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火山災害に係る検討について

(5)その他の火山現象による影響範囲の検討

1) 岩屑なだれ
那須岳南東山麓では広範囲に岩屑なだれ堆積物が分布している。その供給源と発生時期は表14のようである[(伴、1993)のまとめ]。この現象の発生頻度は、那須岳の例では10数万年に1回程度と考えられる。大規模な火砕流や火山泥流同様、深刻な災害が広範囲に及ぶが、頻度は非常に低い現象である。

表14 岩屑なだれの実績(那須岳)
名称 供給源 発生時期
御富士山岩屑なだれ 茶臼岳付近 約3〜4万年前
那珂川岩屑なだれ 南月山付近 約17万年前
黒磯岩屑なだれ 不明 約20〜30万年前(中期更新世)

(参考文献:山元・伴(1997)、山元(1999))

また、図14に那須岳の岩屑なだれの実績図を示す。

図14 那須岳の岩屑なだれの実績(出典:伴(1993))
図14
(図をクリックすると、拡大表示します)

同様に、磐梯山における岩屑なだれの実績を次に示す。

表15 岩屑なだれの実績(磐梯山)
名称 供給源 発生時期
1888年岩屑なだれ 小磐梯山 1888年7月15日
琵琶沢岩屑なだれ 大磐梯山 約2,500年前
翁島岩屑なだれ 古期山体 約4万年前

(参考文献:山元・須藤(1996))

また、御嶽山では約5万年前に大規模な山体崩壊に由来する岩屑なだれが起き、土石流が発生したと考えられており、その堆積物(木曽川泥流)は西野川−大滝川−木曽川の谷底に沿って分布し、御嶽山山麓から濃尾平野北東部まで流下しており、その流下距離は約150kmであった。

(参考文献)
藤井登美夫(1976)御嶽火山木曽川泥流堆積物の産状とその流下・堆積様式.愛知教育大地理報告,45,114-120.
中井俊夫・藤井登美夫・鹿野勘次・木曽谷第四紀巡検会(1992)岐阜県八百津町の木曽川泥流堆積物から採取された埋没樹木の加速器14C年代.第四紀研究,21,29-36.

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