国会等移転調査会報告では、首都機能移転先の新都市を「日本の進路を象徴する都市」とすべきことが示され、そのための基本理念の一つとして、「平和」「文化」と並んで「環境」があげられており、新都市づくりが「環境共生型都市づくり」の先導的プロジェクトとして位置づけられている。加えて、自然的環境への影響は、移転先候補地の選定の過程や新都市の建設段階において配慮すべき事項とされ、新都市における都市活動の様々な場面で、先導的な新技術の導入などにより、新都市の周辺の自然的環境へ及ぼす影響を極力小さくすることに努めることが必要であるとしている。
本検討においてはこれを踏まえ、首都機能移転先の新都市における環境負荷発生量の推計と負荷に関する地域毎の検討を行い、その結果を踏まえて環境負荷の観点から新都市のあり方について検討を行うものである。
本検討については、環境に関する各分野の専門家からなる「首都機能移転と環境に関する検討会」を設け、環境面の専門的な調査検討を行った。
首都機能移転と環境に関する検討会
井手 久登 （いで ひさと） 東京大学名誉教授（国会等移転審議会専門委員） ＜座長＞
阿部 学 （あべ まなぶ） 新潟大学農学部教授
岡崎 正規 （おかざき まさのり） 東京農工大学大学院教授
武内 和彦 （たけうち かずひこ） 東京大学大学院教授
細見 正明 （ほそみ まさあき） 東京農工大学工学部教授
森田 恒幸 （もりた つねゆき） 国立環境研究所環境経済研究室長、東京工業大学大学院教授