道路

2.交通事故対策の取組

交通事故対策の取組方針

交通事故対策の実施にあたっては、次の2つの基本戦略に基づき、効率的・効果的な交通事故対策を進めています。

<基本戦略>

施策パフォーマンスの追求

厳しい財政状況の中で効果的な対策を推進するためには、交通事故対策への投資効率を最大限高めることが必要です。このため、科学的なデータや地域のニーズ等に基づき、事故要因や有効な対策について十分な分析を行った上で、地域の実情を踏まえつつ、幹線道路及び生活道路において効果的・効率的な対策を推進します。

地域や住民の主体性の重視

交通事故対策を効果的・効率的に進めていくためには、地域や地元住民が自ら安全で安心な交通社会を構築していこうとする前向きな意識を持つことが重要です。そのため、計画の策定や事業の実施に積極的に参画・協力していく仕組みをつくるなど、交通事故対策における地域や住民の主体性を重視する取組を推進します。

<交通事故対策にあたっての目標>

  1. 平成27年までに24時間死者数を3,000人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する。
  2. 平成27年までに死傷者数を70万人以下とする。
    (第9次 交通安全基本計画(平成23年3月31日))

<対策の柱>

全死傷事故件数の約半数、全死者数の約7割を幹線道路の事故が占めています。また、歩行者・自転車乗用中の死者数は諸外国と比べて大幅に高く、これら歩行者・自転車が関連する死傷事故件数は生活道路において幹線道路の約2倍となっている状況です。これまでも、警察庁と国土交通省が連携して、幹線道路と生活道路の両面で対策を推進してきましたが、引き続き以下の対策を一層推進してまいります。

幹線道路における交通事故対策

生活道路における交通事故対策

2-1.幹線道路における交通事故対策

交通事故を減少させるためには、交通事故の実態や要因を科学的かつ総合的に解明し、これを踏まえた効果的な交通安全対策を立案、実施することが不可欠です。全国の幹線道路(国道・都道府県道)を約71万区間に分割し、平成19年~平成22年の事故データと平成22年の交通量データを基に、各区間の死傷事故率を算出した結果、死傷事故の69%が全体の20%の区間に集中していることが分かります。

事故危険箇所

全国の国道・都道府県道における交通事故が特定の箇所に集中して発生しているという特徴を踏まえ、幹線道路において集中的な交通事故対策を実施することを目的に、警察庁と国土交通省が合同で、死傷事故率が高く、又は死傷事故が多発している交差点や単路部を「事故危険箇所」として指定(平成25年7月)し、都道府県公安委員会と道路管理者が連携した対策を実施しています。

<事故危険箇所の指定>

平成25年7月に下記の抽出箇所から対策必要箇所を3,490箇所選定しました。

事故危険箇所の選定の考え方

◆平成19年~平成22年における平均的な交通事故発生状況について以下の条件を全て満たす箇所。

  • 死傷事故率が100件/億台キロ以上
  • 重大事故率が10件/億台キロ以上
  • 死亡事故率が1件/億台キロ以上

◆地域の課題や特徴を踏まえ、特に緊急的、集中的な対策が必要な箇所。

<事故危険箇所の目標>

事故危険箇所における対策は、平成24年8月に定めた社会資本整備重点計画において、「平成28年度末までに対策実施箇所における死傷事故件数について約3割抑止」という目標を掲げて取り組んでいます。

<事故危険箇所における対策の概要>

「事故危険箇所」においては、都道府県公安委員会と道路管理者が連携して、道路改良、交通安全施設の設置、信号機の設置・改良等の集中的な交通事故対策を講じています。

(1)道路改良

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【右折レーンの延伸】

右折レーン長不足により直進車線まで延びた右折待ち車両の列に、直進車が追突する事故を防止するため、右折レーンを延伸し、十分な右折レーン長を確保しています。

【歩道の整備】

安全・安心な歩行空間を確保するため、歩道を整備しています。

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【導流路半径縮小】

左折時の走行速度が高くなり横断歩行者又は横断自転車を見落とし衝突する事故を防ぐため、導流路半径の縮小により、左折時の走行速度を抑制しています。

【最高速度規制】

往復の交通流を分離することにより、対向車線への逸走による正面衝突等の重大事故を防止しています。

(2)交通安全施設の設置

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【防護柵の設置】

車両の路外への逸脱を防止し乗員及び第三者への被害を防止するため、防護柵を設置しています。

【導流標示の設置】

右折時の走行位置が不明確であるため、歩行者や対向車への注意が行き届かなくなり衝突する事故を防ぐため、交差点に導流標示を設置し走行位置を明確化しています。

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【注意喚起表示(LED表示版)の設置】

事故の危険性がある箇所や急カーブ箇所等でドライバーに注意を促すための注意喚起標示を設置しています。

【視線誘導標の設置】

線形が把握しにくいカーブ区間において車線逸脱による事故を防止するため、視線誘導標を設置して線形を把握しやすいようにしています。

事故ゼロプラン(事故危険区間重点解消作戦)

厳しい財政状況の中で、必要な道路整備を進めていくためには、限られた予算を効率的・効果的に執行し、成果を上げていくことが重要です。このため、データ 等に基づく「成果を上げるマネジメント」の取組みを導入し、交通安全分野における「成果を上げるマネジメント」を『事故ゼロプラン(事故危険区間解消作戦)』として展開しています。

『事故ゼロプラン』では、「選択と集中」、「市民参加・市民との協働」をキーワードとして、事故データや地方公共団体・地域住民からの指摘等に基づき交通事故の危険性が高い区間(事故危険区間)を選定し、地域住民への注意喚起や事故要因に即した対策を重点的・集中的に講じることにより効率的・効果的な交通事故対策を推進するとともに、完了後はその効果を計測・評価しマネジメントサイクルにより逐次改善を図ることとしています。

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(1)事故の危険性が高い区間の明確化

事故危険区間については、都道府県毎に、①事故データに基づく区間、②潜在的な危険区間を抽出し、学識経験者・関係者等からなる委員会から意見を聴取した上で、全国で12,650区間を選定しています(平成25年11月1日現在の直轄国道)。

(2)情報の共有化

利用者に危険箇所を認識してもらうことで事故削減にも期待できることから、市民との情報共有にも積極的に行うこととしており、①代表的な事故危険区間の公表、②注意喚起看板の設置、③地域住民・関係機関等との合同現地点検等を実施しています。

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2-2.生活道路における交通事故対策

あんしん歩行エリア

生活道路において人優先の考えの下、面的かつ総合的な交通事故対策を集中的に実施することを目的に、警視庁と国土交通省が合同で交通事故の死傷事故の発生割合が高く、緊急に歩行者・自転車の安全対策が必要な地区を「あんしん歩行エリア」として指定し(平成21年3月)、都道府県公安委員会と道路管理者が連携して、面的かつ総合的な事故対策を実施しています。

<あんしん歩行エリアの指定>

平成21年3月に下記の条件を満たす箇所を「あんしん歩行エリア」として582エリア指定しました。

あんしん歩行エリアの指定条件

◆人口集中地区であること。
◆歩行者・自転車関連事故件数が12.65件/km2年 以上の箇所
◆平成24年度までに事業完了見込みの箇所

<あんしん歩行エリアの目標>

「あんしん歩行エリア」における対策は、平成21年3月に定めた社会資本整備重点計画において、「平成24年までに対策実施箇所における歩行者・自転車死傷事故件数について約2割抑止」という目標を掲げて取り組んでいます。

<あんしん歩行エリアにおける対策の概要>

「あんしん歩行エリア」では都道府県公安委員会と道路管理者が連携して面的かつ総合的な死傷事故抑止対策を講じています。

具体的な対策としては、ハンプ、クランク等車両速度を抑制する道路構造や速度規制等により、歩行者や自転車の通行を優先するゾーンを形成するゾーン対策、歩道の整備等により、安心して移動できる歩行空間ネットワークを整備する経路対策、外周幹線道路の通行を円滑化し、エリア内への通過車両を抑制するため、交差点の改良等を実施する外周道路対策等を推進しています。

(1)歩行者・自転車を優先するゾーンの形成

住宅地、商業地等の生活道路において、歩行者や自転車の安全・快適な利用を特に優先するため、住宅地区内の速度規制、クランクやハンプ等の車両速度を抑制する構造を有する道路整備を面的に実施し、歩行者や自転車優先のゾーンを形成します。

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【ハンプの設置】 【クランクの設置】
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【狭さくの設置】 【最高速度規制】

(2)歩行空間ネットワークの整備

歩行者や自転車の安全を確保するためには、歩行者・自転車・自動車の適切な分離や安全・安心な歩行空間の確保を図ることが必要であり、歩道の整備や路肩の拡幅等により、ネットワークとしての歩行空間を確保します。

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【歩道の設置】 【路肩拡幅による歩行空間の整備】

(3)外周道路対策の円滑化(交差点の改良、信号機等の整備)

交差点の改良、信号機の高度化・改良(公安委員会)等の外周幹線道路対策により、外周幹線道路の交通円滑化を図り、エリア内への通過車両を抑制します。

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【交差点改良(右折レーンの設置)】 【右折青矢印信号】

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