「新道路技術会議」による審査の結果、採択された研究(研究テーマ名と応募時の提案概要等)は以下のとおり。
【政策領域1:新たな行政システムの向上】
研究テーマ名と提案概要 | 研究代表者名 | |
研究テーマ名 | 広域道路ネットワークの耐災害信頼性から観たリンクの脆弱度及び改良優先度の実用的評価手法の開発と適用性評価 | 家田 仁 (東京大学) |
提案概要 | 社会資本整備において実用的な道路ネットワークの信頼性評価手法に着目し、広域道路ネットワークの耐災害信頼性の観点から、リンクの脆弱度及び改良優先度の評価手法の開発を行う。また、東北地方をはじめとする日本各地の自然災害と空間条件の実情を踏まえた現実的な道路ネットワークの信頼性指標の特性分析に基づいてその適用可能性を評価する。 |
【政策領域2:道路ネットワークの形成と有効活用】
研究テーマ名と提案概要 | 研究代表者名 | |
研究テーマ名 | 物流の効率化と環境負荷の低減の両立を目指した道路政策についての研究開発 | 谷口 栄一 (京都大学) |
提案概要 | 大都市における貨物車交通の問題は、経済の発展・環境の改善・省エネルギー・交通安全の観点から非常に重要な問題であり、本研究開発においては、東京や大阪などのメガシティにおいて物流の効率化と環境負荷の低減の両立を目指した道路政策を立案するための貨物車交通マネジメントの方法論について研究を行う。 |
【政策領域4:コスト構造改革】
研究テーマ名と提案概要 | 研究代表者名 | |
研究テーマ名 | 道路橋示方書の改定を踏まえた性能設計概念に基づく設計照査手法についての研究開発-特に下部構造物を中心として- | 本城 勇介 (岐阜大学) |
提案概要 | 道路橋示方書は、H23年度改定に引き続き、数年以内に性能設計概念の徹底と、部分係数法による設計照査を全面的に導入した大幅改定が予定されている。本研究はこの改定に備え、この概念と手法を全面的に取り入れた、道路構造物への要求の高度化と多様化への対応、建設や維持補修のコストの縮減等を目指した設計照査手法を廻る諸問題に、具体的な解を示すことにより、性能設計の導入の効果が速やかに発揮されることを目的としている。 |
【政策領域6:交通事故対策】
研究テーマ名と提案概要 | 研究代表者名 | |
研究テーマ名 | 事故発生位置情報を用いた事故分析総合システムの研究開発 | 山田 晴利 ((公財)交通事故総合分析センター・東京大学) |
提案概要 | これまでの事故データでは、事故発生位置がわかるのは道路管理者がマッチング作業を行って位置情報を附与している一般都道府県道以上の道路での事故のみであり、これ以外の道路の事故発生場所は不明で,場所を特定しての分析はできなかった。2012年から全ての人身事故について発生位置が附与されるようになったので、地理情報システム(GIS)を援用し位置情報の入力支援・品質管理から分析まで網羅できる、わが国初の総合的な全国事故分析システムを研究・開発する。これは事故分析のもっとも基本的な情報基盤であり、細街路、ゾーン30等これまで十分な分析が行えなかった道路、地域を対象とした分析に加えて、ヒヤリ・ハットデータやドライブレコーダのデータとの連携、沿道の建物用途・土地利用形態・道路線形との関連分析を可能とし、「幹線道路と生活道路における事故対策の展開」に寄与する。 |
【政策領域8:道路資産の保全】
研究テーマ名と提案概要 | 研究代表者名 | |
研究テーマ名 | 繊維シートや鋼板によって補強されたRC部材の再劣化に対する健全度評価法の開発※ | 鈴木 基行 (東北大学) |
提案概要 | 経年劣化した道路橋は、補修・補強されて供用が続けられている。本研究は、繊維シートや鋼板補強によって表面が覆われ、再劣化による変状が目視確認できない桁や床版などのRC部材に対して、非破壊検査法と健全度評価法を開発する。 |
※FS(革新的研究調査)研究課題として採択。