大規模土砂災害対応に際しては、平時・緊急時を問わずに関係機関が適切に連携した対応を図り積極的な情報共有や支援を行う必要があるなど、防災・減災に対して危機管理能力の更なる向上が望まれています。

利根川流域では、利根川水系（吾妻川流域、烏川流域、神流川・鏑川流域、片品川・奥利根流域）において大規模な土砂災害が発生した場合に備え、関係機関が適切に連携し、迅速かつ適切な災害防御活動を実施することを可能とするため「利根川水系 大規模土砂災害における連絡協議会」を設置しています。
連絡協議会では、「大規模土砂災害に備えて大規模土砂災害等の対応に係る連携要領」（以下、連携要領）を作成するとともに、例年、関係機関間の連携対応等の確認、連携要領の実効性の検証、大規模土砂災害時における危機管理能力の向上を図ることを目的とした合同防災訓練を実施しています。

令和４年度は、神流川・鏑川流域を対象に質疑応答型訓練（対面形式・Web形式併用）を実施しました。訓練では、降雨を誘因とした同時多発的土砂災害を想定し、災害発生前の準備行動から土砂災害発生後の対応までの一連を確認するとともに、特に河道閉塞の形成に伴う、緊急調査の実施や土砂災害緊急情報の通知・周知等についても確認を行い、関係機関間の災害対応能力の向上を図りました。併せて、土砂災害対応に関する課題抽出を行い、前述した連携要領の改定を行いました。
今年度は吾妻川流域を対象に同様の訓練の実施を予定しており、災害対応能力の向上に継続的に取り組んでいきます。