上下水道

下水道の理解を促進する「下水道の市民科学」

1.取り組みの背景

 地球温暖化や社会経済情勢等は大きく変化しています。持続可能な社会を構築するために、下水道の果たすべき使命も汚水処理や雨水排除だけでなく、健全な水環境の創造、水・資源・エネルギーの活用などより多様化しています。一方、普及率が上昇し、街に“あって当たり前”の存在になることで、市民の下水道への関心は薄れつつあります。
 地域の活動団体(NPO、学校の科学部・同好会)が行政などの協力を得ながら、下水道に関する調査研究活動に参画する「下水道の市民科学」は、市民が主体的に下水道の存在意義や役割を発見する機会となり、「下水道の見える化」に繋がります。また、よりよい地域をつくる力にもなります。
 ※市民科学(Citizen Science)
   :オックスフォード英語辞典では、「一般市民が科学的な活動に取り組むことであり、その多くの場合で、専門の科学者や科学研究機関と協働あるいはその指導の下、実施されるもの」と解説されています。
 

2.下水道の市民科学ガイドブックの作成

 国土交通省では、下水道の見える化や下水道に関する調査研究活動を通じてよりよい地域づくりに取り組みたい地方公共団体や市民・地域の活動団体を支援するため、平成29年3月に、「下水道の市民科学ガイドブック」を作成いたしました。
 ガイドブックでは、地域住民が下水道の市民科学という新しい切り口から、行政との協働を通じて、よりよい地域づくりを創造できるよう、下水道の市民科学の有効性、取組事例、取組方、ヒント・QAなどを紹介しています。
 
<「下水道の見える化」を進めたい、市民と協働で課題解決を図りたい地方公共団体向け>
 ・ 下水道の「市民科学」のガイドブック~行政が連携して取り組む市民科学を成功させるヒント~(R4.3) (3,999KB)
 
<下水道に関する調査研究活動を通じて、よりよい地域づくりを行いたい市民や地域の活動団体向け>
 ・ 下水道の「市民科学」のガイドブック~行政と連携しながら行う市民科学の取り組みを知る~(R4.3) (2,692KB)



市民等によるフィールドワークの実施
 

3.下水道の「市民科学」研究テーマ集・取組事例集の作成

 下水道の「市民科学」の取り組みを始める上で「下水道の身近なテーマとは?」、「具体的にどんなテーマを考えたらよいのだろう?」といった疑問があるかと思います。
 そこで、研究テーマを設定する際のヒントとして活用して頂くため、事例やアイディアを「下水道の市民科学 研究テーマ集」としてまとめました。
 このようなテーマで市民の方々が調査研究に取り組むことができれば、それは世界中で進んでいる「市民科学」の取り組みといえます。この研究テーマ集からヒントを得て、下水道の「市民科学」に取り組んでみませんか。
 
 ・下水道の「市民科学」研究テーマ集(H31.3発行(R3.3一部改訂))(2,060KB)
 

 また、どの様な市民科学の取り組み方が自分の団体にマッチするかイメージできるように、過年度モデル地区(4団体)及び、
令和2年度に導入フォローした自治体(2団体)の取組について、具体的な活動内容や成果を紹介する事例集を作成しました。
 その後、令和4年度に自治体(3団体)の事例を追加して事例集を更新しました。

 ・下水道の「市民科学」取組事例集(R5.3発行)(1,650KB)

4. 「下水道の市民科学」に関する相談窓口

 国土交通省は、ガイドブックの公表に併せて、市民科学の取組方に関するご相談・ご質問に対応する相談窓口を以下のとおり開設しました。
 ご相談などありましたら、相談窓口のメールアドレスまで、必要事項(団体名、氏名(ふりがな)、連絡がとれる電話番号、ご相談・ご質問の内容)をご記入の上、送信ください。
【相談窓口】
国土交通省水管理・国土保全局下水道部流域管理官付 市民科学プロジェクト事務局
E-mail : hqt-shiminkagaku-group※gxb.mlit.go.jp(※は@に置き換えた上で送信ください。)
 

 上記の取組により、国土交通省は、市民と行政の協働による地域の良好な水環境の創造に資する取組を支援していきます。
 

ページの先頭に戻る