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3.新都市の所在地別にみた首都機能移転が文化的側面で与える影響

これまでの日本の歴史の中では、首都機能移転はその時代の文化的方向性に大きな影響力をもっていた。しかしながら、これはその立地のみが変化したことによって生じたものではなく、例えば、平安時代から鎌倉時代への文化的方向性は公家から武士への政治構造の重心の移動と相まり変化したものと解釈することができる。また、戦国時代から江戸時代へは分散型から中央集権型といった政治構造様式の変化と関連しあって文化的方向性を変化させたと考えることができる。
現在における首都機能移転もこれを契機とした国政改革、人心一新等により政治・行政システム、社会・経済システム、国民の意識等が大きく変化することにつながるものであるが、これらの変化については、新都市の位置によってそれ程大きな差があるとは考えられない。
ただし、長いスパンで考えれば、新都市で人間が活動することにより、その立地している地域の風土(気候条件、地形条件、地域文化等によって育まれる地域個性)からの影響を受けつつ、他の地域とは異なる文化的個性を持つ都市として成長していくと予想される。
これに加えて、既存の集積度、新都市の規模や既存の都市圏との関係、といった周辺地域との相互作用も、都市の個性やその影響力を大きく左右する要因となると考える。

1.検討にあたっての留意点

(1)既存の集積度の差異

東京以東(東京圏(=1都3県)より東の道県)と東京以西(東京圏より西の府県)の既存の集積度を比較すると、面積ではほぼ同じだが、人口、専門・技術的職業従事者数、管理的職業従事者数、高等教育授者数、4年制大学学生数等においては東京以西は以東のほぼ3倍を有している。
経済的な指標でも、小売販売額、製造品出荷額は、以西は以東の約3倍となっており、既存の経済資源に大きな差がみられる。
東京を加えた西の集積度は非常に高く、この地理的な集積度の大小が新都市の個性や文化的方向性に影響を与えることが予想される。

表 東京以東と東京以西の集積度比較況
  面積(km2 人口(千人) 専門的・技術的職業従業者数 管理的職業従業者数(千人) 高等教育授者数(千人) 4年制大学学生数(千人)
東京圏 13,495
[4%]
32,557
[26%]
2,442
[30%]
816
[31%]
7,088
[37%]
1,065
[40%]
東京以東 176,867
[47%]
24,963
[20%]
1,406
[18%]
490
[18%]
2,629
[14%]
305
[11%]
東京以西 182,350
[49%]
事業所数
(件)
68,030
[54%]
卸売年販売額
(億円)
4,159
[52%]
小売年販売額
(億円)
1,348
[51%]
製造品出荷額
(億円)
9,455
[49%]
県内総生産
(億円)
1,298
[49%]
県民所得
(億円)
東京圏 1,558,484
[23%]
1,805,920
[38%]
395,871
[27%]
714,373
[23%]
1,510,773
[31%]
1,194,463
[31%]
東京以東 1,322,688
[20%]
597,314
[12%]
295,526
[20%]
561,370
[18%]
879,124
[18%]
708,963
[18%]
東京以西 3,784,660
[57%]
2,393,675
[50%]
786,144
[53%]
1,854,941
[59%]
2,517,256
[51%]
2,011,815
[51%]

出典:国勢調査1995年(人口、面積、専門的技術的職業従業者数、管理的職業従業者数)
文部省調1990年(高等教育授者数)、学校基本調査報告1998年(4年制大学学生数)
事業所統計1996年(事業所数)、商業統計1997年(卸売年間販売額、小売年間販売額)
工業統計1996年(製造品出荷額)、経済企画庁県民経済計算年報1995年(県内総生産、県民所得)

1)東京以東は新潟・北関東以東、東京以西は長野・山梨以西

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