平成17年4月20日 |
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土地・水資源局土地政策課 |
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TEL:03-5253-8111(代表)
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4月19日午後15時より、国土交通省3号館特別会議室(11F)において、第12回国土審議会土地政策分科会企画部会が開催された。議事の概要は以下のとおり。
○ 事務局より、資料1「今後の宅地政策の方向性」についての説明を行い、これをもとに、今後の宅地政策の方向性についての議論を行った。主な意見等は以下の通り。
- 宅地政策の見直しの方向性は、提示された4つの方向性で考えていくべきではないか。
- 今後の政策目標として「サステイナブルな都市社会の基盤となる優良な宅地ストックを形成すること」とあるが、具体的にどのようなことを目指すのか明確にすべき。イメージとしては、農地・緑地と共存すること、良質なストックを作ってそれを維持すること、と思われるが、国の政策として、大きな「構え」での議論をすべきではないか。
- 今後の宅地に関する課題は、人間の作った人工物のストックを維持・管理するだけではなく、水面、緑等の自然物をも含めた更に広い概念で議論すべき。
- 「民間が創意工夫を発揮できる基礎的条件を確保」とあるが、前提条件となるストックの状況や人々の意識の変化により、民間が創意工夫する条件も変わっていくため、そうした前提条件を整理して方向性を検討すべきではないか。
- 今後整備する宅地のみならず、現行の宅地や緑地がサステイナブルであるか否かの検証・検討が必要ではないか。たとえば、質の低い宅地や外部不経済を与える宅地については課税や規制の必要があるほか、生産緑地制度については見直す必要もあるのではないか。
- 今後の宅地供給は市場と自治体の判断に委ねられるべきとは言え、市場と自治体の利害が相反することもあるため、国としては、強制力のある第三者としての立場から施策を講じるべきではないか。
- 鉄道、道路等の整備とうまく連携したまちづくり、宅地整備が進んでないように思われるが、こうしたものをしっかり進めるべき。
また、宅地政策に関しては、看板等の景観や車の進入等に対する規制を強化することも必要ではないか。
- 今後の宅地政策の議論は、土地政策をはじめ、宅地政策の範疇では収まらない内容をも含んでくるので、そうした内容や他の施策とのリンクをはっきりさせるべき。
- 小規模宅地がよくないという認識は、かなり共有されているが、実際の所得や地価の状況からすると、一般人は都心の戸建住宅には住むな、というのに等しく、現状では明確に方向性を出しにくい。しかし、今後の人口減少等も考えれば、こうした方向性についても正面から検討するべきではないか。
○ 事務局より、資料2「土地の管理について」についての説明を行い、これをもとに、適正な土地管理のあり方について議論がなされた。主な意見等は次のとおり。
- 土地が余っている状況は、都市の内部の再開発の難しさと、周辺部の開発に対する規制の弱さにより、郊外部の開発が進展しているのが原因ではないか。
- 発生した空地に関しては、基本的には地域が管理又はNPO等に管理を委ねるところであるが、それだけだとうまく管理されない空地も多く、国として税制等の検討の必要があるのではないか。
- 善意での地方公共団体への土地の提供に対しても、様々なコストがかかり、なかなかうまくいかない現状がある。また、人口のまとまりのないところでどのような対策が可能であろうか。
- 規制ということでは住民協定があるが、協定を守る人、守らない人の間の不公平感をなくし、協定を守らせるために何らかの施策が必要なのではないか。
- 今後は、市場に委ねるだけでは有効に活用されない土地がたくさん出てくるだろうが、こうした市場価値のない土地に関する転換コストを誰がどのくらい負うのか、という議論が必要ではないか。
- そうした土地を自然に戻していくための事業が必要なのではないか、という考え方もある。
- 行政のコスト負担能力等を鑑みると、国土全体を管理すること自体が難しくなってきている中で、管理しない、人を入れない地域を指定する等、国土の選択的管理が必要なのではないか。
- こうした課題に関する国の役割は、土地についての基本的な姿勢と制度を提示することではないか。
右肩上がりの時代が終わった後の土地の適切な管理については、土地基本法のあり方も含めて議論することも必要ではないか。
- 高度成長期は、国が後追い的に施策を講じていたが、人口減少局面の問題に関しては、まだ時間があるため、国が先んじて問題提起し、こうした審議会等の場で考えることができるのではないか。

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