上下水道

平成28年度下水道技術研究開発(GAIAプロジェクト)で実施する技術開発テーマを決定

 国土交通省では、地域毎に異なる下水道の政策課題の解決を目的として、下水道分野の技術研究開発の未来を担う若手研究者との連携により、大学等の研究機関が有する先端的な技術の活用や実用化を促進し、成果の普及を図るため、下水道技術研究開発(GAIAプロジェクト)を実施しています。
 平成28年度には、新たに、[1]下水処理水の生物等への影響評価に関する技術研究開発、[2]人口減少に対応した下水処理に関する技術研究開発、[3]下水道による浸水対策や雨水利用等の「雨水管理のスマート化」に関する技術研究開発、[4]下水道資源による美と食と健康に関する技術研究開発を公募し、有識者からなる下水道技術評価委員会による厳正な採択審査を行った結果、以下に示す(1)~(6)の技術研究開発テーマを採択することに決まりました。
  ※GAIAプロジェクト:Gesuido Academic Incubation to Advanced Project
 
【採択する技術研究開発テーマ】
(1)藻類遅延発光阻害試験による下水処理水の生態影響評価に関する研究

研究代表者:岡山大学大学院環境生命科学研究科 助教 田村生弥
概要:従来の藻類の生長を測定する試験方法(藻類生長阻害試験)よりも簡易かつ短時間で実施可能な、藻類の光合成に関わるエネルギーを測定する試験方法(藻類遅延発光阻害試験)の、下水処理水の生物影響評価手法への適用性を検討するとともに、下水処理水の生態影響原因物質群の推定を行う。

 
(2)下水処理水中の生態影響原因物質を対象とした高効率汎用型探索技術の開発

研究代表者:鹿児島大学学術研究院理工学域工学系 准教授 高梨啓和
概要:最新の質量分析技術を用いて、下水処理水中の生物等に影響を及ぼす未知の原因物質を効率よく探索する網羅的探索技術を開発するとともに、探索された新たな物質を含む原因物質を一斉に同定、定量化する汎用型一斉分析技術を開発し、定量的に信頼性の高い毒性同定評価を行う。

 
(3)FO膜とクロラミン耐性メタン発酵を組合せた低コスト・エネルギー生産型下水処理システムの開発

研究代表者:北九州市立大学国際環境工学部エネルギー循環化学科 准教授 寺嶋光春
概要:下水中のアンモニアを殺菌効果のあるクロラミンに変えて膜の目詰まりを防止しつつ、海水とFO膜(正浸透膜)を用いてほぼ無動力で下水を処理するとともに、濃縮下水はクロラミンを無害化してメタン発酵を行い、発生したバイオガスからエネルギーを生産するシステムを開発する。

  
(4)執行体制の脆弱化に対応した下水処理水中の細菌・ウイルスの簡易分析技術の開発

研究代表者:北海道大学大学院工学研究院環境創生工学部門 准教授 佐藤久
概要:細菌の定量測定として特定の酵素により蛍光を発する特定酵素蛍光基質を用い、また、ウイルスの定量測定として癌マーカー分子の早期発見等に使われているDNAアプタマーを用いることで、下水道事業の執行体制の脆弱化に対応して、下水処理水中の細菌とウイルスを簡易に分析する技術を開発する。

  
(5)微細藻類を用いた下水中でのアスタキサンチン生産技術の開発

研究代表者:岡山大学環境管理センター 准教授 永禮英明
概要:化粧品・健康食品のサプリメントや養殖魚の着色剤として高い付加価値を有するアスタキサンチンを生産する微細藻類を、下水中で優占培養し、連続生産する技術を開発する。

 
(6)下水汚泥の有用微生物優占技術と高付加価値農業資材の生産技術の開発

研究代表者:長岡技術科学大学産学融合トップランナー養成センター 特任准教授 幡本将史
概要:下水活性汚泥中に、抗菌・制菌作用があるバチルス属細菌を優占化させることで、連作障害の抑止効果が期待できる機能性コンポスト・土壌改良資材を製造するための技術を開発する。


 

お問い合わせ先

国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付流域下水道計画調整官吉澤 正宏
電話 :03-5253-8111(内線34302)
直通 :03-5253-8432
ファックス :03-5253-1597
国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付調整係長川島 弘靖
電話 :03-5253-8111(内線34313)
直通 :03-5253-8432
ファックス :03-5253-1597

ページの先頭に戻る