旅行者の安全の確保等

　線状降水帯や台風等による大雨、大規模地震・津波、火山噴火が発生した際にも観光旅行者が適時・的確に命を守る行動が取れるよう、二重偏波気象レーダーや地震・火山観測施設の更新整備等によって監視体制を強化するとともに、次世代スーパーコンピュータシステムの導入や最新技術を取り入れた次期静止気象衛星の整備の着手等によって、気象庁から市町村、報道機関、観光旅行者等に提供する防災気象情報の高度化や精度向上を推進する。

　また、火山の多くは観光資源である一方、災害をもたらすおそれがあることから、観光旅行者の安全確保等を図るため、国・地方公共団体・火山専門家等から構成される火山防災協議会における共同検討を通じて、避難計画や火山防災マップの策定を推進する。さらに、令和７年度末を目途に、国内12火山を対象に火山体内部構造に関する知見を基に火山活動の評価手法を高度化し、これを噴火警戒レベルの判定基準に適用する。

　加えて、訪日外国人旅行者等に対する津波フラッグ等を活用した情報伝達の推進にも取り組む。

　※【観光立国推進基本計画】より

　災害時における道路状況の迅速な把握と道路利用者への災害情報の提供のため、通行可否情報等の集約の強化やSNS等を通した幅広い周知等を推進する。

　また、災害時における効果的な交通規制、避難路の確保等を行うため、都道府県公安委員会が提供する交通情報に民間事業者が保有するプローブ情報を加え、その提供を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　持続可能な観光立国を目指すため、コロナ禍での経験も踏まえ、感染症危機に適切に対応する。

　新型インフルエンザ等の発生時には、そのまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護するとともに、国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるように感染状況等を踏まえた適切な措置を講じるため、国・地方一体となって迅速・的確に対応できる体制を整備する。

　また、次の感染症危機に迅速・的確に対応するため、感染症危機対応の司令塔機能を担う組織として内閣官房に内閣感染症危機管理統括庁を設置することを目指す。

　さらに、国民に対して利用可能なあらゆる媒体・機関を活用し、国内外の発生状況と具体的な対策等を対策の決定プロセス・対策の理由、対策の実施主体とともに詳細にわかりやすく、できる限りリアルタイムで情報提供する。

　加えて、国内外において安心して旅行できるよう、コロナや麻しん・風しんなど既存の感染症のみならず、新たな感染症が発生する可能性も念頭に、国内外での感染症の発生動向を継続的に監視・分析し、それにより得られた情報や感染症の予防方法等の情報について、国及び地方公共団体において人々に幅広く情報提供を行う。

　※【観光立国推進基本計画】より

　鉄道・自動車交通・海上交通・航空の公共交通機関等について、事故を防止するため、ハード面においては保安設備の整備、技術開発等の措置、ソフト面においては、公共交通事業者等への運輸安全マネジメント評価及び保安監査の実施等の措置を講じ、引き続き観光旅行者の安全な輸送の確保を図る。

　「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」に盛り込まれた各種措置を着実に実施すること等により、貸切バスの安全・安心な運行の確保を図る。

　令和４年４月に北海道知床において発生した遊覧船事故を受けて、同年12月にとりまとめた「旅客船の総合的な安全・安心対策」に基づく措置を講じ、旅客船の安全・安心な運航の確保を図る。

　※【観光立国推進基本計画】より

　行楽地を中心に、必要に応じた交通規制、交通整理及び交通指導取締りの強化に努める。また、行楽期には、事前広報や臨時交通規制を実施するとともに、交通量の変動に対応した信号制御を行うほか、交通渋滞情報等の提供により迂回を促すなど、行楽車両の適切な配分誘導に努める。

　一般道路においては、交通安全施設等の整備を推進し、このうち生活道路においては、最高速度30km/hの区域規制と物理的デバイスとの適切な組合せにより交通安全の向上を図る「ゾーン30プラス」を推進する。幹線道路においては、重点的・集中的に交通事故の撲滅を図る「事故ゼロプラン（事故危険区間重点解消作戦）」等を推進する。

　高速道路等においては、交通安全施設等の整備等、事故防止に向けた交通安全対策を推進するとともに、付加車線の整備等による渋滞対策、道路交通情報の提供等利用者サービスの向上を推進する。

　また、外国人レンタカー利用者の増加を見込み、レンタカーのビッグデータ等を活用して外国人特有の危険箇所を把握し、適切な情報提供や案内の実施等の安全対策を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　防火対象物定期点検報告制度及び旅館・ホテル等を対象とした「適マーク制度」について、防火セイフティマーク（防火基準点検済証、防火優良認定証）や適マークの活用も含め、利用者である国民及び事業者である旅館・ホテル等の管理権原者に対する積極的な周知・広報を行うとともに、重大な違反のある防火対象物については、早期是正を促進するほか、違反内容を公表する「違反対象物の公表制度」により利用者への情報提供を促進する。

　また、火災時における防火避難上の安全性の確保を図るため、保安上の危険性が高い旅館・ホテル等について、建築基準法（昭和25年法律第201号）に基づく定期調査の徹底や、特定行政庁による必要な改善指導・助言等の実施を推進する。

　※【観光立国推進基本計画】より

　「「世界一安全な日本」創造戦略2022」（令和４年12月20日犯罪対策閣僚会議決定・閣議決定）等に基づき、各種テロ対策及び犯罪対策を推進することにより、テロや犯罪による被害の発生を未然に防止する

　※【観光立国推進基本計画】より

　訪日外国人旅行者等が我が国の良好な治安等を体感できるよう、以下のとおり、日本語を解さない外国人からの急訴・相談等に迅速・的確に対応するための体制・環境の整備を推進する。

・警察の各種手続等において訪日外国人旅行者等に適切に対応するため、必要な通訳体制を整備する。また、多言語翻訳機能を有する装備資機材等を活用する。

・訪日外国人旅行者等が容易に我が国の警察の制度、活動等に関する情報を入手できるようにするため、ウェブサイトを見直すとともに、防犯・交通安全に関する情報や警察が所管する各種規制に関する情報等について、外国語による掲載情報の拡充を図るなど、情報発信を強化する。

・全都道府県において、日本語を解さない外国人からの110番通報の際に警察本部の通信指令室と通訳人を交えて三者で通話を行う三者通話システムの運用が行われているところ、緊急時に三者通話システムの活用が迅速かつ適切に行われるための態勢拡充に努める。

・大阪・関西万博等の国際的大規模イベントの開催を見据え、日本語以外での119番通報に対して迅速・的確に対応するため、消防指令センターと通訳を交えて三者で通話を行う三者間同時通訳システムが全国の消防本部において導入されるよう促進する。

・我が国を訪れる外国人が急な病気やけがをした際など、緊急時に不安を感じないよう、救急車の利用方法やすぐに119番通報すべき重大な病気やけがで救急車を利用する際のポイント等を掲載した「救急車利用ガイド」の活用を推進する。

・救急隊が外国人傷病者を対応する際、円滑なコミュニケーションと救急活動ができるよう、全国の消防本部に対し、多言語音声翻訳システム｢救急ボイストラ｣等の導入を促進する。

　※【観光立国推進基本計画】より