海事

シップリサイクルに関する取組み

1.シップリサイクルの推進

 (1)シップリサイクルを巡る現状
 大型船舶のリサイクル(シップリサイクル:寿命に達した船舶は、解体され、その大部分は鉄材として再利用されます。)は、主にインドやバングラデシュ等の開発途上国を中心に実施されており、船舶リサイクル施設において繰り返される労働者の死傷事故や船舶解体に伴う海洋汚染等が問題視されてきました。

  • 図1 開発途上国における船舶解体の様子

  • 図2 世界における主要な解撤実施国別の実績推移

 (2)シップリサイクル条約の採択及び批准に向けた検討     
 これらの問題を解決するため、国際海事機関(IMO)において、我が国主導の下、新条約策定作業が進められ、2009年5月に、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(仮称)」(通称、シップリサイクル条約)が採択されました。
 本条約においては、船舶と船舶リサイクル施設のそれぞれについて検査と証書の保持が義務付けられ、アスベストやPCB等の新規搭載の禁止、船舶に存在する各種有害物質の種別、所在場所及び概算量を記した一覧表(インベントリ)の作成・備置・更新、船舶リサイクル施設の環境汚染や労働災害を最小化するための適正な運営等が求められています。
 また、条約の施行に必要な各種ガイドラインは2012年10月に整備が完了し、条約の批准に向けた準備は整っております。このような状況の中、2013年11月にはシップリサイクル条約に準拠するEU域内法改正が採択(同年12月30日に発効)され、関連業界等における自主的な条約の一部を実施する動きも出始めております。これらの動向を踏まえ、我が国における条約批准に向けた検討を行うため、学識経験者、造船、海運、解撤業、船級等の関係者から構成される「シップリサイクル条約の批准に向けた検討会」(委員長:角洋一横浜国立大学名誉教授)を平成25年12月に設置しております。
 平成25年度においては、主要解撤国の一部シップリサイクル施設における環境・安全対策の取組やEU域内法改正に伴う見通しなど動向を確認するとともに、日本国内におけるシップリサイクル事業者の実態や、施設の条約要件と主に環境関連の国内法制度の状況を調査したところであり、引き続き条約要件に関連する国内法制度の整理や適用船舶の範囲等について検討を進めていくこととしております。

  • 図3 シップリサイクル条約の概要

 (3)先進国型シップリサイクルシステムの構築に向けた取り組み
 我が国においては、環境に配慮した先進国型のシップリサイクルシステムの構築を推進するため、効率的な解体手法、工程監理、事業実施手法等に係る調査や実証実験に取り組んできました。本システムの構築により、高品質の鉄資源の確保及び再利用によるCO2削減にも寄与することが期待されております。

2.有害物質一覧表(インベントリ)適合証の交付業務

 シップリサイクル条約では、船舶のリサイクル(解体)における労働者の安全確保や環境保全のため、国際総トン数500トン以上の船舶に対し、有害物質一覧表(インベントリ)適合証(以下、インベントリ)の作成・更新を義務づけており、解体時に船舶リサイクル施設にこれを提供することとされております。
 現在条約は未発効でありますが、インベントリがあれば、解体事業者は解体する船舶の有害物質に関する情報を把握することができ、適切な解体を実施することが可能となります。また、情報を把握することで、解体事業者は解体した船舶の鋼材や機器を計画的に管理することができます。
 国土交通省では、条約発効に向けた環境整備の一環として、情報が適切に解体事業者に提供されるよう、船舶所有者が作成したインベントリについて、申請に基づき「インベントリ適合証」を交付しております。詳細については、インベントリ(有害物質一覧表)適合証の交付要領 をご参照下さい。
 

お問い合わせ先

国土交通省 海事局 船舶産業課
電話 :(03)5253-8111
直通 :03-5253-8634
ファックス :03-5253-1644
国土交通省 海事局 検査測度課
電話 :(03)5253-8111
直通 :03-5253-8639
ファックス :03-5253-1644

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