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委員長記者会見要旨(平成25年11月27日)

平成25年11月27日(水)14:00~14:43
国土交通省会見室
後藤昇弘委員長

発言要旨

 運輸安全委員会委員長の後藤でございます。
 ただいまより、11月の月例記者会見を始めさせていただきます。
 本日は、お手元の資料にありますように、事故調査関連として、航空事故調査に関する情報提供の案件を1件、船舶事故に関する意見への対応を1件、次に、今月開催した業務改善有識者会議について、最後に運輸安全委員会年報の英語版の発行について、ご報告いたします。

1.事故調査の進捗状況報告

(1)事故調査に係る情報提供及び意見への対応について

 1.個人所属富士重工FA-200-160型機の航空事故調査に関する情報提供(H25.10.29公表済)

 はじめに、本年9月23日に発生しました航空事故に関する情報提供について、資料1のとおり、すでに公表しておりますが、改めてご説明いたします。
 本事案は、9月23日、個人所有の小型機が飛行中にエンジン出力の低下が認められたために、千葉県八千代市の水田に不時着し、機体を損傷したものです。これまでの調査の過程で、一部の部品が不適切に取り付けられていたことが判明しましたので、国内にも同型機があることから、先月10月29日、国土交通省航空局へ情報提供いたしました。
 その内容は、当該型式機のサービスマニュアルには、注意事項として『100号機迄の機体の燃料入口に取り付けられるチェックバルブは「HINGE(ヒンジ)」と表示されている側を上側に取り付ける。』と記載されていますが、当該左右のチェックバルブは、本来の位置から90°から120°程度、横向きに取り付けられていた、というものです。要するにマニュアルどおりに取り付けられていなかったということです。
 当委員会からの情報提供を受け、航空局では、当該機と同じチェックバルブを装備するFA-200系列型航空機の使用者に対し同情報と適切な処置を速やかに周知徹底するよう同型機の製造者に指示したと聞いております。
 なお、当該チェックバルブは燃料がタンクに逆流することを防止するためのものですが、今のところ、本事故に燃料の逆流が関与した可能性は低く、情報提供の対象となった当該チェックバルブの不適切な取り付けと事故との関連は薄いと見ておりますが、引き続き鋭意調査を行ってまいります。

 2.貨物船NIKKEI TIGER漁船堀栄丸衝突事故に関する意見への対応

 続いて、資料2をご覧下さい。先月25日に、昨年太平洋上で発生致しましたパナマ籍貨物船ニッケイタイガーと漁船堀栄丸の衝突事故に関連して、国土交通大臣及び水産庁長官に対し、再発防止のため講ずべき施策に係る意見を述べました。当委員会の意見を受け、国土交通省、水産庁等において、早速ご対応を頂いておりますので、ご紹介、ご報告をいたします。
 当方からの意見提出に対し、国土交通省及び水産庁においては、直ちに、海運及び水産関係団体並びに都道府県知事宛、意見の内容の周知、協力依頼等を内容とする指導文書を発出頂いたということです。さらに、国土交通省、水産庁に、総務省及び海上保安庁を加えた関係4省庁からなる検討会が設置され、船舶自動識別装置“AIS”の漁船への普及促進に向けた具体的施策の検討に着手を頂いたと伺っております。
 このように、関係行政機関において、当委員会の意見を真摯に受け止め、迅速な施策の展開が図られつつあることは、再発防止に向けて極めて好ましいことと評価しており、今後、関係省庁による検討が行われ早期に結論を得て、AISの漁船への早期普及を通じ、海上安全の向上が実現することを期待するものです。
 また、当委員会と致しましても、本事故に関する調査活動を一層迅速化させ、また、関係省庁によるご対応、ご検討内容も踏まえ、できるだけ早期に調査報告書の最終化を図る所存です。

(3)その他の調査の進捗状況

 次に現在、運輸安全委員会が調査を行っている事故及び重大インシデントの調査状況について、ご報告いたします。詳細は、資料3をご覧下さい。
 このうち鉄道事故の3番目の、9月19日(木)に発生しましたJR貨物 函館線大沼駅構内 列車脱線事故のその後の調査状況について、報告します。
 本事故は、18時05分ごろ、大沼駅を発車直後に列車の機関車を含めて前から6両目から9両目の貨車4両が脱線したものです。なお、列車の運転士に怪我はありませんでした。
 これまでの本事故の調査状況ですが、まず、軌道につきましては、脱線箇所の特定のため、レール及びまくらぎの脱線後の痕跡の調査、軌道変位の状況の分析等を行っています。車両の調査につきましては、脱線した車両の車輪の踏面形状の調査、車両の損傷部位の確認等を行っています。運転状況につきましては、運転状況記録装置のデータの分析、信号、分岐器の動作状況の分析、コンテナ荷物の積載状況の調査等を行っています。また、軌道の検査及び修繕の体制につきましては、検査の実態を把握するため、事故現場の軌道の保守管理を行っている現場及び本社の担当者から管理手法及び体制に関する聞き取り調査を行っています。
 今後、これまでの調査で得られたデータや、関係者の口述内容について、さらに分析等を行い、脱線に至ったメカニズムや、脱線後の経過を解明して参ります。
 運輸安全委員会といたしましては、本事故の原因究明の見通しにつきましては、調査にまだ時間を要する見込みであり、具体的に申し上げられませんが、できるだけ早期に原因究明を行うように、引き続き、鋭意調査を行って参りたいと考えております。

2.運輸安全委員会業務改善有識者会議(第5回)の開催について(H25.11.6開催)

 次に、先日11月6日(水)に行われました業務改善有識者会議(第5回)についてご報告します。資料4をご覧下さい。
 ご承知のとおり、運輸安全委員会では、社会的な信頼性を高め、国民に真に必要とされる事故調査を実現するため、全員野球で業務改善に取り組んでいます。また、我々の取り組みについてご指導・ご助言を賜るため、外部の有識者委員からなる「業務改善有識者会議」を開催しています。
 なお同日、有識者による記者会見が行われたところではありますが、当委員会として、あらためて概要についてご報告するものです。また、配付資料は先日お配りしているところですが、当委員会のホームページでも公開しておりますのでご覧下さい。
 主な議題は2つありました。1つは、運輸安全委員会が設置されて本年10月で5年目の節目の年となることから、平成23年度に策定した「業務改善アクションプラン」の全項目について、これまでの取り組みを総合的に検証することです。
 2つ目は、個別の事故等について調査し、提言を発出し、フォローアップするだけでなく、社会全体の安全度を高めるため、複数の事故等調査を束ねて分析等を加えたものを社会に発信する、事故等調査の成果の活用状況について報告しました。
 それに対し、有識者の方々からは「我々の出した提言を受け、運輸安全委員会においては、業務改善に充分に取り組んでいる。」「事故等調査の成果の活用に関する様々な取り組みを評価する。」「特に、船舶事故ハザードマップは、単なる情報発信に止まらず、過去の事故等を把握することで背景要因を捉えることができるなど、事故等調査の高度化に資する。」「事故等調査報告書について、更なる充実・高度化を期待する。」等の意見をいただきました。
 今後とも運輸安全委員会では、このアクションプランを着実に実施していくことにより、適確な事故調査の実施、適時適切な情報発信、被害者への配慮などを推進し、さらなる運輸の安全性の向上に貢献してまいりたいと考えております。

3.英語版運輸安全委員会年報 2013の発行について

 次に、本日、英語版運輸安全委員会年報2013(英語名称:Japan Transport Safety Board Annual Report 2013)を発行し、当委員会の英語版ホームページで公表しましたので、ご紹介します。お手元に資料5として、当委員会の英語版ホームページのハードコピーをお配りしておりますのでご覧下さい。
 英語版年報は、海外向けの情報発信を強化することを目的に、昨年から作成しているもので、本英語版年報は、今年7月に発行した日本語版の「運輸安全委員会年報2013」を元に英訳したものです。日本語版同様、昨年実施した航空・鉄道・船舶の事故等の調査状況や公表した報告書の概要のほか、当委員会の組織概要、調査手順などを幅広く紹介しており、全体約150ページで構成されております。昨年発行した英語版年報は、国際会議等の場を通じて紹介を行っておりまして、会議等の出席者から、当委員会の活動や我が国の事故調査制度を理解するうえでたいへん有用な資料である旨の評価を得ております。
 また、英語版年報では、当委員会が調査を実施した航空、鉄道及び船舶事故等に係る事例や、当委員会の行った勧告及び当該勧告に対して講じられた措置なども紹介しており、英語版年報の発刊によって、これらの情報が各国の運輸事故調査機関と共有され、もって、世界的な運輸安全の向上に寄与できるものと考えております。
 具体的に申し上げますと、各国のマルチモードの運輸事故調査機関等をメンバーとする国際運輸安全連合(ITSA)の年次会合が今年2月にインドで開催され、各国調査機関のトップを前に英語版年報の紹介を行ったほか、10月に韓国で開催された国際船舶事故調査官会議(MAIIF)でも紹介を行いました。また、他国政府関係者等の来日の折、当委員会の業務説明を求められる場合があり、そのような場合にも英語版年報を活用しております。
 英語版年報については、本年も引き続き、英語版ホームページでの公表のほか、国際会議、各種セミナー等の場で紹介を行い、当委員会の活動等について積極的に発信してまいります。
 なお、お配りした資料の裏面には、ご参考までに、海外向け情報発信強化に関する英語版ホームページ上の項目を紹介しております。
 資料に記載のとおり、当委員会では、年報以外に、各モードの事故分析をまとめた運輸安全委員会ダイジェストや船舶事故ハザードマップの英語版を作成、公表しております。

 私からご説明するものは、以上です。
 何か質問等があればお受けします。

4.質疑応答

(日本貨物鉄道(株) 列車脱線事故関連)

問: 先程、調査状況をご説明頂いたんですけど、これまでに新たにわかった事実というのはありますか。
答: これまでに判明したことですが、9月19日木曜日に発生しましたJR貨物函館線大沼駅構内列車脱線事故のその後の調査状況につきまして、これまでの本事故の調査状況は、先程、お話しましたとおり、脱線箇所の特定のため軌道に関する調査、分析、脱線した車両に関する調査、分析、列車の運転状況の調査、分析等を行っています。また、軌道の検査及び修繕の体制につきましても、検査の実態を把握するため、関係箇所の担当者から管理手法及び体制に関する聞き取り調査を行っています。現在、これまでの調査で得られたデータや、関係者の口述内容等の分析等を行っているところであり、現時点において、これ以上発表できる事項はありません。

問: レールの検査数値の改ざんという問題が発覚して、国土交通省の特別保安監査を妨害したという疑いが出ております。運輸安全委員会の事故調査においても、当事者から提供される資料は当然正しいという前提で調査されると思うのですが、まずこの問題に対する委員長の受け止めと、JR北海道関係の事故調査で、例えば先方から提出があったデータを再検証するとか、何かしらの対応というのを現時点で検討していることがありましたらお願いします。
答: 鉄道局において、JR北海道に対して特別保安監査が実施中であるということ、それから、改善指示がなされていることは承知していますが、国交省が現在調査中でありまして、私どももその内容について詳しくは存じません。運輸安全委員会といたしましては、引き続き、多角的かつ科学的見地から、本事故の原因究明を行って参りたいと思います。JR北海道管内の現在の調査状況ですが、前回の記者会見で申し上げたとおりでありますけども、本年7月6日に函館線で発生しましたエンジン付近から発煙した重大インシデントを含め、鉄道事故1件、重大インシデント2件の計3件の調査を行っています。また、JR北海道の管内のJR貨物に関する調査として、9月19日、つまり今回のものでありますが、函館線の大沼駅構内で発生した列車脱線を含め計4件の調査を行っています。併せて7件を行っております。当委員会としましては、現在調査を行っています鉄道事故及び重大インシデントについて、鋭意調査を進め、原因の究明と再発防止策の検討を行って参りたいと思います。調査中なので具体的なことが申し上げられなくて申しわけありませんが、今後の我々の調査の過程を見守って頂きたいと思います。

問: JR北海道のデータが改ざんされている可能性が極めて高くなっているわけですけど、それは従来の調査とはまた違った手法で数値が正しいかどうかということを運輸安全委員会として検討されるのでしょうか。
答: JR北海道が鉄道局の特別保安監査で提出した軌道のデータの一部が改ざんされていたことは、当委員会としても承知しています。運輸安全委員会としましては、9月19日に発生しましたJR貨物函館線大沼駅構内での脱線事故の調査において、事故現場付近の事故後及び事故直近の軌道の検測データを入手しているところです。それらのデータにつきましては、昨今の状況を踏まえ、JR北海道に対して、現在、照会をしているところです。脱線事故後の軌道変位測定は、事故調査官が現地で手計測し軌間拡大が確認されたため、JR北海道に指示して、可搬式軌道変位計測装置でも測定したものですが、これまでのところ、この部分について、データが改ざんされたという情報はありません。また、運輸安全委員会設立後、JR北海道管内で発生し、公表したJR北海道及びJR貨物に係る事故等の報告書は、9件になりますが、これらの事故の原因に照らして、調査結果に影響を与えるものはないと考えています。

問: これまので報告書9件は影響がないということなんですけど、ないという根拠は、軌間変位が事故原因に係る事案がなかったということですか。
答: これまでの9件は、積もった雪に乗り上げて脱線したり、信号工事の手違いであったり、あるいは車両自身の問題であったりということで、今問題になっている軌道がどうだこうだということはなかったということです。

問: 今回のJR北海道の改ざん問題を受けて、結果的になかったということなんですけど、これまでの調査結果であるとか、現在調査しているもので改ざんされている可能性がないかどうか、運輸安全委員会で確認作業をされたということですか。調査官が過去の資料を洗ったりとか。
答: 現在調査中のものについては、通常以上にデータの正確さについて慎重に調査をしているところですが、特に今のところ問題があるものではありません。

問: 過去のものに関してはそもそもレールの軌道変位に関するものはなかったので、過去の資料を洗い直したりということまではしていないということですか。
答: はい、そうです。

問: 先程、鉄道局に対してJR北海道が改ざんをしたことを認めたということを承知はしているというお話だったんですけど、運輸安全委員会として調査官3人が調査に入っていると思うんですが、その調査においてですね、JR北海道側がこれまで改ざんをしていた、であるとか、運輸安全委員会に対して提供した資料に間違いがあったとかですね、それは直接確認したということはあるのでしょうか。
答: データにつきましては、どのようなものか今まさに確認しているところです。

問: これまで、改ざんが疑われるようなデータというのは、事故発生以降、JRから提出されているのではないかと思うんですけど、受け取られたデータの中で改ざんが疑わしいということでそれは照会しているということなんでしょうか。
答: 改ざんをJR北海道が発表したという事実に基づきまして、どうなっているのかという確認をしているということです。

問: 先程、担当者に事情を聞いたとおっしゃっていましたが、改ざんについて聞いてはないということですか。
答: 一般の調査の過程で聞いているだけでございまして、改ざんについては担当者というよりは、窓口を通じて聞いております。なお、先程申しましたのは、今調査中の9月19日の件ですね。これについては、事故現場付近の事故後及び事故直近の軌道の検測データを入手しているところです。もちろん我々が行って測ったものもあるわけですね。前後のデータがどの様に変化したかということを見たいということで、その辺を調査中でありまして、JR北海道に対して、データについても照会をしているところです。

問: 先程、慎重に調査中のものをやるとおっしゃいましたけど、調査官を増員するということはお考えですか。
答: このままやっていって、状況を見ながら必要があればということです。

問: 事故調査においても、事故の原因に繋がりかねないような、当事者にとって不都合なデータを隠蔽するという風に繋がるような問題ではないかと思うんですが、改めて事故調査機関の責任者としてこの問題をどの様に受け止めてらっしゃるかということを伺えればと思うんですが。
答: 我々としては得られるデータを色々な角度から検討すると同時に、色々なデータ、つまり我々が測ったもの以外にも得ることによって客観的な判定をしていきたいと思っております。過去に得た色々な事故調査報告の検証につきましては、特に疑問となるものはないと思っておりますし、これはホームページで見ることが出来ると思いますので、それを読んで頂きたいと思うんですけど、過去に行ったものでは疑問はないと考えておりますし、今後及び今行っているものについては、色々な角度から、かつ、科学的に検証していくことで確認を取りたいと思っております。それが第一なんですね。そういう科学的なデータを得て、事故現場からの調査を始めることによって、その後、人的構成あるいは組織体制にまで問題があるかどうか、そこまで踏み込む必要があるかどうかということに進んでいきますので、これは今後の調査の進捗を見て頂かないといけないと思います。

問: 客観的に判定するにあたってですね、大前提というのは、得られるデータというのに手を加えられていないということだと思うんですけど、今回ですね、JR北海道がやっている改ざんというのは、その基となるデータそのものに手が加えられていたということで、そこがあやふやだと得られる結論が変わってきてしまうのではないかと思うんですが。
答: その可能性はないとは言えませんね。我々は事故が起こって出かけて、何を測るかというと、まず軌道の変位を測るわけですね。どういう風に変わったかと。元の軌道がどうなっていたかといことを確かめなければなりません。その点で向こうのデータに間違いがあったりすると、おっしゃるようなことが起こる可能性があると、しかし、ある程度推定は付くんですね。つまり、力学的な過程でそういう変化が起こってきているわけですから。これだけ変位したとすれば、どういう風な力が加わって、どういう風な動き方をしたかということをある程度推定できるわけですね。そういう力学的推定に基づいて、元がどういう風であったかということをある程度推測しなければならないということです。その推測と向こうが出してきたデータが正しいかどうか、それはやはり今後やらなければならない仕事の一つかなと思います。つまり、元のデータの同定をきちんとやっていかないといけないと、そういうことができるかどうかということ、その点を含めて今後、調査をより綿密にしていきたいと思います。

問: これまでの調査活動の中で、調査対象がデータを改ざんしていたということがわかったような事案というのは過去にあるのでしょうか。
答: 航空事故については、海外では改ざんしたりする例が時々あります。人間がやることですから意図的かそうじゃないかはありますけど。意図的なものもあります。

問: 特に海外の航空事業者で記憶に新しいというか代表的なことはありますか。
答: 整備記録データをですね、米国の中小の事業者でやるんですけど、整備データが間違っていたという例はありますし、それが事故に繋がったケースというのもあります。
 (これまでの調査の中で)鉄道事故については、私の知る限り、特に意図的に数値を改ざんしていたという例はありません。記録が間違っていたというのはあるかもしれませんが、意図的に数値を変えたとかいうのはないです。船舶事故については、記憶の限りでは、原因に影響を及ぼすようなそのような作為はなかったと思います。遙かに過去に遡ったらどうかと言われると自信がありませんが、船が入って5年、鉄道が入って約10年、航空が昭和49年からですが、その間、国内ではそのようなことはなかったと理解しております。

(全日本空輸(株)所属ボーイング式787型重大インシデント関連)

問: 発生から1年が近づいてきていますけど、現在の調査状況と今後の見通しについて伺えますか。
答: 現在、事象がどのような経過をたどったかを確認するため、新たに追加の試験を宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設で実施致しております。この結果も含めて、更に分析を進めていきたいと考えています。内容はといいますと、バッテリーの損傷がどのような経過をたどったか、試験で確認を行うと同時に、高松事案については今のところ、一つのセルが発熱し、これが順々に他のセルに伝わってバッテリーが損傷したのではないかと考えておりますが、追加試験では、バッテリー内で熱がどのように伝搬していったかというメカニズムを探求するためのものです。この試験は今月の11日から試験を行っておりまして、現在も継続中です。JAXAの施設をお借りして実施しておりますが、今後、これらの結果を踏まえて更に分析を進めたいと考えております。

問: 実際にバッテリーに熱を与えて損傷させていくというものですか。
答: そうですね。実際に起こった時に、どういう風に起こったかということは詳細にわかっていないわけですが、何らかのやり方で熱を発生させて、その熱がどういう風に伝わっていくかということを、一種の再現実験をやっている、そういうことです。

問: 1年というタイミングを調査報告では目処にしてらっしゃいますけど、中間報告であるとか、最終報告の見通しはどうでしょうか。
答: 今その点については何とも申し上げることは出来ませんが、出来るだけ早く分析を進めて行きたいと考えております。米国の方でも進めておりまして、向こうがどの様な体制になるかというところですが、ご承知のように一度、予算の関係で中断しておりますので、少し遅れるような感じを聞いておりますけども、こちらはこちらで進めているところでありますが、先程申しました試験においては、米国のチームも参加して一緒にやっておりますので、向こうの分析、過程も含めて、こちらで併せて検討を進めていきたいと思います。何時になるかということはなかなか申し上げられないので、申し訳ありませんが、出来るだけ早く進めて行きたいと思っております。

問: 最終的な結果が何時になるかわからないということだと思うんですけど、中間報告みたいなものは考えていますか。
答: 中間報告をですね、出すべきか出さざるべきかというところでありますが、その辺は実験の結果を見てみないとなかなかわからないと思います。そのための実験でもあるわけです。出来るだけ実験の結果を早く見たいと思っております。

資料

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