なお、降下火砕物が降下する場合、一般的に、分布の広さを決める要因としては降下火砕物噴出量、パターンを決める要因としては上空の風向、風速を挙げることができる。日本のような中緯度偏西風帯では、多くは西風に送られ、全く非対称的に火口の東側に分布する。日本の第四紀後期のテフラの場合、84%がそのような分布を持ち、残りが他の方向または同心円状の分布パターンをとる。後者の場合は噴火時が偏西風の弱い夏季であったか、あるいは日本の西側に強い低気圧などがあったためと考えられる。(ただし、これらは比較的規模の大きな噴火によるテフラの分布であり、地表風の影響を受ける規模の小さな噴火では全方向に分布する可能性がある。)
(参考文献:「火山灰アトラス」(町田・新井))