅灯、パーキング・ランプ、ストップ・ランプ、テール・ランプ、ウィンカー・ランプなど、多くのランプが付いています。これらのランプは正常に点灯してこそ、他車に対する意思表示をしっかりと伝える役割を果たすことができます。点灯の有無を確認し、レンズの汚れや損傷も調べましょう。また、反射器の汚れも落としましょう。

点検をしないと…

ヘッド・ランプやウィンカー・ランプなどランプ類の損傷は、運転に支障をきたすだけでなく、トラブルに巻き込まれることも多く、特に夜間走行は危険です。点灯しているかどうかクルマを降りて一つひとつ確認しましょう。

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13 タイヤの空気圧

タイヤの空気圧が適当であるかを点検します。空気圧はクルマの走行時の安定性や経済性に大きく影響します。タイヤの接地部のたわみ具合を目で見て判断しましょう。接地部のたわみ具合で判断ができなければタイヤゲージを使って点検しましょう。

点検をしないと…

タイヤの空気圧が不足すると、路面への接地面が多くなり、走行時の安定性が悪くなると同時に、燃費も悪くとても不経済です。逆に空気圧が高すぎると走行時のバランスが悪くなり、ハンドル操作が難しくなります。

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14 タイヤの亀裂・損傷

タイヤの亀裂や損傷の有無を目で確認するとともにタイヤの異物チェックも入念に行いましょう。タイヤに刺さった釘や石に気付かずに走行すると、パンクやバーストのトラブルに見舞われる危険があります。タイヤにかみ込んだ異物はきれいに取り除きましょう。

点検をしないと…

タイヤの亀裂や損傷に気付かずに走行すると、パンクやバーストの危険が急速に高まります。特に高速運転時のパンクやバーストはとても危険で、他のクルマを巻き込んだトラブルにつながることがあります。

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15 タイヤの溝の深さ

タイヤの溝の深さに不足がないかをウェア・インジケータ(スリップ・サイン)などにより点検します。スリップ・サインは、タイヤの溝の深さが1.6ミリ以下になると現れます。溝の深さが不足しているとタイヤがスリップしやすくなり、特に雨天時には大変危険となりますので、スリップ・サインが現れたらタイヤを交換しましょう。
前回の運行時に異状が認められた箇所は、再度異状がないかを点検・確認。不具合がある場合は、早急に整備しましょう。

点検をしないと…

雨天時にすり減ったタイヤの状態で走行するのは、とても危険な行為です。ブレーキがききにくく、スリップによるトラブルが起きやすいからです。また、亀裂や損傷と同じようにパンクやバーストも起きやすく危険です。

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