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「国土と環境を考える委員会」提言

環境施策の展開にあたって

国際貢献

 地球環境の保全は、一国のみでは解決できない人類共通の課題である。こ のため、国内において、持続可能な社会の実現に向けた各般の取組みや、例 えば、遊水池や湖沼を質の良いウエットランドにする等地球規模の大きな生 態系ネットワークの保全に貢献する取組みを実施することなどに加えて、国 際社会においても、我が国がイニシアティヴを発揮して、積極的に他の先進 国との協力関係を築くとともに、開発途上国に対する人的、技術的支援を行 うなど国際貢献を果たしていくことが重要である。
(1)先進国との協力
 地球的規模の人類の課題について、共通の価値観とビジョンを共有し、共同協力研究や人的交流を行うことにより、先進国が連携して環境問題に対処していくことが重要である。
 具体的には、

1地球的展望に立った協力のための共通課題として、環境政策対話、地球観測情報ネットワークの形成等を推進すること

2環境技術協力を推進すること

3先進国の社会資本整備における環境配慮等に関する情報データベースを整備すること

等が重要である。
(2)開発途上国への支援
 人口が急激に増加し環境が悪化している開発途上国などに対して、日本が環境面で人的、技術的な支援を積極的に行うことが重要である。
 具体的には、

1今まで日本が蓄えてきた技術・ノウハウを、開発途上国へ提供していくために定型化しておくこと

2地域の特性に応じて柔軟に対応しうる技術を活用していくこと

3技術開発において、国内における使用のみを目的とするのでなく、輸出もできる技術といった視点を持つこと

4NPO、NGO等の国際的に貢献する活動を支援する仕組みづくりを行うこと

5環境に関する国際会議を開催すること

が重要である。
 また、具体的な提案としては、東南アジア等では急激に人口が増加している都市があり、環境、衛生、交通、公害、犯罪等の問題が生じていることから、日本がその解決のモデル都市を示したり、「高密度居住に対する技術」や「オープンスペースや自然環境とのバランスに関する技術」を提供していくことが考えられる。

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