現在、国会等移転審議会において国会等の移転先候補地の選定に向けた調査・審議が行われている。
これまでの同審議会の審議において、ハードの面だけでなく、ソフトの面についても十分な検討が必要であるとの指摘が、各委員から行われてきた。
このため、平成9年5月には、首都機能移転に係る文化的側面の検討を行うことを目的とした「検討会」が設置され、同年10月には、首都機能の移転先における新都市のたたずまい等に関する報告がとりまとめられたところである。
本検討は、上記報告等を踏まえつつ、新都市の持つべき機能及びそれらが与える影響等について整理するとともに、新都市の所在地によって首都機能移転が文化的側面で与える影響にどのような違いが生ずると想定されるのかについて、その特性を把握することによって、移転先候補地の選定に資することを目的として実施するものである。
この点、本検討の対象は、人によって捉え方も様々であり、また、そもそも首都機能移転による国政全般への改革等、将来における社会経済の構造変化等を考えることは容易ではないが、ここでは、その構造変化自体を検討するための出発点として、現在のおおむねの実感をアンケート調査により把握することとした。
《首都機能移転に係る文化的側面に関する報告抄(平成9年10月)》
新都市の機能及び文化的側面並びにそれらが全国、未来に与える影響は、首都機能移転に係る諸問題を検討するにあたって、新都市の物理的形状条件等ハード的側面と同様に重要であるものと考えられるため、今後の検討において、これらの面を十分に審議する必要がある。
本検討は、地理学、民俗学、社会環境等に関連する各専門分野の有識者により構成される、次の検討会がとりまとめたものである。
首都機能移転に係る文化的影響に関する検討会