第6 公共事業の効率的・効果的実施に向けての取組み
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1.重点化に向けた取組み

(1)政策課題に対応した公共事業の重点的な実施

豊かで活力ある21世紀の経済社会を構築するため、日本新生プランの重要4分野である「都市基盤整備」「IT革命の推進」「環境問題への対応」「高齢化対応」等の重要課題に対応した事業を重点的に実施するとともに、引き続き、事業実施箇所を厳選し、早期の事業効果発現を図る。

(2)主要経費区分の見直し

道路整備事業の実態を反映するとともに政策目的の明確化を図る観点から「道路整備事業費」の中に「交通連携」の区分を設けるとともに、人口や各種機能が集積する都市地域の総合的な環境改善の緊要性等を踏まえ、従来の「市街地整備」に沿道環境やバリアフリーなどの利用環境の改善を図る道路整備事業を加えた「都市環境整備」を創設する。
この「交通連携」及び「都市環境整備」については、それぞれ1.12、1.08と予算の高い伸びを確保している。

2.透明化に向けた取組み

(1)政策評価的手法の導入

予算の配分方針の決定に当たって、施策の意図・目的・必要性、手段の適正性、達成効果・達成時期等を明らかにする政策評価的手法を一部導入したところであり、全面的な導入に向けた検討を進めている。

(2)事業の新規採択時評価について

新規事業採択時評価実施要領に基づき、原則として全ての新規採択箇所について費用対効果分析を行い、総合的な評価を行う。
また、新規採択時評価を一層国民に分かりやすいものとするため、引き続き公表範囲の拡大等の改善に取り組む。

(3)事業の再評価について

「公共事業の抜本的見直しに関する三党合意」及び独自に設定した基準により、計画・既着工事業について抜本的に見直したところであるが、引き続き個々の事業の必要性等について厳格に再評価するとともに、より一層の制度の充実に向けて取り組む。

(4)事後評価システムの検討

現在、事後評価の試行を実施しているところであり、引き続きシステムの確立等に向けた検討を行う。

(5)入札・契約手続きの改善

先の臨時国会で成立した「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の適切な運用により公共工事の透明性を高め、入札・契約の適正化を促進する。

3.予算の執行体制と補助金制度の見直し

(1)公共事業予算の一括配分制度の導入

国土交通省の発足に伴い、地方のニーズをより一層的確に反映した住宅・社会資本整備を推進するため、事業の決定及び執行に関する大臣の権限をできるだけ地方整備局長等へ委任し、各地域単位での直轄事業の実施、補助事業の調整等を総合的に行う仕組みを導入する。
また、地方公共団体が行う補助金等の申請手続き等の窓口については、一括配分事業とともに本省配分事業についても、原則として地方整備局等に一元化する。

(2)補助金制度の見直し

<統合補助金の創設・拡充>

1. 一定の政策目的を実現するために複数の事業を一体的にかつ主体的に実施することができるような類型の統合補助金について

○まちづくり総合支援事業(平成12年度創設)の拡充
地域における防災機能や交通連結機能の充実を図るための補助メニューの拡充等を行うとともに、制度の一層の活用が図られるよう予算額を大幅に増額する。

平成13年度 国費600億円←平成12年度 国費350億円
2. 個々の事業について地方公共団体が具体の事業箇所・内容を主体的に定めることができる統合補助金について

○公営住宅ストック総合改善事業費統合補助の創設

平成13年度 国費150億円

○住宅市街地整備総合支援事業費統合補助の創設(関連公共施設部分を除く。)※

平成13年度 国費366億円

○密集住宅市街地整備促進事業費統合補助の創設※

平成13年度 国費130億円

○緑地保全統合補助事業の創設

平成13年度 国費30億円

○統合一級河川整備事業費補助の創設

平成13年度 国費116億円

○統合河川整備事業費補助(二級河川対象)の拡充
二級河川すべてに係る河川構造物の改築を対象とする。

平成13年度 国費163億円

○海岸補修事業に係る統合補助金の創設

平成13年度 国費7億円

※は国がその年度における事業地区毎の配分枠を定め、一括交付するタイプの統合補助金

<補助金の廃止>

○河川の局部改良に係る補助金(継続事業については平成14年度までに廃止)
○グリーンオアシス緊急整備事業(平成12年度までの時限措置)

<補助採択基準の引上げ等>

○河川修繕費補助、砂防設備修繕費補助、地すべり防止施設修繕費補助

採択基準(下限)の引上げ(2,400万円→3,000万円)

○河川環境整備事業費補助(浄化事業を除く)、砂防環境整備事業費補助

下限の設定 3億円

4.効率化に向けた取組み

(1)コスト縮減対策

平成12年9月1日に公表された「公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針」及び同日策定した「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」に基づき、これまで進めてきた直接的な工事コストの低減に加え、ライフサイクルコストの低減などの観点でも取り組み、公共工事に関する総合的なコスト縮減を推進する。
また、住宅建設コストの低減についても引き続き積極的に推進する。

(2)PFIの推進

民間の資金や能力を積極的に活用する観点から、PFI(Private Finance Initiative)による駐車場、駐輪場、コンテナターミナルの荷捌き施設、放置艇対策施設等の整備を推進する。

(3)類似事業間調整の一層の推進

道路と農道・林道、汚水処理施設、海岸事業について、本省レベル、都道府県レベルの双方で調整会議を開催すること等を通じて調整のとれた事業を実施する。


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