第6回 JAPANコンストラクション国際賞

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先駆的事業活動部門

革新的護岸改修のパートナーシップ

事業活動の概要

  • 護岸改修工事は一般的に、仮設護岸を設置後に既存護岸を撤去、新しい護岸を造るという煩雑な工程が必要であり、施工スペースの確保や大掛かりな仮設工事に多大な時間と費用を要するという課題がある。同社は、仮設護岸や撤去工事が不要で、周辺への影響を極力抑えた改修が可能な工法を開発。
  • 世界遺産であるオランダのアムステルダム環状運河地域では、近年護岸の老朽化が深刻で、改修工事を加速する新技術開発をテーマとした公募があり、同社の提案は最高評価を受けた。(1)入札、(2)研究開発、(3)商業化の3フェーズの内、現在は(2)研究開発フェーズで実証施工を開始。
  • 2023年7月に研究開発フェーズでの実証施工を終えた後、商業化フェーズでの大型受注を目指す

データ

活動期間:2020年5月~ 継続中
応募者:株式会社技研製作所
関係者:Giken Europe B.V. G-Kracht B.V.
活動国:オランダ アムステルダム市

評価のポイント

  • 今回採用された「ジャイロプレス工法」は同社が開発をした本邦独自の質の高い技術であり、入札フェーズでは、無振動・無騒音・省スペース・仮設レスで施工を行う同社の圧入技術が高く評価をされ、入札に応募した16グループの中で最高評価を獲得する事で、アムステルダム市と技術開発連携協定を締結するに至りました。このような日本で培った質の高い技術が、社会的要求が高く難易度が高い市場で期待をされ採用された意義は非常に大きいものです。
  • アムステルダム市の技術が注目・評価された結果、同国デン・ハーグ市の運河護岸改修事業にも採用され、2022年7月には実証施工の圧入工程が完了しました。当事業は約24kmの区間を改修する計画となっており、実証施工後の継続的な採用を目指すなど、アムステルダム市の護岸改修プロジェクトを機に同国での本技術への関心が高まり、その浸透は確実に進んでおり、今後、欧州の他自治体の運河改修をはじめとした大型案件への広がりが期待をされています。

ディザスター・マネジメント・ポリシー・プログラム

事業活動の概要

  • 途上国では、地震や水災害に関する知識や技術を持つ技術者が少ない現状の中、日本では防災に関する優れたノウハウや技術が蓄積されている事から、途上国の防災分野の人材養成を目的に2005年より組織横断的なディザスター・マネジメント・ポリシー・プログラム(DMP)を実施。
  • 途上国の公務員、技術者、研究者等を対象に1年間の講義や演習を通じ、防災政策に必要な知識や技術、日本の経験に基づく防災政策の理論と実践を享受すると共に、各国特有の問題に対して、習得した知識や技術、政策理論を適用させる能力を身につけるプログラムを通じた人材育成を提供しています。

データ

活動期間:2005年12月~ 継続中
応募者:国立大学法人 政策研究大学院大学、国立研究開発法人 建築研究所 国際地震工学センター(IISEE)、
国立研究開発法人 土木研究所 水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)、独立行政法人 国際協力機構
活動国:2005年の事業開始から66か国(地域)
活動歴:主たる拠点日本、66か国(地域)へ 503名の修了生を輩出
(地震学127名、耐震工学143名、 津波防災63名、水害リスクマネジメント170名)

評価のポイント

  • 2005年のスタートから現在に至る迄、DMPの修了生は、世界 66か国(地域)にまたがり、地震学が127名、耐震工学が143名、津波防災が63名、水災害リスクマネジメントが170名で、合計503名に上ります。現在途上国の防災専門家の大半は本DMPを受けた人たちであり、我が国のこの分野の技術の積み重ねが世界的にも認知されています。
  • 修了生は、修了後、それぞれの国における建築物、インフラ、防災等に関連する行政機関、研究機関等において、枢要なポストで、政策立案、実施等に携わり、また専門技術者として、建築物やインフラの設計、検査、維持管理等にも従事し、さらに大学等の教育機関において、後進の指導に携わる者もいます。このような修了生の活躍が、各国における防災対策が大きく進展すると共に、日本の防災対策や関連技術等に対する評価を大きく高めています。

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