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 国土交通省平成18年度税制改正要望事項
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平成17年8月31日

 

国土交通省平成18年度税制改正要望 主要事項

 

 
1.安全・安心の確保

 

(1)住宅に係る耐震改修促進税制の創設(所得税、個人住民税)

 既存住宅ストック(住宅の敷地を含む。)の耐震性を確保し、良質な住宅ストックの形成を促進するため、耐震改修工事に要する費用の一定割合(10%程度)を所有者(マンション共用部分又は分譲マンションの敷地を対象とする工事の場合は、各区分所有者の負担分の一定割合を各区分所有者)の所得税額、個人住民税額のそれぞれから控除する特例措置を創設する。

(2)事業用建築物に係る耐震改修促進税制の創設(所得税、法人税)

 既存事業用建築物ストックの耐震性を確保し、良質な建築物ストックの形成を促進するため、耐震改修工事に要する費用を30%特別償却する特例措置を創設する。

(参考)

○既存の住宅・建築物(非住宅)の耐震性の現状と目標

既存の住宅・建築物(非住宅)の耐震性の現状と目標

○制度創設の必要性

東海地震、東南海・南海地震の地震防災戦略(平成17年3月30日 中央防災会議決定)(抄)
(減災目標)今後10年間で死者数、経済被害額を半減       
       目標達成に必要な住宅の耐震化率:90%(平成27年)

住宅・建築物の地震防災推進会議 提言(平成17年6月10日)(抄)
     
  • 耐震改修促進法等の制度の充実、強化    
  • 今後10年間の住宅・特定建築物の耐震化の目標:耐震化率 約75%→9割
  • 耐震改修税額控除制度の創設の検討    
  • 補助制度、交付金制度の活用促進
 

○耐震改修工事例:壁又はすじかいの増設、柱の補強など

耐震改修工事例:壁又はすじかいの増設、柱の補強など

(3)盛土宅地に係る耐震改修促進税制の創設(所得税、個人住民税)

 地震の際に崩壊する危険性の高い盛土宅地の耐震性を確保し、良質な宅地ストックの形成を促進するため、耐震改修工事に要する費用の一定割合(10%程度)を所有者(複数の所有者が存する宅地を対象とする工事の場合は、各所有者の負担分の一定割合を各所有者)の所得税額、個人住民税額のそれぞれから控除する特例措置を創設する。

宅地に係る耐震改修イメージ

(4)駅部の耐震補強工事により取得した資産に係る特例措置の創設(固定資産税、都市計画税)

 首都直下地震、東海地震、東南海・南海地震等今後発生が予測される大規模地震に備え、駅部(駅舎及び高架橋等)における耐震補強の整備を促進するため、緊急に整備する駅部の耐震補強工事に係る特例措置を創設する。
 ○固定資産税・都市計画税:課税標準 5年間2/3

耐震補強イメージ図

駅の耐震補強の例(鉄骨ブレース)

(5)中小鉄道事業者がATS等の脱線防止設備を取得した場合における特例措置の創設及び地方鉄道の近代化設備に係る特例措置の拡充(法人税、固定資産税)

 平成17年4月多数の死傷者を出したJR西日本福知山線脱線事故を踏まえ、経営基盤の脆弱な中小鉄道事業者が、ATSの緊急整備等脱線防止対策に資する鉄道施設を取得した場合に、法人税について特別償却又は税額控除を行う特例措置を創設する。
 また、経営基盤の脆弱な中小鉄道事業者が近代化補助金により取得したATSの緊急整備等脱線防止対策に資する鉄道施設に係る固定資産税について特例措置を拡充する。

対象事業者 中小鉄道事業者
対象設備 ATS等
特例内容 法人税 特別償却30%又は税額控除7%
固定資産税 課税標準 5年間1/4

  ATSの緊急整備等脱線等防止対策のイメージ


(6)水防協力団体に係る特例措置の創設(所得税、法人税、相続税)

 平成17年5月の水防法改正に伴い、新たに水防活動を行うこととなる水防管理者から指定された水防協力団体(公益法人)に対する寄附金について法人税の別枠損金算入等の特例措置を講ずる。

  •  

    2.環境対策の推進

     

    (1)自動車グリーン税制の延長等(自動車税、自動車取得税)

     ○自動車グリーン税制の必要性

    自動車グリーン税制の必要性

     

    ○自動車税のグリーン化の延長(自動車税)

      運輸部門のCO2排出量の約9割を占める自動車に起因する地球温暖化、及び大都市圏を中心とした自動車に起因する大気汚染への対策を推進するため、環境負荷の小さい自動車の開発・普及を促進する特例措置について、所要の見直しを行った上で延長する。

    ○現行の制度内容:  
    【軽課】
    • 電気自動車(燃料電池自動車含む)、CNG自動車及びメタノール自動車  ………概ね50%軽減   
    • 低燃費かつ低排出ガス認定車                           ………概ね25〜50%軽減
      ☆☆☆ ☆☆☆☆
    燃費基準達成 概ね25%軽減
    燃費基準+5%達成 概ね25%軽減 概ね50%軽減
     
    【重課】  車齢11年超のディーゼル車、車齢13年超のガソリン車
         (ただし、低公害車及び一般乗合バスを除く)                 ………概ね10%重課

    ※燃費性能

    ○燃費基準達成    :平成22年燃費基準を満たす自動車

    ○燃費基準+5%達成:平成22年燃費基準より5%以上燃費性能の良い自動車

    【自動車の燃費性能に関する公表とは】  燃費基準+5%達成車ステッカー

      「自動車の燃費性能の評価及び公表に関する実施要領」に基づき、平成16年に定められた燃費基準達成車等の公表制度。平成22年燃費基準(省エネ法に基づき、平成22年度までに達成すべき基準として平成11年に定められたもの)からみた燃費性能に応じ、ステッカーを貼付。

    ※排出ガス性能

    ○☆☆☆ :平成17年基準値より、有害物質を50%以上低減させた低排出ガス車

    ○☆☆☆☆:平成17年基準値より、有害物質を75%以上低減させた低排出ガス車

    【低排出ガス車認定制度とは】低排出ガス車ステッカー

     「低排出ガス車認定実施要領」に基づき、平成12年に定められた低排出ガス車の認定制度。平成17年基準(大気汚染防止法等に基づき平成15年に定められたもの)からみた有害物質の低減レベルに応じ、ステッカーを貼付。

     

    ○低燃費かつ低排出ガス認定車に係る特例措置の延長(自動車取得税)

      地球温暖化対策及び大気汚染対策を推進するため、低燃費かつ低排出ガス認定車を取得した場合の特例措置について、所要の見直しを行った上で延長する。

    ○現行の制度内容:課税標準 取得価額から20〜30万円を控除

      ☆☆☆ ☆☆☆☆
    燃費基準達成 20万円控除
    燃費基準+5%達成 20万円控除 30万円控除

    ○ディーゼル車に係る特例措置の抜本的見直し(自動車取得税)

      地球温暖化対策及び大気汚染対策を推進するため、これまで特例対象とされていた平成17年自動車排出ガス規制(新長期規制)に適合した車(ディーゼルバス・トラック等)のうち、新たに設定されるディーゼル重量車の燃費基準を達成したものの取得について、特例措置を講ずる。

    世界一厳しい排出基準

    (2)特定特殊自動車(ブルドーザ等)に係る特例措置の創設(固定資産税)

     公道を走行しない既存の特定特殊自動車について、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」に基づく新しい排出基準に適応した特定特殊自動車への移行を促進するため、新たに取得した新基準適応の特定特殊自動車に係る固定資産税の課税標準の特例措置を創設する。
     ○固定資産税:課税標準 3年間1/2

    特定特殊自動車(ブルドーザ等)に係る特例措置の創設

    ※特定特殊自動車(オフロード特殊自動車):ブルドーザ、バックホウ、トラクタショベル、クレーンなどのうち、公道を走行しない自動車をいう。

    (3)緑化施設に係る特例措置の拡充(固定資産税)

     ヒートアイランド現象の緩和等のために重要な役割を有する都市の緑を確保することが必要であるという観点から、緑が少ない地区において緑化を推進し、良好な生活環境の形成を図るため、認定緑化施設(市町村の認定を受けた緑化施設整備計画により設けられる緑化施設)に係る特例措置を拡充する。

    (現行制度の概要)
      ○固定資産税

    緑化重点地区内の認定緑化施設
    (建築物の敷地面積1,000u以上)
    課税標準 5年間1/2
    緑化地域等内の認定緑化施設(300u以上)
    〔緑化義務のない建築物に設ける場合〕
    緑化地域等内の認定緑化施設(300u以上)
    〔緑化義務のある建築物に設ける場合〕
    課税標準 5年間1/3
    (義務履行に必要な最低限度部分を除く)

    (拡充)
      緑化重点地区内の認定緑化施設を整備する建築物の敷地面積要件を、500u以上とする。

    (4)建設廃棄物の再資源化施設等に係る特例措置の延長及び拡充(所得税、法人税、固定資産税)

     建設廃棄物の再資源化等に必要な再資源化施設の整備を促進するため、当該施設に係る特例措置を延長するとともに、対象施設を拡充する。

    ○所得税・法人税:特別償却14%
    (延長) @廃木材破砕・再生処理装置、廃木材乾燥熱圧装置
      A建設混合廃棄物選別装置
    (拡充) 建設汚泥再生処理装置
        
    ○固定資産税:課税標準 3年間3/4
    (延長) @廃木材乾燥熱圧装置
      A建設混合廃棄物選別装置
      B建設汚泥脱水装置
      C建設汚泥再生処理装置

    建設廃棄物の再資源化率の状況(H14)

    建設廃棄物の再資源化率の状況(H14)

    (再資源化の例)建設汚泥

     

    (再資源化の例)建設汚泥

    (5)下水処理水、雨水等を利用した水面創出等のための都市再生促進税制の拡充(固定資産税、都市計画税)

     下水処理水、雨水等を利用した水面創出等(水とのふれあい・ヒートアイランド対策等)を促進することにより、都市の居住環境の向上(都市の再生)を図るため、都市再生特別措置法に基づく民間都市再生事業において設置される水面創出等のための施設について、当該事業に係る特例措置の対象施設に追加する。
     ○固定資産税・都市計画税:課税標準 5年間1/2

    (拡充)
    対象施設に「水路及び散水施設並びにこれらの附属設備」を追加

    対象施設に「水路及び散水施設並びにこれらの附属設備」を追加

     

    3.土地・住宅対策の推進

     

    1. 土地の流動化・有効利用の促進

      (1)土地・建物に係る流通税の特例措置の延長(登録免許税、不動産取得税)

       資産デフレからの脱却を確実なものとし、新たな産業構造に対応した土地利用を実現するため、取得コストの軽減により、不動産の流動化を促進することが不可欠であるため、土地・建物に係る流通税を軽減する特例措置を延長する。

      土地・建物に係る流通税の特例措置の延長

      ○特例措置が延長されない場合、マイホーム購入者は住宅ローン減税約1.15年分の増税となる

        流通税の負担増は、住宅建設や中古住宅流通等国民の住生活に多大な影響を及ぼすものであり、豊かな住生活実現のためにも特例措置の延長は不可欠。

      [モデルケース:4,198.1万円(首都圏平均額)の分譲住宅を購入した場合]

      [モデルケース:4,198.1万円(首都圏平均額)の分譲住宅を購入した場合]

      →登録免許税の特例措置廃止による増税額は、1.15年分の住宅ローン減税額とほぼ同額

      ○特例措置が延長されない場合、産業構造転換に悪影響を及ぼす可能性

      現在、企業は新たな産業構造に対応するため事業拠点・生産設備の集約再編を進めており、流通税の特例措置の延長はその動きに対応した土地利用を実現するためにも不可欠。

      【不動産税制に関するアンケート調査結果(H17年6月 国交省実施、408社回答)】

      【不動産税制に関するアンケート調査結果(H17年6月 国交省実施、408社回答)】 

      ○一部の地域では、地価の下げ止まりが鮮明になったものの、全国的には地価下落は進行中

      地価は、東京都区部等一部地域で下げ止まりが見られるものの、全国平均では14年連続のマイナスで引き続き下落傾向にある。資産デフレからの脱却を確実なものにするためにも流通税の特例措置を延長する。

      一部の地域では、地価の下げ止まりが鮮明になったものの、全国的には地価下落は進行中

      ○不動産と金融の融合が進む中、不動産は金融資産に比べて多くの税が課せられており、不動産市場に必要な資金流入を図る上でも流通税の特例措置を延長する

      取得時の課税 不動産(土地・建物) 金融資産(株式等)
      登録免許税(所有権の移転登記)1%
      不動産取得税 3%(土地は課税標準の特例1/2)
      消費税 建物 5%(土地は非課税)
      印紙税 最高 54万円
      なし
      ※有価証券取引税はH10年度で廃止

      (2)土地に係る固定資産税等の負担軽減 (固定資産税、都市計画税)

       平成6年度の評価替えで、地価公示価格の7割評価が導入されて以降、地価が下落する中で固定資産税収が増大し、商業地等で多大な負担感をもたらしている。
       我が国の重要課題である都市再生、地域再生の実現の観点からも、特に税負担感の高い商業地等における負担軽減を図ることによって土地の有効利用を促進する必要があることから、平成18年度の固定資産税の評価替えに際し、負担水準の上限を60%へ引き下げる軽減措置を講ずる。

      ○地価下落にかかわらず、固定資産税負担は依然として高い

      地価下落にかかわらず、固定資産税負担は依然として高い

      ○条例減額制度を導入したのは全国で6自治体

      【条例減額制度導入自治体の状況(国土交通省によるヒアリング)】

      【条例減額制度導入自治体の状況(国土交通省によるヒアリング)】

      【条例減額制度の仕組み】

      【条例減額制度の仕組み】

      ≪現行制度(商業地等)≫

       
      ○固定資産税額=課税標準額×税率(標準税率 1.4%)
      ○課税標準額   
      負担水準=前年度課税標準額/当該年度の固定資産税評価額(地価公示の7割)
      • 負担水準70%超→当該年度の固定資産税評価額×70%に引き下げた額
      • 負担水準60〜70%→前年度の課税標準額に据え置き
      • 負担水準60%未満→60%に到達するよう段階的に引き上げた額
        ※現行制度では、負担水準の上限は70%
      ○条例減額制度: 平成16、17年度に限り、条例で負担水準の上限(70%)を60%から70%までの範囲内で引き下げることを可能とする制度
       

      (3)Jリート・SPCに係る特例措置の延長(登録免許税)

       不動産市場を活性化させ資産デフレの解消を図るためには、約1,400兆円といわれる個人金融資産を不動産市場へ振り向け、「強力な買い手」を創出させる不動産証券化を推進することが必要である。
       このためには、JリートやSPCが不動産を取得しやすい環境を引き続き整備することが重要であることから、Jリート等に係る登録免許税の特例措置(税率:6/1000)を延長する。

    2. 住宅対策の推進

      (1)三位一体改革による税源移譲に伴う住宅ローン減税効果の確保に関する措置

       三位一体改革による税源移譲に伴い中堅所得者層に対する住宅ローン減税の効果が低減するおそれがあることから、その効果を確保するため、所要の措置を講ずる。

      (2)住宅取得等資金に係る贈与税の特例措置の延長(贈与税)

       高齢者の資産の有効活用による住宅投資の活性化を図るとともに、住宅取得者の自己資金の充実による良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、住宅取得等資金について、相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円に1,000万円を上乗せするとともに65歳未満の者からの贈与も対象とする特例措置の適用期限を延長する。
       また、上記の特例措置との選択により、住宅取得等資金のうち1,500万円までの部分を5分5乗方式により計算する特例措置の適用期限を延長する。

      ○住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度のイメージ

      住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度のイメージ

      (参考)相続時清算課税制度の概要

      (3)新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長(固定資産税)

       住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を延長する。

      ○固定資産税:120u相当部分につき3年間(中高層耐火建築物である住宅については5年間)税額を1/2に減額

      (4)優良賃貸住宅建設促進税制の延長(所得税、法人税、固定資産税)

       居住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進するため、特定優良賃貸住宅建設促進税制及び高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の適用期限を延長する。

      《特定優良賃貸住宅建設促進税制》
      ○中堅所得者向けの比較的規模の大きい賃貸住宅の供給の促進
      • 所得税・法人税:割増償却5年間 15%(耐用年数35年以上20%)
      • 固定資産税 :120u相当部分につき5年間税額を2/5に減額

      《高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制》
      ○高齢者世帯向けのバリアフリー化された賃貸住宅の供給の促進
      • 固定資産税:120u相当部分につき5年間税額を1/3に減額

       
      (5)新築住宅のみなし取得時期等に係る不動産取得税の特例措置の延長(不動産取得税)

       住宅の流通コストの軽減等を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、新築住宅及び新築住宅用の土地に係る以下の特例措置の適用期限を延長する。

      @ デベロッパー等に対する新築住宅のみなし取得時期※の特例措置等(本則6ヶ月→特例1年)

      ※)不動産取得税に係る新築住宅のみなし取得時期
      • 新築住宅については、最初の使用又は譲渡があった日の所有者又は譲受人に不動産取得税を課税。ただし、新築後6ヶ月を経過して最初の使用又は譲渡が行われない場合には、6ヶ月を経過した日の所有者(デベロッパー等の場合が多い)を当該住宅の取得者とみなして課税。

      A 新築住宅用の土地に係る不動産取得税の減額措置※を受ける場合の土地の取得から住宅の新築までの期間要件に係る特例措置(本則2年以内→特例3年以内、100戸以上等の要件を満たす大規模マンションに限り4年以内)

      ※)新築住宅用の土地に係る不動産取得税の減額措置
      • 土地を取得してから2年以内に当該土地の上に一定の要件を満たす住宅が新築された場合には、当該土地に係る不動産取得税について、新築された住宅の床面積の2倍(200uを限度)までの税額又は45,000円のうち多い方を税額から控除。

     

    4.都市再生・まちづくり

     

    1. 都市再生・地域再生

      (1)中心市街地活性化対策の推進(所得税、法人税、相続税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、事業所税、個人住民税)

       人口減少・超高齢社会の時代を迎えるなかで、我が国の中心市街地は、賑わいの喪失、郊外居住の進展等により年々その衰退が深刻になっている。このため、中心市街地活性化に資する事業を実施する民間事業者、事業に土地等を提供する地権者等に対して、民間事業者の活力と地域住民の協力による中心市街地活性化の実現を図るため、以下の特例措置を講ずる。

      1. 賑わい再生のためのまちづくり事業の推進

        (1)中心市街地活性化に資する民間都市開発事業等に係る特例措置の創設

        @民間都市開発事業等を実施する者
        ○所得税・法人税(割増償却)、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、事業所税
        A民間都市開発事業等に係る地区内残留者
        ○所得税・法人税(1,500万円特別控除等)、登録免許税、不動産取得税 等
        B民間都市開発事業等に係る地区外転出者
        ○所得税・法人税(1,500万円特別控除等)、不動産取得税 等

        (2)中心市街地活性化に資する資産の買換特例等の拡充

          ○所得税・法人税(100%又は80%課税繰延等)

        (3)街なかの賑わい再生のための市街地整備事業に係る特例措置の拡充

          ○土地区画整理事業に係る特例措置 等

        (4)中心市街地において土地の有効利用を促すための認定事業用地適正化計画に係る特例措置の創設

          ○所得税・法人税(100%課税繰延) ○不動産取得税(課税標準 1/10控除)

        (5)中心市街地活性化に資する一定の駐車場に係る特例措置の拡充

          ○不動産取得税・固定資産税の軽減措置の拡充

      2. 街なか居住の推進

        中心市街地への優良な住宅の供給促進に係る特例措置の創設

        @中心市街地における優良な賃貸住宅の建設事業を実施する者
        ○所得税・法人税(割増償却)
        ○固定資産税(課税標準 5年間1/3)

        A中心市街地における優良な住宅の建設事業に土地を譲渡する者
        ○所得税・法人税:(100%課税繰延)

      3. 賑わい用途の集積の促進

        賑わいを確保する必要のある地区を「賑わい地区」(仮称)として指定し、当該地区に係る特例措置を創設

        賑わい用途の集積の促進

      (2)都市再生促進税制の延長(登録免許税)

       都市再生特別措置法に基づく認定民間都市再生事業を引き続き促進するため、登録免許税に係る以下の特例措置の適用期限を延長する。

      @  認定民間都市再生事業のうち一定の要件を満たすもの(特定民間都市再生事業)の用に供する土地に係る所有権の移転登記の税率を7/1000(平成17年3月31日までに認定を受けた場合には5/1000)とする。
      A  特定民間都市再生事業により整備された建築物に係る所有権の保存登記の税率を1.5/1000とする。
      B  一定の要件の下に地区内残留者が取得した、特定民間都市再生事業により整備された建築物の敷地の用に供されている土地に係る所有権の移転登記の税率を8/1000とする。

      (3)まちづくり公益法人・公益信託に係る特例措置の創設(所得税、法人税、相続税)

       まちづくり活動を主たる目的とする公益法人やまちづくり公益信託に対する寄附金・拠出金について法人税の別枠損金算入等の特例措置を講ずる。

      まちづくり公益法人・公益信託に係る特例措置の創設

      (4)奄美群島の振興に係る特例措置の延長(所得税、法人税)

       奄美群島における、製造業、旅館業及び農林水産物販売業の活性化により、奄美群島の魅力と資源を活用した内発的産業の振興を図り、地域経済社会を自立的経済社会構造へ転換するため、以下の特例措置の適用期限を延長する。

      ○所得税・法人税:
      @ 奄美群島の過疎地域に類する地区において製造業又は旅館業の用に供する機械及び装置並びに建物及び附属設備に係る特別償却             
      ・機械・装置   11%
      ・建物・附属設備   7%
       
      A 奄美群島の離島振興対策実施地域に類する地区において製造業又は農林水産物販売業の用に供する機械及び装置並びに建物及び附属設備に係る特別償却
      ・機械・装置   10%
      ・建物・附属設備   6%

      (5)バス運行対策費補助金の交付を受けて取得する乗合バス車両に係る特例措置の延長(自動車取得税) 

       過疎地におけるバス交通を維持するため、バス運行対策費補助金の交付を受けて取得する乗合バス車両に係る特例措置の適用期限を延長する。
       ○自動車取得税:非課税

    2. ユニバーサルデザインの考え方に基づく施設整備の推進

      (1)交通バリアフリー設備の特別償却制度の延長及び拡充(所得税、法人税)

       高齢者・障害者等が鉄道駅、路面電車、バス及びタクシー車両を安全かつ容易に利用できるようにするため、これらの施設に係る特定設備を整備した場合の特別償却制度の適用期限を延長するとともに、その対象を拡充する。

      (延長)
      ○所得税・法人税:
      • 既設の鉄道駅のエレベーター・エスカレーター          特別償却15%
      • 低床型路面電車、ノンステップバス、リフト付きバス、
        スロープ付きタクシー、リフト付きタクシー             特別償却20%

      交通バリアフリー設備の特別償却制度の延長及び拡充

      (拡充)
      ○所得税・法人税:   

       鉄道駅等に隣接する民間ビルにおいて、管理協定制度に則り民間ビルの所有者等がエレベーター・エスカレーターを整備した場合。

      • 民間建築物の附帯設備としてのエレベーター・エスカレーター     特別償却15%

      民間建築物の附帯設備としてのエレベーター・エスカレーター

      (2)駅のバリアフリー化改良工事により取得した施設に係る特例措置の延長及び拡充(不動産取得税、固定資産税、都市計画税)

       高齢者・障害者等が鉄道駅を安全かつ容易に利用できるようにするため、鉄軌道事業者等が駅のバリアフリー化のための改良工事により家屋及び償却資産を取得した場合の特例措置の適用期限を延長するとともに、その対象を拡充する。

      駅のバリアフリー化改良工事により取得した施設に係る特例措置の延長及び拡充

      (拡充)
       鉄道駅等に隣接する民間ビルにおいて、管理協定制度に則り民間ビルの所有者等がエレベーター・エスカレーターを整備した場合。

       ○固定資産税・都市計画税:課税標準 5年間2/3

      駅のバリアフリー化改良工事により取得した施設に係る特例措置の延長及び拡充

      (3)低床型路面電車に係る特例措置の延長(固定資産税)

       高齢者・障害者等が路面電車を安全かつ容易に利用できるようにするため、鉄軌道事業者が低床型路面電車を取得した場合の固定資産税の特例措置の適用期限を延長する。

       ○固定資産税:課税標準 5年間1/4

     

    5.国際競争力の強化と物流の効率化・グリーン化

     

    (1)外貿埠頭公社の民営化等に伴う税制上の所要の措置(登録免許税、不動産取得税、固定資産税等)及び外貿埠頭公社が所有又は取得するコンテナ埠頭に係る特例措置の延長 (固定資産税、都市計画税)

     コンテナ埠頭の管理運営の効率化を図るため、外貿埠頭公社の民営化等に向けて、民営化移行時の税負担の軽減を図るとともに、国際競争力の確保に必要な特例措置を継続するための所要の措置を講ずる。

    外貿埠頭公社の民営化等に伴う税制上の所要の措置(登録免許税、不動産取得税、固定資産税等)及び外貿埠頭公社が所有又は取得するコンテナ埠頭に係る特例措置の延長

      物流コストの軽減を図り、我が国産業経済の国際競争力を確保するため、外貿埠頭公社が所有又は取得するコンテナ埠頭に係る特例措置の適用期限を延長する。

      ○固定資産税・都市計画税(延長)

    (2)国際拠点港湾におけるロジスティクス・ハブ形成に資する中核的な高度荷さばき施設(共同利用・賃貸型)に係る特例措置の創設(固定資産税、都市計画税、事業所税)

     国際拠点港湾において、コンテナターミナルと一体的なロジスティクス・ハブ(物流結節点)を形成するため、中核的な高度荷さばき施設(共同利用・賃貸型)に係る特例措置を創設する。

    ○固定資産税・都市計画税:課税標準 5年間1/2
    ○事業所税:資産割 課税標準 5年間1/2

    港湾ロジスティクス・ハブの形成

    (3)航空機の特別償却制度の戦略的見直し(法人税)

     国際競争力を維持し、羽田再拡張等に合わせた地域航空ネットワークの充実を図りつつ、地球温暖化対策を一層推進するため、航空機に係る償却制度の対象を燃費効率の良い航空機とし、適用期限を延長する。

    ○法人税:燃費効率の良い航空機に係る特別償却 5%
        (現行 140t以上の航空機に係る特別償却 5%)

    航空機の特別償却制度の戦略的見直し

    (4)国内線航空機に係る特例措置の延長(固定資産税)

     国際的なコスト競争が進展する中、安定的な航空輸送サービスの提供及び地方航空ネットワークの維持を図るため、国内線航空機に係る特例措置を延長する。

    ○固定資産税:課税標準 130t以上 当初3年間 2/3
    130t未満 当初3年間 1/2

    国内線航空機に係る特例措置の延長

    (5)中小企業投資促進税制の延長(所得税、法人税)

     中小企業者の設備投資を促進するため、経済対策として措置されている中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却制度又は税額控除制度の適用期限を延長する。

    ○所得税・法人税:特別償却30%又は税額控除7%
      〔 トラック、内航貨物船、機械装置、器具備品が対象 〕

    中小企業投資促進税制の延長

    (6)JR貨物が鉄道貨物輸送の効率化のために取得した機関車・コンテナ貨車に係る特例措置の延長(固定資産税)

     鉄道貨物輸送の効率化を図るため、JR貨物が取得する大量牽引・高速走行が可能な機関車及び大量積載・高速走行が可能なコンテナ貨車に係る特例措置を延長する。

    ○固定資産税:課税標準 5年間1/2

    (7)JR貨物が鉄道貨物輸送の効率化のために第三セクターから借り受ける鉄道施設に係る特例措置の延長及び拡充(固定資産税) 

     鉄道貨物輸送の効率化を図るため、第三セクターが整備し、JR貨物が借り受ける鉄道施設に係る特例措置を延長するとともに、特例措置の対象を拡充する。

    (延長)固定資産税:課税標準 当初5年間1/3 その後5年間2/3
    (拡充)対象に変電所設備を追加する

    (8)国際船舶に係る特例措置の延長(登録免許税)

     我が国商船隊の中核を担い、そのフラッグシップとしての先導的な役割を果たし、質の高いサービスを確実に提供している日本籍船のうち、国際海上輸送の確保上、特に重要な船舶である国際船舶の安定的な確保を図るため、国際船舶に係る特例措置の適用期限を延長する。

    ○登録免許税:2/1000(所有権保存登記、抵当権設定登記)

    (9)外航用コンテナに係る特例措置の延長(固定資産税)

     欧米やアジアの船社とコンテナ輸送の分野で熾烈な国際競争を展開している我が国外航海運事業者による、高質かつ効率的、安定的なコンテナ輸送サービスの提供の確保を図るため、外航用コンテナに係る特例措置の適用期限を延長する。

    ○固定資産税:課税標準4/5

    (10)関西国際空港整備に係る登記についての非課税措置の延長(登録免許税)

     関西国際空港の整備を促進し、我が国の国際競争力の確保を図るため、関西国際空港株式会社(以下「関空会社」。)及び関西国際空港用地造成株式会社(以下「用地造成会社」。)が行う以下の登記についての非課税措置の適用期限を延長する。

    【資本の増加に係る商業登記】

    【2期事業の用に供する土地に係る不動産登記】

     

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