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 第1回「航空輸送安全対策委員会」の議事概要について
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平成17年6月24日
<問い合わせ先>
航空局技術部
運航課

(内線50102)

航空機安全課

(内線50215)

乗員課

(内線50341)

TEL:03-5253-8111(代表)


 

 6月20日(月)13:30より、国土交通省会議室(3号館8階国際会議室)において開催された第1回「航空輸送安全対策委員会」の議事概要は以下のとおり。

  1. 岩崎航空局長及び河内委員長の挨拶の後、議題毎に事務局より説明が行われ、審議が行われた。各委員及びオブザーバーから出された主な意見等は以下のとおり。

    (1)航空輸送安全対策委員会の設置目的

    • この種の会議においては検討結果が国民の信頼を得られるようにするために情報の公開が非常に大事。本委員会についても出来る限り情報を公開しつつ進めて戴きたい。
      ⇒ 検討資料のほか検討内容は議事概要で公開する。

    • 検討にあたっては、現場の意見を聞くことも重要。
      ⇒ 現場の意見の聴取については何らかの形で対応したい。

    • 今月17日に大臣から指示のあった1)日本航空に対する外部有識者による助言を受ける体制の導入、2)定期航空協会に対する航空業界全体の安全意識を高めるための特別委員会設置、3)航空局に対する航空会社に対する監視・監督組織のあり方についての検討にとどまらず、本委員会では幅広い議論を行うべき。

    (2)一連の安全上のトラブルの検証

    • JR西日本の事故では、安全を守りにくいダイヤ設定が行われていた。そのような問題点の有無を航空の分野で確認するため、安全上のトラブルの分析にあたっては、直接的な要因だけでなく、その裏に潜む遠因についても掘り下げて分析すべき。

    • 一連のトラブルに対しては、個々の分析のみならず連続したトラブルに共通する要因、背景が何かという観点から、改善措置に取り組んでいるところであるが、その後もトラブルが発生している。今後とも改善措置を一つ一つ着実に実施していくが、本委員会の検討に協力して安全向上のため貢献していきたい。

    • ヒューマンエラーの観点では、トラブルの共通要因として、1)やっただろうという思い込み、2)コミュニケーション不足、3)規定に従っていない、4)互いのバックアップ不足という点があげられるが、これまでもヒューマンファクターの訓練で取り上げているポイント。機材不具合の観点では、情報の収集・共有化が重要。エラーやトラブルに関する情報を集め、分析し、現場にフィードバックすることが必要であり、全力を挙げて対策に取り組んでいきたい。

    • ヒューマンファクターに関する教育が実施されているにもかかわらず、トラブルが続く要因は何か。大事故から20年が経過して、時代の流れ、環境の変化があり、安全に対する意識が弱まっているのではないか。

    • 最近のトラブルの例のなかには、誰かが一言おかしいと言えば、エラーの連鎖を切れる機会があったものがあると思う。自由にものが言える風土、責任感と目的を持った企業風土を作ることが重要。

    • 90年代より取り組んできたCRM(Crew Resource Management)訓練について効果が出ているのかどうか、現場ではどのように行っているのか調べることも参考になるのではないか。

    • ヒューマンエラーについては、原因究明やその対策について、現場の人にまず自ら考えてもらうことが有効。その結果を第3者がチェックするような、現場の人が理解し納得できる対策を検討することが必要。

    • 最近の一連のトラブルのなかには、航空機の運航の安全性を問うような重大な問題から、いくつもバックアップが用意されておりさほど重大ではないという件もあるように思う。対策の分析・検討にあたっては、全てを同列に扱わずウェイト付けをしたらいいと思う。

    (3)事故・安全上のトラブルの傾向分析

    • 当局がどのような報告の提出を求めるかという点も一つの課題。また、報告とペナルティーとの関係について整理することも必要。

    • 他社に関する個々のトラブルが表に出るようになって、自社の分析ができることもある。自社の中だけでなく、情報の共有化が重要。

    • 機材の不具合については、情報を製造国当局やメーカーに報告し、対策がフィードバックされる仕組みになっており、必要あればすぐに対策をとることが重要。

    (4)今後の検討課題

    • 経営と現場の安全ミーティングにより、トップの意識が現場に浸透するのか、企業全体の行動様式がどのように変わっていくのか見ていく必要がある。

    • 現場で使用されるマニュアルが法令に基づき作成されるマニュアルから乖離して、ダブルスタンダードになっていないかチェックすることも必要。

    • 米国のように、航空会社に安全監視チームが入る場合には、航空会社と当局の責任の分担、所在を明確にすることが必要。

    • 米国のやり方が本当にいいのか、何が一番いいやり方なのかという点についても検討する必要がある。また、外国航空会社がどのようなことを実施しているのかについても検討することが必要。

    • 原子力では業界で団体を作ってお互いにその安全性をレビューするような取り組みをしている。航空でも、会社毎ではなく、日本の航空会社が業界全体として取り組むことがあっても良いのではないか。

    • 個々のトラブルに対する表面的な取り組みだけでなく、安全文化の構築、安全意識の向上といった取り組みが重要ではないか。

    • 整備に関する規則・基準の国際的なハーモナイゼーション(調和)が結果として我が国の整備のレベルを下げてしまったと聞いたことがあるが、検証が必要。

      ⇒ 安全規制は過剰ではなく合理的であるべく、国の安全規制は国際標準に合わせる必要があるが、国際標準を上回る部分については各航空会社の対応にまかせざるを得ない面がある。

  2. 次回委員会の日程については、調整の上、後日報告することとなった。

(別紙)

第1回航空輸送安全対策委員会 出席者

(敬称略)

(委員)

池羽 啓次 (社)日本航空機操縦士協会 専務理事
金子  敦 (財)日本航空機開発協会 技術顧問
河内 啓二 東京大学大学院工学系研究科 教授
清水 信三 航空連合 会長
首藤 由紀 (株)社会安全研究所 取締役
  ヒューマンファクター研究部 部長
田中 敬司 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 評価・監査室長
鶴岡 憲一 読売新聞 東京本社 編集委員
宮澤 與和 独立行政法人宇宙航空研究開発機構
  航空安全技術開発センター長
山内 純子 全日本空輸(株) 執行役員 客室本部長
渡利 邦宏 (社)日本航空技術協会 講師 

 

(50音順)

(オブザーバー)
松本 武徳 (株)日本航空 常務取締役 
大前  傑 全日本空輸(株) 代表取締役副社長 
井手 隆司 スカイマークエアラインズ(株) 取締役副会長
坂尻 敏光 (社)全日本航空事業連合会 専務理事
越智 信夫 (財)航空輸送技術研究センター 専務理事

(航空局)

岩崎 貞二 航空局長
鈴木 久泰 航空局次長
谷山  將 監理部長
遠藤 信介 技術部長
桝野 龍二 監理部総務課長
宮下 徹 技術部運航課長
高岡 信 技術部航空機安全課長
高橋 和弘 技術部乗員課長

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