第7回 JAPANコンストラクション国際賞

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建設プロジェクト部門

最優秀賞
クロワ・デ・ミッション橋梁及び新線橋梁架け替え計画[ハイチ共和国]

プロジェクトの概要

  • 経年劣化や自然災害による損傷が激しい、①首都圏と北部の工業開発地域を結ぶ国道1号線上にあるクロワ・デ・ミッション橋と、②国道1号線のバイパス上にある新線橋梁を架け替えるプロジェクト。
  • 急激な治安悪化によるデモや道路封鎖の常態化、新型コロナウィルス感染症による非常事態宣言等、建設現場や周辺コミュニティに対する包括的な安全・感染対策が求められた。

データ

応募者:
セントラルコンサルタント株式会社
株式会社安藤・間
工期:2017年9月~2022年3月

関係者
発注者:公共事業運輸通信省
設計者:セントラルコンサルタント株式会社
施工者:株式会社安藤・間
管理運営者:公共事業運輸通信省

評価のポイント

  • ドローンを活用した定点観測による工事の進捗管理の実施に加え、関係者による定期的な品質管理会議を通じて、日本の強みである「品質管理」を提供した。
  • 建材の現地製作等を通じた技術移転・人材育成に対して、現地政府から高い評価を得た。
  • 海外経験の浅い日本人技術者や若手外国人技術者を参画させ、OJTにより育成することで、他の海外プロジェクトでも活躍できる国際人材を確保するとともに、若手・外国人材の育成に関するノウハウを蓄積した。

インド国鉄向け電子連動装置 450駅[インド共和国]

プロジェクトの概要

  • インド国鉄傘下の全17鉄道局450駅における電子連動装置※の据付施工・保守等を実施。
    ※駅構内または車両基地内で列車や車両の進路を制御し、安全な走行を保証するための信号システム。
  • 現地の技術審査機関から型式認証を取得する必要があり、現地生産条件やインド国鉄が規定する独自仕様等を満たすことを求められた。

データ

応募者:株式会社京三製作所
工期:2014年6月~2022年3月

関係者
発注者:Indian Railways
設計者:株式会社京三製作所
施工者:
Kyosan India Private Limited/
TVM Signalling and Transportation Systems Private Limited
運営管理者:Indian Railways, Republic of India

評価のポイント

  • コンピューター基板等の現地組立により雇用を創出するほか、現地の協力工場へ技術移転を行った。これらの取組は、現地生産を推進する国の産業政策とも整合性が取れている。
  • パイロットプロジェクト等の上流段階から製品の保守等の下流段階まで、継続的に関与した。
  • 現地法人を設立し、現地の協力工場へ技術移転を行い、製品の製造から保守まで現地でスピーディーに完結する体制を戦略的に整備。

ヴァラナシ国際協力・コンベンションセンター建設計画[インド共和国]

プロジェクトの概要

  • 文化・芸術の発信や人的交流の促進の拠点となるべく、舞台・音響機器を備えた1200人を収容するメインホールを有するコンベンションセンターを建設。
  • 施設建設に加え、舞台装置の操作方法やイベント誘致の手法等のノウハウ提供による運営全般に関する支援を実施。

データ

応募者:
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
株式会社日建設計
株式会社フジタ
工期:2018年7月~2021年3月

関係者
発注者:住宅都市省 中央公共事業局
設計者:
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
株式会社日建設計JV
施工者:株式会社フジタ
運営管理者:VARANASI Smart City Limited (VSCL)

評価のポイント

  • 現地の建築環境性能評価システム(GRIHA)の基準を満たした設計・施工を行い、太陽光パネルや可動式カーテンウォール等の設置により環境負荷を低減。
  • 既存施設の解体により伐採された植栽と同等量の植栽を敷地内に植える緑化活動を行った。
  • 工事中における現地メディアによる度々の報道、着工式典・完工式典へのモディ首相を始めとする現地政府高官の出席、現地政府から社会と経済発展に寄与した画期的な事業として感謝状を授与したことなど、現地で高く評価された。

チュルイ・チョンバー橋改修計画[カンボジア王国]

プロジェクトの概要

  • 農林業等が盛んな北東9州と首都プノンペンを結ぶ国道上にあるチュルイ・チョンバー橋を改修。
  • 同橋は老朽化や交通量の増大による損傷が著しく、落橋の危険性があり、全面的な改修・補強が必要だった一方で、地域住民にとって重要な生活道路であり、通行止期間の短縮を求められた。

データ

応募者:
株式会社大林組
セントラルコンサルタント株式会社
工期:2017年9月~2019年4月

関係者
発注者:公共事業運輸省
設計者:セントラルコンサルタント株式会社
施工者:株式会社大林組
運営管理者:プノンペン都

評価のポイント

  • 既存橋を補修することや維持管理費用を低減できる補修方法・材料を採用することで、ライフサイクルコストを抑制した。また、関係者との協議や効率的な施工法の提案等により工期を短縮し、発注者から高く評価された。
  • 循環式エコクリーンブラスト工法により、施工時に排出される産業廃棄物を削減。
  • 湿式のコンクリートワイヤソー工法により、施工段階における騒音・振動・粉塵の発生を抑制。
  • 取付橋梁アプローチ部法面や周囲の公共用地の緑化を行った。

ハーモニック レジデンス シラチャ 拡張計画[タイ王国]

プロジェクトの概要

  • 日系企業の工場が多数進出しているシラシャにおいて、自社が開発した日本人駐在員家族向けのサービスアパートメントを拡張(32戸の住宅と新たな共用棟)。
  • 既存エリアと拡張エリアの施設を運営し、日本流のホスピタリティを提供するほか、外部交流の機会を積極的に設け、日本・タイの文化交流や社会貢献の活動拠点としても機能。

データ

応募者:サハ東急コーポレーション
工期:2020年9月~2021年12月

関係者
発注者:サハ東急コーポレーション
設計者:
住戸:SCG-Sekisui Sales Co.,Ltd. 
クラブハウス:ARbay Co., Ltd.
外構・インフラ設備:PTK Construction Co., Ltd.
施工者:
住戸:SCG-Sekisui Sales Co.,Ltd.
クラブハウス:SAMCON Co., Ltd.
外構・インフラ設備:PTK Construction Co., Ltd.
管理運営者:サハ東急コーポレーション

評価のポイント

  • 現地企業と合弁会社を設立し、案件形成段階から施設運営まで継続的に関与した。また、本事業の実績が評価され、現地パートナーと良好な関係を構築でき、周辺エリアの開発や別エリアでの分譲住宅プロジェクトなどの将来案件につなげている。
  • 全従業員での防災訓練により、住民の安全を確保するための対策を徹底。
  • 雨水灌漑設備の設置等、自然災害リスクを考慮した設計を行うほか、停電対策や断水対策により非常時も運営し続けられる体制を構築。

パティンバン港開発事業(第一期)アクセス道路工事[インドネシア共和国]

プロジェクトの概要

  • 首都圏東部のパティンバン新港と国道一号線を結ぶアクセス道路(上下二車線・8.2km)を整備。
  • 軟弱地盤、土地収用の遅れ、COVID-19の流行等の課題がありつつも、パティンバン新港の開港時期に合わせて完工する必要があったため、工期厳守が求められた。

データ

応募者:
清水建設株式会社
株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
工期:2018年10月~2020年10月

関係者
発注者:インドネシア共和国 公共事業・国民住宅省道路総局
設計者:株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル
施工者:清水建設株式会社
管理運営者:パティンバン港湾管理事務所

評価のポイント

  • 一部を立体交差点化することにより、現地住民が自由に横断できるようにし、コミュニティを分断しないよう配慮した。
  • 用地取得等の影響を受ける全ての住民を対象とした住民説明会を開催し、地元要望を取り入れたほか、工事により影響を受ける住民に対して生計回復支援のための職業トレーニングを提供した。
  • F/S調査・実施設計の受注や相手国政府・JICAからの情報収集を継続的に実施したことに加え、関連事業の受注や同種工事の実績を有する現地企業とJVを組成することにより、戦略的に応札を行った。

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