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第2章 移転先候補地の選定

2.移転先候補地の選定過程

審議会は、移転先候補地の選定に当たり、客観性と公正さを重視した方法によることを基本方針とし、調査審議に努めた。
第一段階では、調査会報告に示された選定基準に従い、広く概括的な調査検討を行い、詳細な調査を行うべき調査対象地域として、「北東地域」、「東海地域」及び「三重・畿央地域」を設定した(注)。

(注)「北東地域」とは、宮城県南部から福島県を経て、栃木県中北部、茨城県中北部に至る東北新幹線等の交通軸の周辺に幅広く広がる地域をいう。
「東海地域」とは、岐阜県南東部から愛知県西三河地域を経て静岡県西部に至る地域を中心とする地域をいう。
「三重・畿央地域」とは、三重県伊勢平野中央部から三重、滋賀、京都、奈良の府県境に至る地域を中心とする地域をいう。

第二段階では、調査対象地域について、16の分野に関し、多数の専門家による詳細な調査を行うとともに、関係府県からの意見聴取、審議会委員による現地調査及び全国9カ所における公聴会を実施した。

第三段階では、移転先候補地の選定作業を更に詳細に進めるため、3つの調査対象地域の中から、利用する空港の位置や道路、鉄道等の交通体系の整備状況、関係府県の意向等を勘案し、府県にまたがる地域については、歴史や文化、地理的条件、さらには相互の交流の状況等にも配慮して、首都機能の移転先となる新都市(以下「新都市」という。)を建設し得る一体の地域として、以下のとおり、10の総合評価の対象地域(注)を設定した。

(注)10の総合評価の対象地域は、以下のとおりである。

(北東地域)
宮城地域:宮城県の南部地域
栃木・福島地域:栃木県の那須地域と福島県の阿武隈地域にまたがる地域
栃木地域:栃木県の那須地域
福島地域:福島県の阿武隈地域
茨城地域:茨城県の中北部地域
(東海地域)
岐阜・愛知地域:岐阜県の東濃地域と愛知県の西三河北部地域にまたがる地域
静岡・愛知地域:静岡県の西部地域と愛知県の東三河南部地域にまたがる地域
(三重・畿央地域)
三重・畿央地域:三重県の鈴鹿山麓地域と三重、滋賀、京都、奈良の府県境付近を中心とする地域にまたがる地域
三重地域:三重県の鈴鹿山麓地域
畿央地域:三重、滋賀、京都、奈良の府県境付近を中心とする地域

また、第二段階の分野ごとの詳細な調査の結果に基づき、一部の分野については分割又は統合を行い総合評価のための評価項目として、16の項目(注)を設定し、併行して、3つの調査対象地域ごとの移転の特徴についての整理を行った。
各対象地域の総合評価に当たっては、客観性に留意しながら複数の手法を検討した。その上で、審議会委員の大局的な判断と、各評価項目ごとの多数の専門家による評価とを合わせ評価し、しかも、その結果に至る過程が明瞭である「重みづけ手法」を採用した。
総合評価では、公正さを重視して、16の評価項目についての地域ごとの優劣は、それぞれ関係分野の専門家が数値で評価し、評価項目間の重みづけ(各評価項目の重要度の設定)は審議会委員が個々に行い、両者の作業を総合することで、10の総合評価の対象地域ごとに数値化された評価結果を算出した。
審議会は、この総合評価の結果をもとに、更に多面的、多角的な検討を加え、移転先候補地の選定作業を行った。

(注)16の評価項目は、以下のとおりである。

  • 国土構造形成の方向(国土構造改編の方向、東京の過密の緩和(企業立地の観点から))
  • 文化形成の方向
  • 新しい情報ネットワークへの対応容易性(ネットジェネレーションの視点から)
  • 大規模災害時の新都市と主要都市間の情報交通の確保
  • 外国とのアクセス容易性
  • 東京とのアクセス容易性
  • 全国からのアクセス容易性
  • 景観の魅力
  • 移転先候補地の地震災害に対する安全性
  • 移転先候補地の火山災害に対する安全性
  • 土地の円滑な取得の可能性
  • 地形の良好性
  • 水害土砂災害に対する安全性
  • 水供給の安定性
  • 既存都市との関係の適切性(市街地連坦の回避の可能性及び母都市との連携の容易性)
  • 環境との共生(自然環境との共生の可能性(保全形成の観点から)、環境負荷の低減の可能性)

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