グッドプラクティス!

センコー 株式会社

2007年8月15日

SAS(睡眠時無呼吸症候群)の取り組みについて

センコー株式会社では、平成17年6月よりグループ関係会社を含む全ドライバー1,216人を対象にSASの簡易検査(パルスオキシメーターによる簡易検査)を実施し、その結果、SASの疑いがある者に対して医療機関による精密検査を受診させています。

当社では、居眠り運転が病気としての睡眠障害によって発生し得ることが明らかになった平成16年度に、SASの全店調査を実施したところ、約1割の方にSASの疑いがあり、検査が必要という結果がでました。

この結果を踏まえ、全社労使安全衛生委員会の場で、SASに対する取り組みを決定し、取り組みをスタートさせました。

当時はまだ全国各地の医療機関ではSASの簡易検査を受診できない地域が多くみられる状況であったため、当社ではその対応策としてパルスオキシメーター10台・パソコン1台を1セットとして、1セット購入、2セットをレンタルし、計3セットで検査結果を検診機関に持ち込む方法で対応することとしました。

ドライバーについては、SASの及ぼす影響による事故防止のため、全員の簡易検査を義務付けるとともに、平成18年度からは、その他の職種でBMI(=体重s÷(身長×身長))25以上の者についても簡易検査を実施しています。これを検診機関に提出し分析を行い、D判定の者にはSASの精密検査であるPSG(終夜睡眠ポリグラフ)検査を受診することを義務付けています。

※D判定 = 血中酸素飽和濃度等、他のデータをトータルで判定しPSG検査の必要のある者

精密検査の受診費用は、会社と従業員がそれぞれ折半で負担としていますが、受診が遅れている従業員がいることも事実であり、このため、現在では「精密検査を受診しない者は乗務禁止」という厳しいルールをつくって取り組んでいます。

ただし、精密検査の結果が重症であっても、CPAP(睡眠時に鼻マスクをつけ、空気で気道を広げる治療法)等による治療を実施している場合は乗務を認めています。これは、「SAS患者の乗務禁止」が目的ではなく、心身の健康と安全配慮義務を踏まえて、

  1. 疾病の悪化防止
  2. 家族への配慮(安心)
  3. 企業としての社会的責務

を、考える中で上記の通り、乗務禁止に関する基準(就業制限)を労使協同で決定し、進めています。

精密検査とその後の結果、そして、治療についてはドライバーが嫌がるケースがあるのも事実ですが、先ほども述べたようにSAS患者を排除することが目的ではなく、SAS患者になってしまった人が今後も健康に仕事を継続するためにどうすべきかを中心に、従業員への説明を強化しています。何よりも、従業員及び労働組合との協働がポイントになると言えます。

私たちセンコーグループは、基本姿勢としてこれからも物流事業の社会的使命を深く認識し、事業活動における安全確保が事業経営の根幹であることを当社で働くすべての者に正しく理解させるとともに、引き続き安全の向上に寄与する様々な取り組みを推進してまいります。

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