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氏 名所 属
前泊 博盛 (株)琉球新報社 編集局次長

■ご意見の内容

1.重点化を進める上で特に優先度の高い政策
○文化を担うステージ機能を有し、くすの木通りのような緑陰の豊富な道路整備を心がけてほしい。地域振興の要として期待できる。
○これからの道路計画のテーマとして、車中心の道路整備から歩行者に目を向けた整備 (安全・安心して歩ける)(〔例〕照り返しのあまりない、女性が安心して歩ける道づくり等)が必要である。
○国民に対し道路政策へ理解を求めるための努力(徹底した広報活動)が必要である。
 例1〕道路整備による効果(渋滞緩和・安全面・環境面等)
 例2〕生活道路からトラックを一掃するキャンペーン
 例3〕通学路から抜け道として使用されることをふせぐためのキャンペーン等

2.効率化を徹底的に進める上で重視すべきこと
○地方部における歩道について、需要のあまりないところは両側歩道から片側へするなど徹底的な効率化が必要である。逆に外側線の外側に全然余裕幅がなく歩行者の歩くスペースさえもない場合もある。画一的でない地方部にあった基準による道路整備が必要である。
○国道58号のような片側3車線道路は、それぞれ第1通行帯から中央分離帯側に向かって、低速、中速、高速車線と、走行速度に応じた機能の車線であるにもかかわらず、特に軽自動車が低速走行しながら中高速車線を走行しているケースが多い。それが渋滞の最大の要因になっていると感じる。
 現道路機能(交通容量)を最大に活かすには、道路行政として高速・中速・低速表示をきちんとし、それぞれの車両がきちんと道路を使ってもらわなければならない。ドライバーが理解していなければ渋滞を助長させるのみである。
 これは沖縄でもっとも遅れていることであり、ドライバー教育の重要な要素である。
 そのために道路の使い方マニュアルを作成するのも一案である。
○都市計画上重要な点は、マンション等の立地で周辺道路に交通負荷がかかり、ただでさえ狭い道路で交通混雑が発生するのは、計画として問題があると言わざるをえない。
 特に総合行政的にコントロールされていない失敗例として上げられるのは、新都心である。電線類地中化はされていないし、渋滞は言うまでもない。
○将来の人口や利用台数等を予測してつくった道路を段階的に拡張工事を行っているのはどうにも理解できない。
○安里から新都心向け左折の際に車線を絞って、わざわざボトルネック状にして渋滞を助長しているケースが他にもいくつか見られるが、歩道を含めた全体幅員に余裕があれば車線を確保するなど、ちょっとした手当てで対策が可能な場合がある。特にタクシードライバーがよく知っているので、ヒヤリングを行ってみてはどうか。
○ナビの更新頻度が低いことから、海上を走っているケースがある。更新のタイミングにあわせ道路情報の早めの提供が望ましい。

3.その他、道路政策や道路の整備・管理全般に関するご意見
○ヒートアイランド対策として、県土面積に対しそれなりの比率を占めている道路に散水(注水)を行うことは有効であると考える。
○沖縄において、島草履は文化であったが、アスファルト舗装の整備とともになくなっていった。島草履が履けなくなったのは道路にも責任の一端がある。島草履が履けるような道路づくり、それはアスファルト舗装ではなく、砕石・砂利、芝を張るなどいろいろ考えてもよいのではないか。
○軽自動車は県内自動車保有台数の50%を越えており、渋滞の要因や違法駐車も多く見られる。しかしながら税金の面でみると他の乗用車に比べかなり優遇されている、財源確保の面からも何らかの軽自動車対策は必要ではないか。
○道路特定財源については地方切捨てではなく、地方のニーズ等を考慮し新たな枠取りが必要である。

別添資料「沖縄・道路の課題と提案」参照