第6回 JAPANコンストラクション国際賞

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建設プロジェクト部門

最優秀賞
ハノイ~ホーチミン間鉄道橋梁安全性向上工事(CP1D,CP2,CP3A)[ベトナム社会主義共和国]

プロジェクトの概要

  • ベトナムの主幹線であるハノイ・ホーチミン間を結ぶ南北鉄道のリハビリ事業。
  • 23橋梁の架替、軌道改良工事(重量レール・PCマクラギ化)、部分複線化により高速性、定時性、安定性を実現。
  • 政府関係者、国鉄職員、現地技術者向けにメンテナンス技術を移転するとともに、本事業を通じて構築した施工体制を活かし、 周辺国へも展開。

データ

工期:2010年5月~2016年5月
発注者:ベトナム国営鉄道
応募者:鉄建建設株式会社

関係者
設計者:長大・オリエンタルコンサルタンツ・日本コンサルタンツ 共同企業体
施工者:鉄建建設・横河ブリッジ・タンロンJV(CP1D)
鉄建建設・横河ブリッジ・タンロン・丸紅JV(CP2)
鉄建建設・三井E&S・タンロンJV(CP3A)

評価のポイント

  • 23橋梁中22橋梁で日本が得意とする原位置での架替方式を導入。列車運行を維持しながら橋梁架け替えを実現。
  • 鉄道工事・メンテナンス技術の現地技術者・作業員への直接指導のほか、現地の新卒学生の積極採用や、現地協力会社の優秀な技術者を技能実習生として日本に派遣するなど、人材育成及び技術移転を実施。
  • 現地協力会社に出資するなど、本事業を通じて構築した現地協力会社等との関係を活用し、ミャンマーやバングラデシュでの鉄道プロジェクトに参画。

ヴァイシガノ橋架け替え計画[サモア独立国]

プロジェクトの概要

  • サモア唯一の商港であるアピア港とファガリ空港をつなぐ主要幹線道路上に位置するヴァイシガノ橋の架け替え工事。
  • 既設橋で進行していた塩害や、気候変動等の影響による大規模災害へ配慮をするべく、新橋では塩害対策を考慮した材料・施工方法の選択や、大型の自然災害にも耐えうるスペックを確保する事で、橋の長寿命化と強靭化を図る。

データ

工期:2018年3月~2021年1月
発注者:サモア独立国 公共事業運輸インフラ省/陸運局
応募者:株式会社鴻池組、セントラルコンサルタント株式会社

関係者
設計者:セントラルコンサルタント株式会社
施工者:株式会社鴻池組

評価のポイント

  • 既設橋では塩害による老朽化が進行していたことから、新橋建設においては塩害対策を考慮した材料、施工方法を選択する事で、新橋の長寿命化を実現。
  • 既設橋が2012年の大型サイクロン被害により落橋の危険性がより高まった経緯を鑑み、向こう100年の確率で設定した大型の自然災害へも対応できるスペックを確保。
  • 全ての工種のサブコントラクターはサモア企業を採用し、橋梁その他専門性の高い工種には日本人作業員を付与する体制で工事を着手。今後当該国自身による桁製作が可能となるよう、技術移転の観点と合わせ、航路による不安定な調達も回避できることから、プレテンション中空床版桁を現地で製作した。

ガーナ国際回廊改善計画(テマ交差点)[ガーナ共和国]

プロジェクトの概要

  • 近年増加する交通量に対応できず慢性的な交通渋滞が発生していた首都アクラを通り東西に横断する国道一号線と、テマ港からガーナ東部を南北に縦断する東部回廊の2本の国際回廊が交わるテマ交差点の改良プロジェクト。
  • 周到な施工計画や安全計画により新交差点の立体化を実現する事で、円滑な物流の促進に貢献。

データ

工期:2018年2月~2020年6月
発注者:ガーナ共和国 道路公団
応募者:清水建設株式会社・大日本土木株式会社 共同企業体、株式会社建設技研インターナショナル

関係者
設計者:株式会社建設技研インターナショナル
施工者:清水建設株式会社・大日本土木株式会社 共同企業体

評価のポイント

  • アンダーパス工事の作業帯を確保するため切回しが1回で済む効果的な迂回路計画を実現したことで、工事影響による混乱(渋滞・危険な状態)を回避するのみならず、迂回期間中においても着手前よりも交通渋滞の緩和に貢献。
  • ドローンによる空撮動画を用い、発注者と工事の進捗や発注者所掌の土地収用・埋設管移設に係る遅れ等の課題を共有することで円滑な工事進捗を実現。
  • コンクリート工事においてCIMを活用することで、複雑な躯体形状もイメージし、関係者間の理解が大きく向上。鉄筋組立・型枠の間違いや手戻りの減少、検査の迅速化という更なる効果も生まれ、生産性の改善が図られ、安定した品質で安全に工期内の工事完了に貢献。

カチプール・メグナ・グムティ新橋建設及び既存橋改修工事[バングラデシュ人民共和国]

プロジェクトの概要

  • ダッカ-チッタゴンを結ぶ国道一号線上に位置するカチプール橋、メグナ橋、グムティ橋の改修及び既存橋に並行する新橋の建設をオールジャパンで実現。
  • 新橋建設により交通容量は17,000台/日から50,000台/日に改善。周辺経済特区の整備によりトータル1000万人の雇用創出が期待。
  • 既存橋梁の安全性の向上及び急増する交通需要への対応を図り、バングラデシュ経済全体の活性化に寄与する橋梁工事。

データ

工期:2016年1月~2020年1月
発注者:バングラデシュ人民共和国 道路交通・橋梁省 国道道路局
応募者:㈱大林組・清水建設㈱・JFEエンジニアリング㈱・ ㈱IHIインフラシステム JV
㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル・ ㈱日本構造橋梁研究所、
㈱片平エンジニアリング・インターナショナル・ 大日本コンサルタント㈱ JV

関係者
設計者:㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル・ ㈱日本構造橋梁研究所・
㈱片平エンジニアリング・インターナショナル・ 大日本コンサルタント㈱・SMECインターナショナル JV
施工者:㈱大林組・清水建設㈱・JFEエンジニアリング㈱・ ㈱IHIインフラシステム JV

評価のポイント

  • 河床の洗掘対策としての鋼管矢板井筒(SPSP)基礎の採用や、鋼細幅箱桁と合成床版、PC外ケーブルによる連続化など、多くの日本の建設技術の導入・移転を実現。
  • 低騒音タイプの機械を使用することによる粉塵・騒音対策。ベントナイト不使用の場所打ち杭を採用し水質汚濁対策。カワイルカが目視された際は工事を一時中断するなど、生態系や環境への配慮を実施。
  • コンクリートバリア・交通標識の設置、適切な車道・歩道の確保等、日本と同レベルの安全基準の採用により、作業員及び周辺住民の安全対策を実施。

ブランズ BSD[インドネシア共和国]

プロジェクトの概要

  • 用地取得から設計、販売、施工、引渡、運営、管理まで日本での住宅開発の経験を活かし、インドネシアで環境に配慮をしたスマートレジデンスを提供する不動産開発。
  • 設計段階から建物管理会社を交え、メンテナンス性向上とコスト低減の配慮をした計画を実施。
  • マンション開発プロジェクトを通じ、外資系デベロッパーとして唯一、インドネシアトップ10デベロッパーに2度表彰されるなど、現地においても高い評価を受ける。

データ

工期:2015年8月~2018年10月
応募者:東急不動産株式会社、東急不動産インドネシア、株式会社日建設計、株式会社日建ハウジングシステム、株式会社日建スペースデザイン、東急プロパティマネジメント インドネシア

関係者
設計者:PT.ANGGARA ARCHITEAM
設計監修:株式会社日建設計、株式会社日建ハウジングシステム、 株式会社 日建スペースデザイン
施工者:PT.NusaRayaCipta(建築)、新菱冷熱工業株式会社(設備)
管理会社:PT.TOKYU PROPERTY MANAGEMENT INDONESIA

評価のポイント

  • 同社は1975年に地元資本と共同開発した戸建て事業を皮切りに長期・継続的に優良な住宅供給を展開。本開発では、中長期的な不動産価値の維持・向上を実現するため、インドネシアではまだ一般的でない長期修繕計画を導入。
  • メンテナンス性を考慮した排水システムの採用や均一の品質が見込めるプレキャスト等の工業製品の利用等、同国における品質確保を実現。
  • 遮熱性能の高いLow-Eガラスや日系メーカーのLED照明を採用し、消費電力の抑制、建物の熱を屋上へ逃がすパッシブ換気を導入し環境負荷を低減。
  • 竣工後の地域住民に向けたコロナウイルスワクチン無償接種イベント開催等、地域に根ざした活動を実施。

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