海岸

5. 津波の発生を知るにはどうすればいいの?

5-1 気象庁の発表する津波情報

 気象庁は、地震発生後に津波が発生するおそれがある場合に、地震が発生してから約3分を目標に、対象となる津波予報区に大津波警報、津波警報、または津波注意報を発表します。この際に、併せて発表される津波情報において、各津波予報区の津波の到達予想時刻や予想される津波の高さなどが発表されます。これらの情報は、テレビ・ラジオ 等で放送されたり、新聞やウェブサイト等にも掲載されます。

津波予報区図(出典:気象庁HP)
津波予報区図(出典:気象庁HP

●津波警報・注意報の種類

種類 発表基準 発表される津波の高さ 想定される被害と 取るべき行動
数値での発表
(津波の高さ予想の区分)
巨大地震の場合の発表
大津波警報※ 予想される津波の高さが高いところで3mを超える場合。 10m超
(10m<予想高さ)
巨大 木造家屋が全壊・流失し、人は津波による流れに巻き込まれます。
沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。
10m
(5m<予想高さ≦10m)
5m
(3m<予想高さ≦5m)
津波警報 予想される津波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合。 3m
(1m<予想高さ≦3m)
高い 標高の低いところでは津波が襲い、浸水被害が発生します。人は津波による流れに巻き込まれます。
沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。
津波注意報 予想される津波の高さが高いところで0.2m以上、1m以下の場合であって、津波による災害のおそれがある場合。 1m
(0.2m≦予想高さ≦1m)
海の中では人は速い流れに巻き込まれ、また、養殖いかだが流失し小型船舶が転覆します。
海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れてください。

※大津波警報は、特別警報に位置づけられています。

●津波情報の種類

津波警報・注意報を発表した場合には、津波の到達予想時刻や予想される津波の高さなどを津波情報で発表します。

種類 内容
津波到達予想時刻・ 予想される津波の高さに関する情報 各津波予報区の津波の到達予想時刻※や予想される津波の高さ(発表内容は津波警報・注意報の種類の表に記載)を発表します。
※ この情報で発表される到達予想時刻は、各津波予報区でもっとも早く津波が到達する時刻です。場所によっては、この時刻よりも1時間以上遅れて津波が襲ってくることもあります。
各地の満潮時刻・津波到達予想時刻に関する情報 主な地点の満潮時刻・津波の到達予想時刻を発表します。
津波観測に関する情報 沿岸で観測した津波の時刻や高さを発表します。
沖合の津波観測に関する情報 沖合で観測した津波の時刻や高さ、及び沖合の観測値から推定される沿岸での津波の到達時刻や高さを津波予報区単位で発表します。

●津波予報

地震発生後、津波による災害が起こるおそれがない場合には、以下の内容を津波予報で発表します。

発表される場合 内容
津波が予想されないとき 津波の心配なしの旨を地震情報に含めて発表します。
0.2m未満の海面変動が予想されたとき 高いところでも0.2m未満の海面変動のため被害の心配はなく、特段の防災対応の必要がない旨を発表します。
津波注意報解除後も海面変動が継続するとき 津波に伴う海面変動が観測されており、今後も継続する可能性が高いため、海に入っての作業や釣り、海水浴などに際しては十分な留意が必要である旨を発表します。

(出典:気象庁HP

5-2 津波観測システム

気象庁では津波を観測するために、日本各地に沿岸の潮位・津波観測施設や、沖合津波計を設置しています。その他、関係機関により設置された観測機器のデータについても監視・観測を行っています。

<観測機器>

● 津波観測計   ▲ GPS波浪計   ▼ ケーブル式海底津波計   + ブイ式海底津波計

<所属機関>

赤色 気象庁   青色 国土交通省港湾局   黄緑 国土地理院   水色 海上保安庁  
黄色 海洋研究開発機構   桃色 防災科学技術研究所   紫色 東京大学地震研究所   茶色 その他の機関  

津波観測点(出典:気象庁HP)
津波観測点(出典:気象庁HP

地震活動等総合監視システムEPOS(出典:気象庁HP)
地震活動等総合監視システムEPOS(出典:気象庁HP

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