都市計画

コンパクト・プラス・ネットワークの形成に関連する支援施策集

[9]防災との連携の視点

○コンパクト・プラス・ネットワークの形成に取り組むに当たっては、河川管理者、下水道管理者等との連携により、災害リスクの低い地域への都市機能や居住の誘導を推進することが重要である。
○また、災害リスクが比較的高いものの、既に都市機能や住宅等が集積している地域については、災害リスクを軽減するために河川、下水道等の整備を重点的に推進することが重要である。

1)面的な整備により対象地区の防災性向上を図る事業への支援措置

施策等の名称 予算措置の有無 地方財政措置の
有無
税制措置の有無 根拠法の有無 制度等の根拠 制度等の概要 所管
防災街区整備事業 密集法
住宅市街地総合整備事業制度要綱、社会資本整備総合交付金交付要綱等
 密集法に基づき建築物への権利変換による土地・建物の共同化を基本としつつ、個別の土地への権利変換を認める事業手法。老朽化した建築物を除却し、防災機能を備えた建築物及び公共施設の整備に対し、国が必要な費用の一部を支援する。

【補助率】 1/3
【税制措置】 所得税、法人税 等
国土交通省
住宅局
市街地建築課
市街地住宅整備室
都市局
市街地整備課
都市再生整備計画事業 都市再生特別措置法第47条、社会資本整備総合交付金交付要綱 ○市町村等が行う地域の歴史・文化・自然環境等の特性を活かした個性あふれるまちづ
 くりを総合的に支援し、 全国の都市の再生を効率的に推進することにより、地域住
 民の生活の質の向上と地域経済・社会の活性化を図ることを目的とする事業。
〇災害の発生が想定される地域において、事前復興まちづくり計画等に基づき市町村等
 が行う防災拠点の形成を総合的に支援し、地域の防災政尾工場を図ることを目的とす
 る事業。

【交付率】4割
国土交通省
都市局
市街地整備課
都市再生区画整理事業 土地区画整理法、社会資本整備総合交付金交付要綱等
 都市基盤が脆弱で整備の必要な既成市街地の再生、街区規模が小さく敷地が細分化されている既成市街地における街区再編・整備による都市機能更新、低未利用地が散在する既成市街地における低未利用地の集約化による誘導施設の整備等を目的とする土地区画整理事業への支援。
 
国土交通省
都市局
市街地整備課
市街地再開発事業 都市再開発法、社会資本整備総合交付金交付要綱、租税特別措置法、地方税法等  土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、敷地の統合、不燃共同建築物の建築及び公共施設の整備を行う。

【補助率】1/3
【税制措置】所得税、法人税、不動産取得税、登録免許税、固定資産税等
国土交通省
都市局市街地整備課
住宅局市街地建築課
都市防災総合推進事業 社会資本整備総合交付金交付要綱

 避難地・避難路等の公共施設整備や地区緊急避難施設の整備、避難地・避難路周辺の建築物の不燃化、木造老朽建築物の除却及び住民の防災に対する意識の向上等を推進し、防災上危険な市街地における地区レベルの防災性の向上を図る取組を支援
 

交付率】1/2、1/3、2/3※
 ※南海トラフ特措法又は日本・千島特措法に基づく一定の要件を満たす場合


関連URL: http://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_tk_000008.html

国土交通省
都市局
都市安全課
宅地耐震化推進事業 社会資本整備総合
交付金交付要綱
 大地震時等における滑動崩落や液状化による宅地の被害を軽減するため、変動予測調査を行い住民への情報提供等を図るとともに、対策工事等に要する費用について支援。
 立地適正化計画における防災指針に即して行われる事業について、対策工事等の国費率を嵩上げ(1/4・1/3→1/2)。
国土交通省
都市局
都市安全課
居住誘導区域等権利設定等促進事業(防災移転支援事業) 都市再生特別措置法109条の7等  災害ハザードエリアから立地適正化計画の居住誘導区域又は都市機能誘導区域に住宅又は施設を移転する場合において、市町村が防災移転支援計画を作成・公告し、手続きの代行等を行う。
 当該事業を活用した移転者に対しては、登録免許税や不動産取得税の税制上の特例措置による支援を実施。

○【登録免許税】本則の1/2軽減
        (所有権移転登記、地上権・賃借権設定登記)
 【不動産取得税】課税標準から1/5控除
国土交通省
都市局
都市安全課

2)防災機能を併せて整備する建築物への支援措置

施策等の名称 予算措置の有無 地方財政措置の
有無
税制措置の有無 根拠法の有無 制度等の根拠 制度等の概要 所管
防災・省エネまちづくり緊急促進事業 防災・省エネまちづくり緊急促進事業補助金交付要綱、社会資本整備総合交付金交付要綱等  防災性能や省エネルギー性能の向上といった緊急的な政策課題に対応した質の高い施設建築物等を整備する市街地再開発事業等の施行者に対して、助成を行うことにより、事業の緊急的な促進を図る。

【補助率】 3/100、5/100、7/100
国土交通省
住宅局
市街地建築課
都市局市街地整備課
共同型都市再構築業務
(民都機構による支援)
民間都市開発の推進に関する特別措置法第4条1項第1号  地域の生活に必要な都市機能の増進や都市の環境・防災性能の向上に資する民間事業等に対し、民間都市開発推進機構が長期で安定的な資金を供給する制度。
 民都機構は共同事業者として工事費等の一部を負担し、建物竣工後、民都機構の建物持分を事業者に譲渡。事業者は建物譲渡代金を20年間以内の半年賦又は10年間以内の一括弁済で民都機構に返済。
 平成30年度より、建物竣工後に事業者へ譲渡せず、民都機構が公共公益施設等の持分を一定期間保有しながら自治体等へ賃貸する、「公民連携促進型」を同機構の業務に追加。これにより、自治体の費用負担を平準化させ、民間事業者のリスクを軽減することで、民間都市開発事業による公共公益施設等の更新・再編等を加速化。

関連URL: http://www.minto.or.jp/products/reconstruction.html
国土交通省
都市局
まちづくり推進課
都市開発金融支援室
メザニン支援業務
(民都機構による支援)
都市再生特別措置法第71条等  特定の区域において行われる防災や環境に配慮した優良な民間都市開発事業に対して、民間都市開発推進機構によるメザニン資金(貸付・社債取得)の提供を通じて、一般的に調達が難しいとされるミドルリスク性資金を長期安定的に供給。追加の環境要件を満たす大規模な民間都市開発事業に対する支援においては、より長期で安定的な資金供給を行うために貸付期間の延長(20年以内→40年以内)を行う。 国土交通省
都市局
まちづくり推進課
都市開発金融支援室

3)その他の施策

施策等の名称 予算措置の有無 地方財政措置の
有無
税制措置の有無 根拠法の有無 制度等の根拠 制度等の概要 所管
集約都市形成支援事業
(コンパクトシティ形成支援事業)
集約都市形成支援事業費補助金交付要綱 等  居住誘導区域外に立地する一定規模以上の医療施設、社会福祉施設、教育文化施設、商業施設を都市機能誘導区域へ移転するときに、移転跡地の緑地等整備を支援
 立地適正化計画に跡地等管理等区域として位置づけられた、又は位置づけられる見込みの区域における建築物跡地等の管理上必要な敷地整備(芝生や花壇の設置等)を支援
 令和2年度からは、立地適正化計画に記載された防災指針に即した居住誘導区域外の災害ハザードエリアから、居住誘導区域内への居住機能の移転促進に向けた調査についても支援
国土交通省
都市局
都市計画課
都市構造再編集中支援事業 -〇 -〇 都市再生特別措置法、都市構造再編集中支援事業費補助交付要綱 等  「立地適正化計画」に基づき、地方公共団体や民間事業者等が行う一定期間内の都市機能や居住環境の向上に資する公共公益施設の誘導・整備、防災力強化、災害からの復興、居住の促進の取組等に対し集中的な支援を行い、各都市が持続可能で強靱な都市構造へ再編を図ることを目的とする事業。

 ※都道府県等及び民間事業者等に対しては、都市機能誘導区域内の誘導施設整備を支
  援。

【補助率】 1/2 (都市機能誘導区域内等、地域生活拠点内)、
      45% (居住誘導区域内等)
国土交通省
都市局
市街地整備課
想定最大規模の洪水、内水、高潮、津波の浸水想定区域指定及びハザードマップ作成の推進 水防法
津波防災地域づくりに関する法律
 平成27年の水防法改正等を踏まえて、国・都道府県等において想定しうる最大規模の洪水、雨水出水、高潮、津波による浸水想定区域の指定を促進するとともに、平成28年度には水害ハザードマップの作成の手引き等の整備を行うなど、市町村がハザードマップを作成するための技術的支援を実施している。
 これまでは、防災・安全交付金で河川改修等を実施している河川で行うソフト対策を「効果促進事業」の交付対象としていた。平成29年度からは、「効果促進事業」の交付対象を事業計画で定められた流域内で実施するソフト対策に拡充した。
 (※交付対象の例(ソフト対策) :  洪水浸水想定区域図の作成 洪水ハザードマップの作成 等)

 また、令和3年の水防法改正を踏まえて、令和4年度からは、防災・安全交付金によるハード整備を実施していない場合であっても予算支援ができるよう「水害リスク情報整備推進事業」、「内水浸水リスクマネジメント推進事業」を創設するとともに、防災・安全交付金「津波・高潮危機管理対策緊急事業」を拡充し、津波防災地域づくりに関する法律等に基づく区域※1指定に資する調査※2については、総事業費に占めるソフト対策の上限2割を超えた支援を可能とした。

※1:津波災害(特別)警戒区域、高潮浸水想定区域、災害危険区域
※2:従来の交付対象であるハザードマップ作成含む
国土交通省
水管理・国土保全局
河川環境課水防企画室
下水道部流域管理官付
海岸室
大臣官房参事官(上下水道技術)付
特定都市河川流域における支援制度 特定都市河川浸水被害対策法 (特定都市河川浸水被害対策推進事業)
・特定都市河川流域において浸水被害の防止のため、地方公共団体、民間事業者等の雨
 水貯留浸透施設の整備を支援
・貯留機能保全区域の指定にあわせた地方公共団体や民間事業者等による二線堤の築造
 等を支援※令和4年度予算案提出(一部拡充)
・貯留機能保全区域に貯まった水の早期排水が可能となるよう地方公共団体が行う排水
 施設の整備を支援※令和5年度予算案提出(一部拡充)
・特定都市河川の指定後、速やかに「流域水害対策計画」を策定し、流域のハード・ソ
 フトの取組を計画的に実行するため、都道府県が行う計画策定を支援※令和5年度予
 算案提出(一部拡充)
・浸水リスクにさらされる地域において、下流の河川整備を待たずに、早期かつ効率的
 に家屋における浸水被害の防止・軽減を図るため、貯留機能保全区域もしくは浸水被
 害防止区域内の宅地のかさ上げ、家屋の移転等を支援※令和6年度予算案提出(一部
 拡充)
・流域水害対策計画に基づく取組の実効性を高めるために、計画策定後、目標達成に向
 けた対策の具体化や合意形成の取組に対して計画策定から5年以内に限り支援
 ※令和7年度予算案提出(一部拡充)
国土交通省
水管理・国土保全局
治水課
特定都市河川浸水被害対策法 【固定資産税】
 特定都市河川流域や浸水被害対策区域内の浸水被害を防止・軽減させるため、民間事業者等が認定計画に基づき設置した雨水貯留浸透施設について、課税標準を1/6~1/2の範囲内において市町村の条例で定める割合とする(参酌基準:1/3)。
国土交通省
水管理・国土保全局
治水課
特定都市河川浸水被害対策法 【固定資産税・都市計画税】
 貯留機能保全区域の指定を受けた土地について、課税標準を3年間、2/3~5/6の範囲内において市町村の条例で定める割合とする (参酌基準:3/4)。
国土交通省
水管理・国土保全局
治水課
まちづくり連携砂防等事業 砂防法
都市再生特別措置法
市町村管理構想 等
 砂防事業の計画とまちづくりの計画の一体的な検討が行われている場合、立地適正化計画において居住誘導区域として設定された区域、及び立地適正化計画または広域的な立地適正化の方針または市町村管理構想に地域生活拠点として位置付けられた区域を対象とした砂防関係施設の整備を支援。なお、本事業においては急傾斜地崩壊対策事業のがけ高の要件を10m以上から5m以上に拡充(令和5年度)。 国土交通省
水管理・国土保全局
砂防計画課
水害リスクマップ  土地利用や住まい方の工夫、水災害リスクを踏まえた防災まちづくりの検討及び企業の立地選択など、流域治水の取り組みを推進するため、浸水範囲と浸水頻度の関係を図示した水害リスクマップを作成・公表。 国土交通省
水管理・国土保全局
河川環境課水防企画室
地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)交付要綱 等  平時の脱炭素化に加え、災害時にもエネルギー供給等の機能発揮を可能とすることを目的に、地域防災計画により災害時に避難施設等と して位置付けられた公共施設又は業務継続計画により災害等発生時業務を維持するべき公共施設に、再生可能エネルギー設備等の導入を支援。 環境省
大臣官房
地域脱炭素事業推進課
防災集団移転促進事業 防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律  災害ハザードエリアにおける住宅の集団的移転を促進するため、地方公共団体が行う移転先の住宅団地の整備や移転元地の買取り等に対して、国庫補助を行う。
 南海トラフ地震等の巨大地震に伴う津波被害が想定される一定要件を満たした市町村において、災害発生前の小規模かつ段階的な移転を可能とすることにより、津波被害の軽減を図り、事前防災まちづくりを推進。
国土交通省
都市局
都市安全課

  • みんなで進める都市計画の話 絵で見る都市計画

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