海岸

3. どのような津波が起こったの?

3-1 日本沿岸における津波災害

 日本の近海は、複数のプレートが重なる海溝やトラフが分布しており、プレート間における大規模な海底地震による津波が発生しやすい海域になっています。そのため、日本の沿岸は、津波の被害を受けやすい地域になっています。

年月日 西暦 名称 マグニチュード 被害状況
昭和8.3.3 1933 三陸沖地震 M8.1 津波が太平洋岸を襲い、三陸沿岸で被害甚大。波高は綾里湾で28.7m。
死・不明3,064、家屋流失4,034、倒潰1,817、浸水4,018。
昭和19.12.7 1944 東南海地震 M7.9 津波が各地に来襲し熊野灘沿岸で6~8m、遠州灘沿岸で1~2m。
紀伊半島東岸で30~40cm地盤が沈下。
静岡・愛知・三重などで合わせて死・不明1,223、住家全壊17,599、半壊36,520、流失3,129。
昭和21.12.21 1946 南海地震 M8.0 津波が静岡県より九州にいたる海岸に来襲し、高知・三重・徳島沿岸で4~6m。
室戸で1.27m、潮岬で0.7m上昇、須崎・甲浦で約1m沈下。
死1,330、家屋全壊11,591、半壊23,487、流失1,451、焼失2,598。
昭和27.3.4 1952 十勝沖地震 M8.2 北海道南部・東北北部に被害があり、津波は関東地方に及ぶ。
波高は北海道で3m前後、三陸沿岸で1~2m。
死28、不明5、家屋全壊815、半壊1,324、流失91。
昭和35.5.23 1960 チリ地震津波 M8.5 津波が日本各地に襲来、波高は三陸沿岸で5~6m、その他で3~4m。
北海道南岸・三陸沿岸・志摩半島付近で被害が大きく、沖縄でも被害があった。
死・不明142、家屋全壊1,500余、半壊2,000余。
昭和58.5.26 1983 日本海中部地震 M7.7 被害は秋田県で最も多く、青森・北海道がこれに次ぐ。
石川・京都・島根などの遠方でも被害が発生。
日本全体で死104、傷163、建物全壊934、半壊2,115、流失52、一部損壊3,258。
平成5.7.12 1993 北海道南西沖地震 M7.8 奥尻島の被害が甚大。津波高は10mを越えた。死202、不明28、傷323。
平成15.9.26 2003 十勝沖地震 M8.0 北海道および本州の太平洋岸に最大4m程度の津波。
死1、不明1、傷849、住家全壊1,276、半壊3,809。
平成23.3.11 2011 東北地方太平洋沖地震 M9.0 巨大津波(現地調査によれば最大約40m)が来襲し、被害甚大。
死18,958、不明2,655、傷6,219、住家全壊127,291、半壊272,810
(余震・誘発地震を一部含む:2014年3月現在)
(参考:理科年表)

3-2 津波常襲地帯

①三陸沿岸
 三陸沖は太平洋プレートの沈み込む海溝があり、かつ三陸海岸はリアス式海岸であるため、津波が大きくなりやすい傾向があります。そのため、津波による大規模な被害を、過去に何度も受けています。明治三陸地震津波(1896年)では、北海道より牡鹿半島にいたる海岸に津波が押し寄せ、死者は21,959人にのぼりました。また、昭和三陸津波(1933年)では、死者・不明者は3,064人に達しました。遠地津波であるチリ地震津波(1960年)では、日本全体で142人の死者・不明者を出しました。
 東北地方太平洋沖地震津波(2011年)では、死者18,958人など甚大な被害が発生しました。

名取市・東北地方太平洋沖地震津波による被害(海上保安庁提供)
名取市・東北地方太平洋沖地震津波による被害(海上保安庁提供)

②東海・東南海沿岸
 駿河トラフから南海トラフにかけての、フィリピン海プレートの端に沿ってつながる海域は、大規模津波が周期的に発生します。そのため、静岡県沿岸から熊野灘沿岸にかけては、過去に何回も大規模な津波の被害を受けました。安政東海地震(1854年)では、死者が2,000から3,000人に及んだといわれています。この地震の発生からすでに約150年経っており、次の東海地震の発生が懸念されています。また、東南海地震(1944年)では、静岡・愛知・三重などで、死者・不明者が1223人に及びました。

尾鷲市・東南海地震津波による被害(太田金典氏撮影)
尾鷲市・東南海地震津波による被害
(太田金典氏撮影)

③南海沿岸
 南海トラフで発生する地震による津波を南海地震津波と呼んでいます。特に被害の大きかったものは、東海地震の32時間後に起きた、安政南海地震津波(1854年)です。中部から九州の沿岸に被害を及ぼし、地震被害と区別ができませんが、死者は数千人になったと言われます。また、昭和南海地震(1946年)では、中部以西の沿岸に被害が及び、死者1,330人にのぼりました。
 駿河トラフから南海トラフにかけての、フィリピン海プレートの端に沿ってつながる海域は、大規模津波が周期的に発生します。そのため、静岡県沿岸から熊野灘沿岸にかけては、過去に何回も大規模な津波の被害を受けました。安政東海地震(1854年)では、死者が2,000から3,000人に及んだといわれています。この地震の発生からすでに約150年経っており、次の東海地震の発生が懸念されています。また、東南海地震(1944年)では、静岡・愛知・三重などで、死者・不明者が1223人に及びました。

須崎市・チリ地震津波による被害(須崎市提供)
須崎市・チリ地震津波による被害
(須崎市提供)

④日本海東縁部沿岸
 日本海側では、日本海中部地震(1983年)で死者104人、北海道南西沖地震(1993年)で死者・不明者230人と、つづけて大きな津波が起きました。

奥尻町・北海道南西沖地震津波による被害(奥尻町・朝日新聞社提供)
奥尻町・北海道南西沖地震津波による被害
(奥尻町・朝日新聞社提供)

⑤北海道東南部沿岸
 北海道東南部沿岸では、北海道東方沖地震(1994年)や十勝沖地震(2003年)などで被害を受けています。

3-3 津波の体験談

  • 東日本大震災(平成23年3月)

  • 北海道南西沖地震(平成5年7月)

  • 南海地震(昭和21年12月)

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