風力発電用語集 (NEDO:風力発電導入ガイドブック  2005年1月改訂第7版より)
用         語
内                     容
風 速 空気が移 動した距離とそれに要した時間の比 で単位は通常 m/s。
平均風速 風速の時 間値を、所定期間内で統計的に平均 したもの。所 定時間は数秒から数年の場合がある。月平均風速、年平均風速等が使われる。
年平均風 速 年平均の 用語の定義に従って平均した風速 で、年平均と は、十分な期間にわたって集めた十分な量のデータセットを平均した値であって、測定対象の期待値を推定できるもの。平均を計算する期間は、季節差等の非定 常効果をならすため、年数は整数とする。
最大風速 ある期間 内(時間・日・月・年等)における 最大の風速 で、通常10分間の平均値をとっている。
最大瞬間 風 速 特定の時 間、期間の中での瞬間風速の最大 値。通常測定時 間、0.1〜数10秒間の平均値の最大値をとる。
極値風速 t秒間で 平均した最大平均風速で、T年間 (再現期間:T 年間)で経験しそうな風速で、風車の設計荷重ケースに用いる。
耐風速 構造物が 耐えられるよう設計された最大風 速。
風速分布 確率分布 関数であって、ある長時間内の風速 の分布を示す もので、ワイブル分布関数、レーレ分布関数がある。
最多風速 出 現頻度 ある期間 内(月・年等)における風速の出現 度数の最も多 いもの。
風向 風が吹い てくる方向。例えば、”北風とは北 から吹く 風”、”山風とは山から谷に向かって吹く風”の意味である。
風向頻度 ある地点 のある期間(月・年等)における各 方位別の風向 の出現度数。
風配図 ある地点 のある期間における各方位別の風向 の出現度数 を、放射状のグラフに表したもの。
風速の高 度 分布 風速の鉛 直方向分布。数学的表現として、対 数則と指数則 がよく用いられる。
ウィンド シ アー 風向に対 して垂直な面を横切る風速の変化。
突風 (gust) 風速の瞬 間的な変化で、その立ち上がり時 間、振幅及び継 続時間で特徴づけられるもの。
ガスト ファ クター ある測定 時間の平均風速Umに対する、同じ 時間内の最大 瞬間風速Umaxの比(G=Umax/Um)。
乱流強度 風速の標 準偏差の平均風速に対する比で、指 定の時間内に 採取した同一の風速データセットから決定する。
粗度長 風速の高 度分布が対数則に従うとした場合、 平均風速が零 となる外挿高さ。
風車 風によっ て単一または複数のロータ(回転す る部分)が回 転する車。
大型風車 定格発電 出力が500kW以上の風車。 2004年現在は 1000kW以上の風車が実用化されており、大型機の基準は1MW=1000kWに移行しつつある。
小型風車 ロータの 受風面積が40u未満の風車。
風力発電 装 置 風力発電 所の発電装置。風力発電システムの 内、発電所の 構外に設置される遠隔監視制御装置、表示板等を除く。
風力発電 シ ステム(WTGS) 風が持つ 運動エネルギーを電気エネルギーに 変化するシス テム。
風力発電 所 1グルー プまたは複数グループの風力発電装 置。
ウィンド ファーム 複数の風 力発電装置からなる風力発電所。 ウィンドパーク とも呼ばれる。
系統連系 風力発電 装置と商用電力系統との連系。
DCリン ク 方式 交流電力 系統と連系する風力発電装置で、直 流出力を逆変 換装置によって交流に変換して連系する方式。
ACリン ク 方式 交流電力 系統と連系する風力発電装置で、発 電機から発生 する交流電力をそのまま電力系統に連系する方式。
水平軸 (形)風車 ロータ回 転軸が概ね水平面内にある風車。
垂直軸 (形)風車 ロータ回 転軸が風向に垂直である風車。
アップ ウィ ンド方式 ロータの 回転面がタワーの風上側に位置する 水平軸形風車 の形式。
ヨー制御 風車回転 面を変動する風向に追尾させる制 御。風車の保護 や出力制御のために方位を制御することもある。
出力制御 風車出力 を制御すること。
固定ピッ チ ピッチ角 を固定したプロペラ形風車のロータ 形式。
ストール (失速)制御 ブレード に発生する失速現象を利用する出力 制御方式。
可変ピッ チ ピッチ角 が可変であるプロペラ形風車のロー タ形式。
洋上風車 海岸線か ら離れた沖合いに設置した風車。
ソフトス タート 誘導発電 機を直接連系する方式の風力発電装 置において、 サイリスタ(電流の流れを制御する半導体素子)等を用いて系統接続時の突入電流を制御すること。または、逆変換装置を風力発電装置において、発電開始時の 急激な出力の増大を防ぐように制御を行うこと。
風車ロー タ 風車にお いて、風からエネルギーを吸収する ために回転す る部分。ブレード、ハブ、シャフト等から構成される。
ブレード 風車の回 転羽根。(抗力形風車の羽根はパド ルと呼ばれ る。)
ハ ブ ブレー ド、またはブレード組立部品をロー タ・シャフトに 取り付けている部分。
増速装置 入力軸の 回転速度を、増速して出力軸に動力 伝達する装 置。
誘導発電 機 固定子と 回転子との電磁誘導作用によって電 力を発生する 非同期機。電力系統等から励磁電流を得て並列運転し発電する。
同期発電 機 定常運転 状態において、同期速度で回転する 交流発電機。 励磁装置等をもち、単独運転が可能で独自に発電できる。
ナセル 水平軸風 車において、タワーの上部に配置さ れ、動力伝達 装置、発電機、制御装置等を格納するもの。
タワー 風車ロー タ、動力伝達装置、発電機等を地上 から適切な高 さに支持するための架台。
基 礎 タワーの 荷重を地盤に伝えるための工作物。
電気設備 風車を電 力系統に連系するために必要な全て の電気関連設 備。
電力系統 発電所、 変電所及び負荷とこれらを結ぶ電線 路からなり、 発電電力を負荷に送る電力設備網。
送配電装 置 風車から の電力を集めて電力系統への変圧器 へ、または電 力負荷へ送るための電気設備。
運転制御 装 置 風車や周 囲の状態の情報を受け、風車の運転 を制限内に保 つよう調整する装置。
ピッチ制 御 装置 風車の回 転数や出力を制御するため、ブレー ドのピッチ角 を変化させる装置。
ヨー制御 装 置 風向と ロータ軸との偏差角を任意の角度内に 制御する装 置。
ブレーキ 装 置 風車ロー タの回転速度を緩めたり、回転を静 止させること ができる装置。
ロータ直 径 風車ロー タの直径。
受風面積 ロータブ レード先端の回転による軌跡が、風 向に垂直な平 面に投影した面積。
ハブ高さ 風車ロー タ中心の地上高さ。
出 力 風力発電 装置が発生する電気出力。
出力曲線 横軸に風 速、縦軸に風車出力をとり、曲線ま たはプロット されたデータ群。
出力係数 ロータ受 風面積を単位時間に通過する自由空 気流の運動エ ネルギーに対する風力発電装置の正味出力の比。
ピッチ角 ブレード のある軸方向位置(通常はブレード 半径の 100%位置)における、翼弦とロータ回転面のなす角度。
ロータ回 転 数 風車ロー タの軸まわりの回転数 (r/min)。
前方風速 風車ロー タに流入する十分な前方の風。
ウェーク 風車に流 入した空気流の風車ロータの後方流 れ。
カットイ ン 風速 風車が利 用可能な動力を生むハブ高さにおけ る最小の風 速。
定格風速 風車の定 格出力が発生するハブ高さにおける 規定の風速。
カッ トアウ ト風速
風車 が利用可能な 動力を生むハブ高さにおける最大風速。
定 格回転数
定格 出力を発生す る風車ロータ回転数。
定 格出力
安全 に使用できる 限界の値を定格といい、機器または装置 の所定の運転状態における出力の値。
最 大出力
正常 な運転状態に ある風車が発生する正味出力の最大値。
出 力補正係 数(Power Factor)
風車 の出力性能曲 線に対して、複雑地形等による風速・風 向の乱れ等の損失を差し引いた割合係数。
利 用可能率
ある 期間中におい て、全歴時間から保守または故障による 停止期間を差し引いた値の、同期間中の全歴時間に対する比。
設 備利用率
ある 期間中におけ る風車総発電量の、同期間中に定格出力 で運転したと仮定して風車が発生可能な発電量に対する比。
年 間発電量
風力 発電装置の1 年間の発電量。推定値は、実測したパ ワー曲線とハブ高さにおける風速出現頻度分布をもとに、100%の利用可能率を仮定して計算する。
正 味年間発 電量
年間 発電量に利用 可能率や出力係数、ウェークロス等を考 慮して計算した発電量。
ビ ンの方法
風速 の区間(ビ ン)ごとに試験データを分類するデータ処 理方法。ビンごとにサンプル数と総和を記録し、平均値を計算する。
複 雑な地形
地形 が変化に富 み、または障害物が存在して風がゆがめら れやすい地理形状。
サ イト・ キャリブレーション
試験 サイトにおい て、風車設置点に一時的に設置された風 向風速計に流入ハブ高さの風速及び風向と、性能計測に使用する風況観測マストで計測される風速及び風向のデータを取得し、風車に流入する地形による流れの 歪みを補正すること。
試 験サイト
性能 計測を行う風 車とその周辺を含む土地。
過 速度(過 回転)
定格 風速または規 定速度よりも高い回転速度のこと。
発 電機過負 荷
発電 機出力が定格 または規定出力を超えること。
振 動過大
機器 (ナセル・タ ワー・増速機・発電機等)が、規定の振 動よりも大きな振動になること。
フェ ザリン グ
風の 入力に対し回 転方向の力が生じないようにブレードの ピッチ角を風向きに平行にすること。
風 車の騒音
ブ レードからの風 切り音やナセルからの機械音等、聞いて 好ましくない音。
音 響基準風 速
粗度 長0. 05m、高さ10mにおける8m/sの風速。
電 波障害
ブ レードやタワー が電波を反射、または遮蔽して通信、 TV電波等に障害を与えること。
景 観影響/ 障害
風車 を建設するこ とによる景観への影響。
環 境影響評 価
自然 環境に与える 正及び負の効果を分析し、負の効果に対 して問題点の抽出と対応策の導入を行って評価を行う手法。
バー ドスト ライク
回転 中のブレード 等による鳥類への影響。
※ネットスケープ4.7などで開いた場合、正常に表示しないこ とがあります。
インターネットエクスプ ローラ(若しくはNetscape7.1)でご覧いただくことを推奨します。