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超軽量動力機等の安全確保について
 2006年の超軽量動力機等(ジャイロプレーン及び自作航空機を含む。)の事故(重大インシデント含む)件数は5件(内死亡事故2件)発生しています。事故の防止のためには、操縦者を始めとする超軽量動力機等の運航に関わる人たち一人一人の安全に対する意識を高めることが必要です。特に、2002年の事故のうち3件が、航空法上必要な許可の全部又は一部を受けずに飛行していた際のものであったことから、航空・鉄道事故調査委員会は、航空事故調査報告書のなかで「超軽量動力機等の操縦者は、飛行の安全について自らが確認することはもとより、航空局による飛行の安全に係る許可を取得するとともに、許可の条件を遵守し、より一層の安全性向上に努める必要がある。」と指摘するとともに、「超軽量動力機等は機体が軽量で飛行速度が低速であるため、風の影響を受けやすいことを理解し、着陸時はもとより飛行中の風の状況を適宜判断して飛行すること。」との所見が併記されています。

 これらのことから、超軽量動力機等により飛行を行うときは、次の事項について、自ら再確認を行って、安全運航に心がけて下さい。

1.航空法上必要な許可
(1)許可制度の概要

 「航空機」とは、「航空法」においては、「人が乗って航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機及び飛行船その他政令で定める航空の用に供することができる機器」であると定めており、これに基づき国土交通省航空局は、安全確保のための各種制度を設けています。

 航空機の耐空証明(車検制度のようなもの)、航空従事者の技能証明(運転免許証のようなもの)がその一例です。

 超軽量動力機等は、「操縦者が着座姿勢で操縦できる簡易構造の航行機」であって、当然、人が乗って航空の用に供することができるものであることから、上記の安全確保のための制度に従って、耐空証明、技能証明等を取得した上で飛行することが普通の姿と考えられます。

 しかし、超軽量動力機等が元来スポーツ愛好者のための簡易構造の機体として生まれたことから、ハンググライダーやパラグライダーに小型エンジンを装備した極めてシンプルなものや、小型の飛行機に類似したものまで様々なタイプのものが存在します。

 このように個々の機体が大きく異なること等を考えると、通常の航行機に対する技術基準(耐空証明)や操縦者に対する技術基準(技能証明)等をそのまま適用することは困難です。また、そのまま適用した場合、スカイレジャーを楽しみたい皆さんが参加しにくくなりかねません。

 このため、超軽量動力機等については、通常の耐空証明や技能証明に代えて機体、操縦者についての基準を設け、これを満たす場合、国土交通大臣の許可を受けることができるようにし、スカイレジャーを安全かつ気軽に楽しんでいただける仕組みとしています。

 また、離着陸の場所については、通常の航空機でも飛行場以外に離着陸する場合は国土交通大臣の許可が必要ですが、超軽量動力機等の場合においても基準を設けて許可を受けることができるようにしています。

スカイレジャーは、必ず、これら必要な航空法上の許可を取得し、許可条件を遵守したうえで楽しんでください。

(2)取得が必要な許可

1.機体
 超軽量動力機を航空の用に供するためには、耐空証明に代わって機体の安全性等を確認するため、航空法第11条第1項ただし書きの許可を受けることが必要です。
 (手続きの詳細については、以下のpdfファイルをご覧下さい。)
 ・ 超軽量動力機又はジャイロプレーンに関する試験飛行等の許可について(PDF形式)
 ・ 自作航空機に関する試験飛行等の許可について(PDF形式)

2.操縦者
 超軽量動力機を操縦するためには、技能証明に代わって操縦者の技量等を確認するため、航空法第28条第3項の許可を受けることが必要です。
 (手続きの詳細については、以下のpdfファイルをご覧下さい。)
 ・ 超軽量動力機等に関する航空法第28条第3項の許可の手続き等について(PDF形式)
 ・ 超軽量動力機等に関する航空法第28条第3項の許可の手続き等に関する事務処理要領(PDF形式)
 ・ ホームビルド機の航空法第28条第3項の飛行許可について(PDF形式)

3.離着陸の場所
超軽量動力機を航空法で規定する飛行場以外の場所で離着陸させるためには離着陸行為の安全性等を確認するため、航空法第79条ただし書きの許可を受けることが必要です。

○問い合わせ先(申請先)
(1)航空法第11条第1項ただし書(機体)
東京航空局保安部航空機検査官
  〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
  TEL 03(5275)9292 内線7584

大阪航空局保安部航空機検査官
  〒540-8559 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎4号館
  TEL 06(6949)6211 内線5263

(2)航空法第28条第3項(操縦者)
東京航空局保安部運用課検査乗員係
  〒102-0074 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
  TEL 03(5275)9292 内線7516,7517

大阪航空局保安部運用課検査乗員係
  〒540-8559 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎4号館
 TEL 06(6949)6211 内線5216,5217

(3)航空法第79条ただし書(離着陸場所)
  離着陸場所を管轄する空港事務所

2.安全規則の遵守等
 超軽量動力機等の飛行を行う際には、関係法令等の安全規則の遵守はもとより、以下の注意事項等を参考に安全飛行に努めて下さい。

○一般

  • 許可された飛行の区分及び飛行の範囲等を遵守すること。
  • 飛行は、原則として、人、人家又は物件の上空を除く場周空域に限られます。この場合、管制区又は管制圏は飛行してはならず、かつ、航空法第81条及び航空法施行規則第174条(最低安全高度)の規定を遵守して飛行しなければなりません。
  • 貨客の輸送、農薬散布等の本来の飛行目的にそぐわない飛行は行わないこと。
  • 飛行許可は、超軽量動力機等の飛行特性を十分認識した上で、経験を積み重ねて段階的に行う飛行に対して行われるものであって、申請した超軽量動力機に対し安全性の証明が与えられたものと判断しないこと。
  • 申請者は申請した超軽量動力機等の組み立て、保守又は運用について責任を負っているので、当該超軽量動力機等に不具合が生じ、不時着又は事故に至った場合であっても、搭乗者以外の者の生命及び財産等に危害を及ぼすことのないよう、十分注意すること。(万一の事態の発生に備えて、保険に加入しておくことが望ましい。)
  • 許可の範囲を超えて使用した場合は、航空法第143条による処罰の対象になります。もとより、航空法の許可を受けずに飛行した場合には、航空法第143条による処罰の対象となります。

○飛行実施上の注意事項

  • 飛行前及び飛行後には必ずその機体の取扱説明書に従って機体全般に亘る点検を行い、異常のないことを確認すること。設計者又は製造者がマニュアル等で定めた点検項目に従い整備を適切に実施すること。
  • 少しでも機体に不調の兆候がある場合には、飛行しないこと。
  • 超軽量動力機等では、構造部材の疲労破壊が原因で重大な事故に繋がる場合があることから、過去の実績で安全と思われる超軽量動力機等であっても、この点に留意して点検を十分に行うこと。
  • 機体の組み立て及び分解は、設計者又は製造者がマニュアル等で指定した手順に従って行うこと。同じ型式機又は類似の型式機について十分な組み立て経験を有する者が組み立てを行うこと。簡易な組み立て作業で組み立てられる超軽量動力機等であっても、できる限り十分な組み立て経験を有する者の指導の下に組み立てを行うこと。
  • 飛行に際しては、当該機の運動特性に十分留意するとともに、急激又は過大な操作は行わないよう留意すること。
  • 製造者による飛行手順が示されている場合は、それに従うこと。
  • 操縦者は、ヘルメット及び飛行に適する衣服を着用すること。
  • 水上を飛行する場合は救命胴衣を着用すること。
  • 複座式のものにあっては、同乗者は第2段階の許可を受けている者に限られます。ただし、操縦指導者にあっては、第1段階の許可を受けている者を同乗させることができます。
  • 操縦者は、健康診断判定基準に適合しなくなったときその他心身の状態が安全に飛行することができない恐れがあるときは、飛行を行わないこと。
  • 飛行に先立ち、事故が起きないよう安全対策を講じておくこと。離着陸(水)する場所付近に人の立入を制限する安全監視及び救助のための人員並びに救急用具を配置しておくこと。また、トランシーバー、手旗等を用いて適切な連絡方法を設定しておくこと。
  • 飛行の実施にあたっては、出発前の確認(機体の整備状況、気象状態、燃料の搭載量等の確認)を適切に実施すること。
  • 飛行の実施にあたっては、申請者が定めた安全管理規則等を守ること。
  • 飛行は、昼間、有視界気象状態のみで行うこと。雲上飛行及び洋上飛行は実施してはならない。着氷する恐れがある場合、雲中飛行となる恐れがある場合、風が強い場合、その他天候が不良の場合は飛行を実施しないこと。
  • 超軽量動力機等は機体が軽量で飛行速度が低速であるため、風の影響を受けやすいことを理解し、着陸時はもとより飛行中の風の状況を適宜判断して飛行すること。(離着陸(水)を行う場所に設置した吹流し等を活用)
  • 騒音等により飛行空域周辺住民の生活環境に悪影響を及ぼさないようにすること。
  • 飛行に際しては、許可書若しくはその写しを携帯するか又は当該機に備え付けること。
  • 離着陸の場所について、飛行前に必要な許可を受けていることを確認すること。

3.関係団体
(財)日本航空協会
国際航空連盟(FAI)に対する国内統括団体として、スカイスポーツ団体を代表するほか、超軽量動力機に関してマイクロライト連盟等と協力して安全対策等を行っています。

 (財)日本航空協会 航空スポーツ室
  〒105-0004東京都港区新橋1-18-1
  TEL 03(3502)1203

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