1 東京圏の現状
(1)社会経済の現状
ア | 東京圏の主要31区間(注1)のピーク時1時間当たりの平均混雑率は、各鉄道事業者による輸送力増強への取組み等により、1985年(昭和60年)の第7号答申時の212%から1998年(平成10年)の183%にまで改善されている。しかし、1992年(平成4年)の運輸政策審議会第13号答申で大都市圏における長期的な目標とされている150%(注2)はもとより、第7号答申における目標である180%(注3)にも達していない状況にある。また、個別路線ごとにみると、比較的混雑率が改善されている路線がある一方で、依然として混雑率が200%(注4)を上回る路線が多数あり、混雑状況の二極分化が進んでいる。 |
イ | 東京圏の夜間人口が引き続き外延化していること等により、鉄道を利用した通勤・通学の平均所要時間は増加傾向にある。また、路線の中にはピーク時において線路容量の限界に近いダイヤを設定しており、ピーク時の表定速度が著しく低下するとともに、ダイヤが乱れた場合の回復に長時間を要する等の問題がある。 |
ウ | 広域連携拠点である業務核都市等に係る鉄道サービスが十分でない場合や、鉄道利用が不便な地域が存在している。 |
エ | 空港、新幹線等へのアクセスについては、所要時間、乗換回数等の面において、利便性が十分に確保されていない地域が広範囲にわたっている。 |
オ | 東京圏においては、稠密な人口及び土地利用の下に、多数の事業者により多様な交通モードによる交通ネットワークが形成されているが、乗換回数が多い等、鉄道相互の乗継ぎ利便性は必ずしも十分ではない。 |
(注)1 主要31区間: | 運輸省において昭和30年から継続的に混雑率の統計をとっている東京圏の主要な混雑区間。 |
2 混雑率150%: | 肩が触れ合う程度で、新聞が楽に読めるような状態。 |
3 混雑率180%: | 体が触れ合うが、新聞は読める状態。 |
4 混雑率200%: | 体が触れ合い相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読めるような状態。 |
(1)社会経済の将来展望
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